●Degree(diploma) Mill(卒業証書製造所)

こうした学位商法を行う大学は、とりわけアメリカの大学に目立ちます。
その背景には文部科学省が認可しないと大学を設立できない日本と違って、州単位で大学の設立を許可できてしまうアメリカの特殊な事情があります。

近年、各州当局がその怪しさに気付き、FBIとの連携でその撲滅を図ってきましたが、未だカリフォルニア州とハワイ州においては規制が甘く、特にハワイ州は「Degree Millの最後の避難所(Haven)」と呼ばれています。
(両州の全ての大学がそうだと言っているわけではありませんよ、念のため)

特にキャンパスを持たない通信制の大学は、土地も設備もいらないので、極端な話、机に電話があればできてしまう商売なので注意が必要です。
(くどいようですが、全ての通信制大学がそうだと言っているわけではありませんよ)

インターネットの普及により、ネット上の授業を中心に単位を取得できる大学も増えています。全てが怪しいわけではありませんが、こうした商法の付け入る隙の多い時代になっているということは自覚するべきでしょう。

こうした大学は一般にDegree(diploma) Mill(卒業証書製造所)と呼ばれています。

「Degree(diploma) Mill」を見分ける方法として、インターネットでMBA・博士号を取る(日経BP社刊)の著者笠木恵司氏は上記の著書の中でこう述べられています。

1.その大学の取得単位が他の大学で互換されるかどうか
2.その学士号で他の大学院に進学できるかどうか

を確認することだそうです。

また、長年日米を往復して、この学位商法に詳しいビジネスコンサルタント浜地道雄氏は次 のように語っています。

「アメリカは自由の国。法律に触れなければ何でもありの国です。『教育も商売』で、学位販売(Diploma Mill)のようなギリギリの商法が既に1950年代から発達して、こころあるアメリカ教育教育関係者も非常に憂いております。大学(学位)が文部科学省の管轄下にある日本とは状況がまったく違います。

FBIの追求にもかかわらず、インターネット時代の今、いよいよ盛んになってます。

この法律ギリギリの商法から守るのは自分しかありません。自分で調べて、確認して 判断することが肝心です。
自由の国アメリカは又自己責任の国でもあります」

前述のように、アメリカの大学の設立に関しては州単位で許可されるので、教育内容のレベルを一定に保つために、連邦政府の認めた認可団体が、それぞれの大学に対して認可(Accredit)をするという仕組みをとっています。
それら認可団体は地域ごとに6つあります。

ニューイングランド学校・大学協会
 (New England Association of Schools and Colleges)
ミドルステート学校・大学協会
 (Middle States Association of Colleges and Schools)
ノースセントラル学校・大学協会
 (North Central Association of Colleges and Schools)
ノースウェスト学校・大学協会
 (NorthWest Association of Schools and of Colleges and Universities)
サザン大学・学校協会
 (Southern Association of Colleges and Schools)
ウェスタン学校・大学協会
 (Western Association of Schools and Colleges)

これらのどこかの団体にアクレディットされていないと、その単位や学位は社会的に通用しないのです。

ですから、アメリカの大学を受験する人は、自分の受ける大学が、これらの認可団体にアクレディットされているかどうか、事前に調べておく必要があります。


これら大学そのものに関する認可の他にも、アメリカでは学科分野別にも認可団体が存在します。
たとえば近年日本でも脚光を浴びている経営学修士号、MBAについては以下の2団体が認可アクレディットを与えています。

The Association to Advance Collegiate School of Business(AACSB)
International Assembly of Collegiate Business Education(IACBE)

これらの団体の他にも、カリフォルニア州等のように、州が独自にアクレディットを出す場合もありますが、
州のアクレディットだけでは、受け入れ先の企業や大学によっては正式なMBAと認められない場合がありますので注意が必要です。

 

経営学以外の分野では以下のような認可団体があるそうです。

・法学大学院の場合
American Bar Association
ここのアクレディテーションがないと、その大学の大学院を修了しても弁護士試験の受験資格にならないそうです。

・工学系大学院の場合
Accreditation Bord for Engineering and Technology(ABET)
ここのアクレディテーションがない工学部系学部出身者はファンダメンタル・エンジニアの受験が難しくなったりするそうです。

いずれにせよ、自分で勝手に認可団体を設立して、自分の大学に認可を与えるようなところもありますので、自分の受けたい大学がどのような認可団体からアクレディットされいるか、見極めることが必要です。

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