太ったトラ猫のことです。
私が高校生だったころ、家で飼っていた、トラ猫につけていた愛称
ですが、実はその猫自体は、本当は割とスマートで、尻尾も長く、
太ってはいませんでした。
ただ、少し動きが鈍く、なんとなく太っているというか、のんびり
していて、物怖じしないという感じが futora と呼ばせていたのかも
知れません。
たとえば、彼のとおり道を手でさえぎると、彼はそこで立ち止まって
動こうとしません。必ず、こちらが根負けします。
これだけでは、お疑いかも知れませんが、ある日、彼を抱えて、家か
ら、100mほど離れた野原に置いて来たら、ずっとそこから動かず、
20分ぐらいして取りに行きました。
でも、自分で行動しないかとそういうわけでもなく、自分で出かけて
行ったときはもちろん、ちゃんと家に帰ってくるのです。
きっと、ある種の知恵遅れのような状態だったのかなあ と今では、思
っています。
結局、そろそろ、大人になりかかって、恋をしだそうかという、春の
日に、郵便配達のバイクにひかれてしまいました。
それからずっと、その ふとら が、私の理想とする生き方です。