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平井さんと浜岡住民との対話(13)

この対話について

そんな馬鹿な防災計画がありますか

住民  浜岡町では毎年「ダイアリー」をくれるんです。各 家庭に。その上に「原子力について、いろいろ安全だよ」 ということが書いてあるし、「もし、事故になって放射能 が漏れた場合に、こういう方法で逃げなさい」ということ で、とにかく、この防災センターに集まるまでが書いてあ るんです。だけど一番肝心なことは、何時漏れたかという ことです。

 この前、中電さんが来たときに、聞いたんですが、「事 故は絶対にない」と。「でも、そうなった場合、どうすれ ばいいかということをやっぱり町民に徹底しておいて貰わ ないと、みんな不安でしょうがないし。四号機までは、み んな心の中ではいやだと思っていたけど、口に出していう 勇気が無くて言えなかったんだ」と中電さんに言ったら、 「防災については、県が責任を持っているから、県の方に 言ってください」と言うことだったんです。

 私が一番知りたいことは、どの時点で「避難しなさい」 ということを町なり県なりが言うのかどうか。

 阪神の地震の時には放射能がないから、みんなが手伝い に来てくれたと思うんですけど、おそらく原発が壊れたら、 手伝ったり助けてくれる人は望めないと思うんですよね。 そうした場合に、さっき「みんな家も潰れちゃうから、死 んじゃう」と言ったけども、そんなことは考えられないと 思うんです。もっと真剣にね、そういう場合、どういうふ うに対応したらいいかということを、やはり県が責任を持 っているのなら、そちらの方に聞かなきゃいけないなーと 思っているんですが、どの時点で被害があるよということ を教えてくれるのか、ちょっと教えていただきたいなーと。

平井  私が思うのはね、仮にチェルノブイリクラスの事故 が起きた時、これはもう起きるんですから、必ず、今のま んまでは。もう今日かもわかんない。明日かもわかんない 。でも日本の電力会社じゃ、よう発表しない、怖がって。 だからそれは無理なのね。 

 今いうように、「県に聞いてくれ」「国に聞いてくれ」 と、防災は。というのは国にしても、それじゃ浜岡町の桜 が池のあの辺の人の家がどこにあるのか知りませんよ。そ んなもん。ただ机の上で書いているだけでしょ。それをま た県がそっくりそのまんま採用しているんです。それで、 各市町村がまったくそれと同じものをやっているんです。 だから何にも役に立たない。机の上だけの防災計画ってい うのを作っているんです。これは根本が間違いなんです。 根本が。

 今言うように、どの時点で避難すればいいかというと、 もうこの辺から間違いというのは、日本の場合は、原発事 故重点地域というのがあるんです。重点地域。これは原発 から半径八キロ圏内で、九キロの人の所へは影響がないといっ ている。分かる?

住民  分かります。 平井  そんな馬鹿なこと、いまだにいっている。いいです か、日本の場合は一ミリシーベルト浴びて、初めて大人も 子どももコンクリートの建屋の中へ逃げなさいよ、という ようになっているんです。子どもは大人よりも何倍も影響 があるんですよ。でも日本の場合、そこになるまで子ども もじーっと浴び続けるわけ。そんな馬鹿な防災があります か。これは変えられるんですよ。変えられるの。

 いわゆる日本で本当に原発の事故が起きた場合に、だれ が対応できるのか。今、核戦争を想定した訓練を受けてい る自衛隊員が六〇人だけなんですよ。それ以外に原発事故 に対しての対応が出来る人はいません。

 やはり一番問題なのは、そうはいっても消防は知らんふ りできるかいうのね。できないと思うのね。

 私も石川県の羽咋市というとこ、ここで市長さんに呼ば れて、消防署の人に防災の話をしてくれということでお話 をしました。全国の消防署の人いうのは東海村へ訓練に行 っているんです。訓練した人に話聞いたけど、「何が何だ か分からなかった」って。一週間では。「自分たちはどう したらいいかなー」っていうから、「あんたたちも子ども や奥さんがいるなら、事故が起きたら最初に逃げなさい」 と言うの。知識がないんだから。消防署の人はね、まだそ れなりに知識があるんです。

 私が一番怖いのはね。消防団。この人たちは原子力の知 識も何にもないんよ。でも、何か大きな事故、災害が起き ると一番に行くでしょ。何にも知識がないまんま。これが 非常に怖いんですよね。

 だから国が悪い、県が悪いじゃないの、自分たちで新し く防災計画というのを作るわけ。それを国なり、県なりに 採用させるんです。お前が悪い、県が悪いいうんじゃなし に、分からないんだから、あの人たちは。だから一緒に勉 強しようよとやっていけば、この防災計画もきちんとした ものが一つずつ出来上がるんですよね。放射能が行くのは 八キロまでで、八・一キロの所は影響がないというようなこと をいわせてたんじゃ、だめ。

住民  その防災計画のことで、私、県に要望書を出しまし たが、その返事が来て、一四〇人だか動員して構内で避難 訓練を二年から三年に一回ずつやりますと。それ以上のこ とはまた地元の方々と相談してやりますということですけ ど、結果的にはやる気がないっていう雰囲気ですね、返事 が。それを持って、去年の一〇月の三〇日に、科学技術庁 へ折衝に行った時も、科学技術庁でもやはり防災計画ちゅ うのは、改めて具体的なものはないような返事だったです。
  

原子力発電がなくても暮らせる社会をつくる国民会議
http://members.at.infoseek.co.jp/genpatsu_shinsai/


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