【ディーラーというお仕事】
皆さんは、ディーラーと聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか?意外に知っているようで、その本質を知っている人が少ないのが、この職業だと思います。私の、短い経験の中で話せることを書いて行きたいと思います。
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【そもそもディーラーって何?】
金融機関に勤めていると、「私の知り合いがディーラーをやっていて・・・」などという話をよく聞かされます。そこで、「何のディーラーなんですか?」と聞き返すと、ほとんどの方は答えることが出来ません。
恐らく、皆さんがイメージしているディーラーとは、会社の資金で大きなポジションをとって投機を行う人だと思います。でも何に資金をベットするのでしょうか?
通常の金融機関(銀行)が、トレードする商品は大まかに言って、下記の4商品があります。
1外国為替,2株式,3債券,4金利。
この中で、1の外国為替は、最も馴染みがあると思います。個人でも、外貨預金や外貨MMFで為替差益を取ろうとされている方もいると思います。銀行では、いろいろな通貨を投機の対象としてトレードしています。取引の単位は、100万ドルを1本と称して、ドル円10本買いなどと言っています。投機の対象とならないのは、いわゆる片道通貨(買うことは出来ても売れない)で、人民元・韓国ウォン・フィリピンペソなどが代表的です。
2の株式も、それなりにイメージが掴めるでしょう。銀行が投機(SPECULATION)としてトレードする場合には個人と違って個別株は利用せず,日経平均先物かTOPIXの先物を利用する場合が多いです。米国株であればS&P500先物,ドイツはDAX先物,イギリスはFT100先物といった感じです。
3の債券となると、個人にはなじみが薄いものです。大きなポジションで売買をする場合には、主に現物の日本国債(JGB)と、JGB先物が利用されます。米国ではT−BOND,ドイツではBUNDS,イギリスではGILTなどと呼ばれています。債券は、金利が上がると値が下がり、金利が下がると値が上がる性質を持ちます。どちらにも対応できるように、先物の利用頻度の高い商品です。
4の金利が最も解り難いものです。素人の方に説明しても、なかなか解ってもらえません。FPを名乗る方でも、きちんと説明できる方が何人いるでしょうか?
金利の中には、大まかに言ってCASH(現金)の取引と,OFFBALANCEの取引があります。CASHとは、例えば1年のユーロ円を0.2%で貸出し,それを日々0.01%の無担コールで調達し続けるといった取引を行います。うまく,金利が上がらなければ、調達と運用の差の0.19%が収益になります。意に反して、無担コールが上昇してしまうと,損失が発生します。このような取引を,SHORT-LONGと呼びます,(短い期間の調達を長い期間の運用に回す)
OFFBALANCE取引の中に、さらに金利先物と金利SWAPがあります。金利先物は、債券先物のTIBOR(LIBOR)版で,金利が上がると思ったら売り,下がると思えば買います。金利を買うというのは変な表現ですが、先スタートの譲渡性預金を買う感じです。スタート時に、金利が下がっていれば相対的に有利な預金が出来ることになります。上がっていればその逆です。
金利SWAPの場合はちょっと違っていて、固定金利を支払い変動金利を受ける(金利上昇期待)ポジションと,固定金利を受取り変動金利を支払うポジション(金利低下期待)があります。前者を固定金利を支払うことから、PAYポジションといい、後者をRECEIVEポジションと呼んでいます。
OFFBALANCEの取引は、CASHに比べて少ない資金で大きなポジションが取れるのが特徴です。金利先物は1枚1億円なのですが、1ディールで1000枚単位の売買をすることがままあります。
また、単純な買いや売りのポジションだけではなく、1年先の金利を買って、2年先の金利を同額売り建てるといった、イールドカーブの変化を収益にするポジションを簡単に作ったり出来るのもOFFBALANCE取引の特徴です。
【似て非なるもの】
毎日の資金繰りのために,余った資金を運用に出し、足りない資金をコールで調達する人もマネーディーラーなどと呼ばれていますが、彼らは、なるべく安く調達する・高く運用するという意識はありますが、投機で行っているわけではなく、あくまでも実需で出し取りを行っているので、上記のディーラの中には入れないこととしておきます。
また、為替で、客とディーラーの間に立ってつなぐ役目のカスタマーディーラーという職業もありますが、これも自分でポジションを取るわけでもないので、ディーラーという名前がついていても、似て非なるものといえます。
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