【09/10/20】 農相,飼料用の米作りを視察;「モミロマン」の収量は一般的な米の約2倍である。
【09/10/12】 二酸化炭素25%削減;先ず隗より始めよ。
【09/10/10】 エコナの特定保健用食品の許可の失効届が提出された。
【09/10/04】 八ッ場ダム
【09/10/04】 「エコナ」の安全性はラットを用いた試験で判断するのが国際的な考え方である。
【09/09/26】 「エコナ」は野生のラットを用いた試験で安全性が確認されている。
もどる インデックス 【09/10/20】 農相,飼料用の米作りを視察;「モミロマン」の収量は一般的な米の約2倍である。
インターネットのNHKオンラインニュース(暮らし)に「農相 飼料用の米作りを視察(10月19日 22時27分)」(動画あり)がアップロードされていた。
赤松農林水産大臣は、(一部略)大学の農場を訪れ、「モミロマン」と名付けられた飼料用の米の新しい品種の栽培状況を視察しました。(中略)主食用の一般的な米に比べておよそ2倍の収穫量があるうえ、生産にかかるコストが6分の1程度ですむといったメリットについて担当者から説明を受けていました。
このニュースを聞いて驚嘆した。2倍の収量が通常の品種改良で実現できるはずがない。独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所の「モミロマン」のページを見てその真相がわかった。[主要特性]の項目に「黄熟期の株全重による可消化養分総量(TDN)収量は1.10t/10aである。」とあった。
飼料用の米(というよりイネ)の場合は,葉や茎も飼料となるのでTDN収量が重要となるが,主食用の米なら玄米収量だけが意味を持つ。コシヒカリの反収は約600kg/10aだから,モミロマンのTDN収量1.10t/10aは「およそ2倍」となるようだ。
このような収量比較に科学的意味はないが,NHKの報道だからしょうがない。NHKに科学を求めるのは,八百屋で魚を求めるようなものである。
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【09/10/12】 二酸化炭素25%削減;先ず隗より始めよ。
鳩山首相は二酸化炭素25%削減を国際公約したが,これは,国民生活にも影響を及ぼすようだ。では,二酸化炭素削減をいいだした鳩山首相の自宅ではどのような削減策を採るつもりだろう。そして,鳩山首相は,各官公庁に何%の二酸化炭素削減を命じるつもりなのだろうか。
環境省の「平成20年4月3日中央環境審議会地球環境部会における「低炭素社会づくりに向けて」のとりまとめについて」を読むと「政府が講じるべき手段」はあるが,「各官公庁も省エネルギーを進める。」との発想がない。むしろ,「低炭素社会づくり」のためなら,惜しみなくエネルギーを注ぎ込むべきだと考えているようだ。
現在,多くの大企業が,環境省の環境報告ガイドラインに従って「環境社会報告書」を作成し,公開している。これを,各官公庁および独立行政法人にも義務づけるべきである。
もちろん,環境社会報告書を作成すべき最初の官庁は環境省である。これで,環境省が「環境にやさしい省庁」かどうか明らかになる。
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【09/10/10】 エコナの特定保健用食品の許可の失効届が提出された。
2009年10月08日花王はエコナの特定保健用食品の許可の失効届を提出した。販売自粛の発表は組閣の日だったが,今回は大型台風が来襲している最中であった。そのため,テレビニュースの放送時間が短く,今後は特定保健用食品ではなく「ただの食品」として販売する予定との曲解もできたが,花王のHPを見る限りその可能性はなさそうだ。また,動態試験等の要求されていた安全性試験も予定通り提出されるようだ。福島消費者担当相は何か重荷を下ろしたような表情で「花王は社会的責任を果たした。」といったが,安全性試験を提出しなければ社会的責任を果たしたとは到底いえない。その安全性試験を見るのが楽しみだ。
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【09/10/04】 八ッ場ダム
私は,ダム問題については全くの門外漢で現地の状況もよく知らないのだが,現時点で八ッ場ダムは不要だと考える。計画した50年前は必要だったが,50年経過して治水では下流域の堤防等が整備され,利水では水需要が減ったようだ。しかし,今から50年後に今回の工事中止を嘆くことになるかもしれない。私は,その頃には鬼籍に入っているだろうが。
治水については,50年後は地球温暖化により台風が大型化しているかもしれない。
利水については,水需要が減ったのは,麦などの穀物やトウモロコシなどの飼料という形で大量の水を輸入するようになったためである。コメの反収の増加(約2倍)と需要の減少も原因だろう。
しかし,50年後,日本は現在のように「大量の水」を輸入できるのだろうか。私には30年後ですら不可能に思えてならない。
私は,飼料ぐらいは遺伝子組み換え技術を駆使した超多収米でも開発し,輸入トウモロコシに対抗できるようにしなければならないと考えている。食味は劣るが,病害虫に強く,C4植物の機能を取り込むなどの方法で反収1200 kg以上としたイネを早急に開発して欲しいものである。水田システムが崩壊し,荒廃するまでに。
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【09/10/04】 「エコナ」の安全性はラットを用いた試験で判断するのが国際的な考え方である。
