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ジーン・ネルソン

 ジーンネルソンというスターがいました。1950年代に主にワーナーブラザーズのミュージカル映画で活躍した人で、僕は映画よりもレコードで先に知っていました。(別項 CRAZY RHYTHM)そのレコードから伝わる雰囲気だけで、すでにかっこいいと思っていましたが、彼がドリスデイと共演した[Lullaby Of Broadwy]という映画を見た時、一発で僕の憧れのダンサーになってしまった。言葉で説明するなら、スゲー、上手い、カッチョいい、イカす、ゴキゲン、エレガント、豪快、爽快、ダンディ!僕がなりたいのはコレだって思いました。とにかくいいんです。

 昔のミュージカル映画を語る時、必ずと言っていい程フレッドアステアとジーンケリーの名前が出てきます。対照的な二人ですが、このジーンネルソンは、アステアのエレガントさと、ケリーの男らしさの両方の面を持っています。サッと手を出したラインがとてもきれいで優雅。かと思えば、アクロバット的なことを軽くこなしてしまう。タップも粋なステップがたくさんあって、自分のイメージストックの中にそんな彼のイメージがいっぱい入っています。(彼の様に踊れるわけではないのですが)まあ気分だけでもジーンネルソンになって踊りたいと思っています。しかしこれほどのスターなのに、どこかB級扱い的なところがあり、過小評価されていると思う。もしMGMと契約していたら、名作的価値の高い作品に出演でき、もっと名声を受けていたかもしれない。(ミュージカル映画は本来娯楽作品だが、MGMは他の映画会社よりも芸術的なクゥオリティが高かった)もう一つの理由は、50年代の半ばにはミュージカル映画自体がすたれていった。芸人物の娯楽映画から、「ウエストサイド物語」「サウンドオブミュージック」のようなストーリー主体の作品に変わってゆき、タップダンスがスクリーンから消えていった。60年代以降のジーンネルソンはB級のウエスタン物に出演したり、エルビスプレスリーの映画の監督などもしている。黒人ダンサーにしか出せない素晴らしさがあるとしたら、白人ダンサーのスマートなスタイルの良い例が、ジーンネルソンだと思います。

 [Lullabay Of Broaday]の中のこのナンバーが僕のえらんだベストワン!パーティーの場面でページカバノフトリオの演奏で[Zing!went to The Strings Of My Heart]を踊ります。  歌の後、タップを踏み出す。アップテンポの曲に乗り、キレの良い動きの中、細かいステップを踏んでみせる。ピアノに軽く飛び乗り、その上でタップ!(映画ではよくやる。)  最後、開脚ジャンプでピアノから飛び下りてキメる。アクロバットもこうスマートにやられるとオシャレで、おもわず拍手してしまう。ジーンネルソン傑出のタップナンバーである。

 [Tea For Two]で、[I know That You Know] をドリスデイとデュエットします。リハーサルという設定で、ピアノだけの演奏でさり気なく踊るのが実にかっこいい。ドリスとのバランスも良く、両側が鏡になっている稽古場で、いろんなアングルを向いて踊ります。

 ネルソンのダンスナンバーには、かならず一つは彼の身軽さをいかしたところがあります。[Tea For Two]では階段タップを見せ、手すりに飛び乗りそこでタップを踏んだ。(なにもそんなところで!)[Three Sailors And A Girl]では、自動車修理工場のクレーンの上でタップを踏んだりしてました。

Gene Nelson 出演作品(ミュージカルのみ掲載)

I Wonder Who's Kissing Her Now (1947年。20世紀フォックス)

The Daughter Of Rosie O'Grady (1950年、20世紀フォックス)

Tea For Two [二人でお茶を] (1950年 ワーナーブラザーズ)

The West Point story (1950年 ワーナーブラザーズ)

Lullaby Of Broadway (1951年 ワーナーブラザーズ)

Painting The Clouds With Sunshine (1951年 ワーナーブラザーズ)

She's Working Her Way Through College (1951年 ワーナーブラザーズ)

She's Back On Broadway (1952年 ワーナーブラザーズ)

Three Sailors And A Girl (1953年 ワーナーブラザーズ)

So This Is Paris (1955年 ユナイテッドインターナショナル)

Oklahoma! [オクラホマ] (1955年 RKO)
 過去にアメリカでビデオ発売されたジーンネルソンのミュージカル出演作品は[Tea For two] [The West Point Story] [Lullaby Of Broadway] [Oklahoma!]の4本がありました。日本から発売されたのは[二人でお茶を]と[オクラホマ] です。[オクラホマ]は彼の出演作の中では一番知られている映画ですが、ウエスタンミュージカル的な作品の為、まともなタップダンスは見ることが出来ません。現在DVDで見れるのはアメリカでワーナ−から、日本ではジュネスから[Lullaby Of Broadway]が発売されています。[オクラホマ]もDVDで見れます。あと駅などで売っている廉価DVDに[二人でお茶を]があります。

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