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巻頭閑話(2004年〜2005年)
【05/11/29】 焼却炉排気中のダイオキシン測定値の改竄を依頼された検査機関が処分された。
【04/07/12】 アカネ色素禁止問題

 

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【05/11/29】 焼却炉排気中のダイオキシン測定値の改竄を依頼された検査機関が処分された。

新聞各紙によると,日本検査(本社・東京都中央区)の大阪理化学試験所(東大阪市)がクボタの依頼でダイオキシン測定値を改竄し,経済産業省の処分を受けた。しかも,クボタ製焼却炉の排気に含まれるダイオキシン類の測定値が,設置している岩手県北上市の基準を上回ったため,低濃度の試料にすりかえて再測定を行ったようである。

この事件には,国の基準とその1/50である市の基準,焼却炉の本来の性能など多くの問題があり,北上市がダイオキシンの基準値を無意味に低く設定しすぎているのでが主要な原因と思われる。もちろん,このような理不尽というべき市の基準と必要以上に高価と思われる焼却炉の設置の背景には「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の貢献もあろう。しかし,このような測定値の改竄は許されない。

私にはこの事件が話題にならないのが不思議でならない。この事件は9月28日には岩手日報に記事があり,10月6日の岩手日報にはその後の詳細が記載されている。しかし,調べた限り今回の検査機関の処分まで全国紙にこの事件の報道は見つからない。

このような事件こそ「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の出番である。事務局長である中下裕子弁護士の(「環境ホルモン濫訴事件」で中西先生に浴びせたような)罵詈雑言に期待する。

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【04/07/12】 アカネ色素禁止問題

04年7月2日,食品安全委員会添加物専門委員会は「遺伝毒性および腎臓への発がん性が認められており,アカネ色素についてADIを設定できない」という審議結果を出し,本委員会の食品安全委員会に報告された。アカネ色素は近々食品添加物として使えなくなる。

私は,毒物学的に問題のある化合物が天然物であるとの理由だけで安易に「安全な天然色素」として使われていることにかねがね疑問を呈してきた。たしかに,アカネ色素はベンゾキノン誘導体であるため,少なくとも変異原性の問題はある。しかし,今回の食品安全委員会の報告には納得しがたい点が多々ある。最も重要なのはラットでの代謝試験を行っておらず,尿中にどのような代謝物が存在するのかを確認していないことである。

食品安全委員会は,「腎臓への発がん性」が認められ,かつ,「遺伝毒性」が認められるから閾値が設定できない発癌物質(遺伝子に直接作用する一次発癌物質)と考えられ,ADIを取り消すといっている。しかし,これは明らかに誤りである。「腎臓への発がん性」は尿細管の腫瘍であるから,癌をおこしたのは体内で代謝されたのち尿中に排泄された代謝生成物である。アカネ色素そのものではなく,この本当の発癌物質について遺伝毒性試験を実施しなければ意味がない。

次に問題なのは投与量の余りの多さである。最大で餌に5%も混ぜている。通常の表現では,50,000ppmである。一般に,ラットは一生で平均すれば一日に自分の体重の1/20の餌を食べるから,これは2,500mg/kg/dayに相当する。50kgの成人なら1日125gを投与している計算になる。これだけ投与すれば,どんなものでも「病気」になる。つまり,少量なら代謝して無毒化できる物質でも,大量に投与すれば「病的状態」になって代謝機能が失われ,少量投与では生成しない発癌物質が生成する可能性がある。

そのため,代謝試験を高用量(確実中毒量以上の量),低用量(無毒性量以下の量)および14日連続投与で行うのである。ラット代謝試験の結果を考察せず,毒性試験を評価するのは「素人の仕事」である。

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