2009年09月25日19時からのNHKニュース7で,消費者団体が「花王」が製造・販売している「エコナ」などの食用油などから「グリシドール脂肪酸エステル」が検出された問題に関する説明会の模様が放送された。その際,担当者(事業グループ長の安川拓次執行役員と思われる)は「(エコナの安全性は)野生のラットを用いた試験で最終的に判断するのが国際的な考え方になっている。その試験によって問題ないことを得ている。」と発言した。
【09/10/26】では「野生のラット」の問題点のみを指摘したが,この発言全体にも大きな問題がある。安全性は慢性毒性/発がん性併合試験などの毒性試験だけでは評価できない。体内動態試験(ADME試験,TK試験)が必須であり,これらの試験にビトロでの試験を含めて総合的に判断しなければならない。
ADME(吸収,分布,代謝,排泄)試験とは,グリシドールの炭素を14C同位体に置換した放射性標識化合物を合成し,それから14C-グリシドール脂肪酸エステルを合成して,ジアシルグリセロール(媒体)に溶かして,ラットに強制経口投与し,一定期間経過後,屠殺解剖し,臓器,器官中の濃度および代謝物を分析する試験である。
食品安全委員会は,花王に「グリシドール脂肪酸エステルを経口摂取した場合の体内動態試験」の結果を提出するよう命じたようだ。真摯に,かつ早急に対応し,結果を発表してほしいものである。特に,経口投与する際の媒体をジアシルグリセロールとすることとグリシドール脂肪酸エステルの投与量には注意してほしいものである。
私としては,胃の中でのグリシドール脂肪酸エステルの分解が気になる。私なら,ラットに標識化合物を投与し,その10分後(実際には経時的)に屠殺解剖し,幽門部と噴門部を結紮(けっさつ)したのち,胃を摘出し,内容物を分析するだろう。腸についても同様の試験をしたいものだが,私には経験がない。
とにかく,グリシドール脂肪酸エステルからどの程度のグリシドールが生成するかを明らかにしなければ,エコナの混飼投与での慢性毒性/発がん性併合試験の結果が無意味となることは明らかである。
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【09/09/26】 「エコナ」は野生のラットを用いた試験で安全性が確認されている。
昨日(2009年09月25日)19時からのNHKニュース7で,消費者団体が「花王」が製造・販売している「エコナ」などの食用油などから「グリシドール脂肪酸エステル」が検出された問題に関する説明会の模様が放送された。「市民」(もちろん,括弧つき)に対し説明にあたったのは,関係省庁及び花王の担当者である。花王からは二人が出席し,一人は「品質保証本部本部長」の肩書の女性であったが,もう一人の男性の肩書は「事業グループ」しか読み取れなかった。
その男性担当者が,「(『エコナ』の安全性は)野生のラットを用いた試験で最終的に判断するのが国際的な考え方になっている。その試験で(『エコナ』の安全性の)問題ないことを得ている。」とメモを見ながら説明したのである。もちろん,試験に用いるラットは実験用の純血種(正確にはクローズドコロニーで兄妹交配)で「野生」ではありえない。担当者は,おそらく,エームス試験などのビトロの試験ではなく,実施の動物に投与するビボの試験でも安全性は確認されているといいたかったのだろうが,いくら素人でも「野生のラット」はひどすぎる。
しかし,仮にその担当者が市民の質問に対し,「それに関しては野生のラットを用いた試験で確認されています。」と答えたのなら,問題は少ない。私はその担当者を「消費者クレーム担当部門の長」で安全性についての知識は皆無と推測するからである。むしろ,読んだメモに「野生のラットを用いた試験」と書かれていたことを問題と考える。花王には食品の安全性試験を理解している社員はいないと推測されるからである。もちろん,花王のホームページを見れば多くの安全性試験を行ったことはわかる。しかし,試験を実施することと安全性を評価することは異なる。
グリシドールはオキシラン骨格(酸素を含む3員環;エポキシ)を有することを特徴とするアルコールで,15年ほど前までは一部の農薬原体に安定剤として添加されていたが,現在では0.1%のグリシドールを加えても問題となるだろう。グリシドールのエームス試験(変異原性試験)はもちろん陽性であるが,発癌性試験については調べていない。
グリシドール脂肪酸エステルは,分解して国際癌研究機関(IARC)によって「人に対し発がん危険性あり」(2A群)と分類されているグリシドールを生成する可能性がある(09/10/04変更)。では,グリシドール脂肪酸エステルを含むエコナ(実際にはジアシルグリセロール;ただし,以下「エコナ」という)の発癌性試験の結果はどうなるか。それは,投与方法による。つまり,意図的に陰性の結果を出すことも可能である。
オキシラン骨格は酸に不安定である。したがって,エコナを水に懸濁して経口投与すれば,グリシドール脂肪酸エステルのオキシラン骨格は酸性の胃の中で壊れ,発癌性はなくなる。水溶性の溶媒に溶かしても,混餌投与しても同様である。
エコナそのものを投与する場合,(投与量によるが)グリシドール脂肪酸エステルは油に溶けた状態で胃に入り,酸の影響を受けずに腸に達し,リパーゼで加水分解されてグリシドールを遊離する。これではグリシドールが体内に移行してしまうが,このような場合には,やや多いコーン油に溶かして投与する手がある。コーン油には下剤としての効果があるから,腸からの吸収を悪くできる。しかし,この手は食用油の試験では困難かもしれない。
花王には意図的に発癌性陰性の結果を出そうとするような社員はいないだろう。しかし,上述のような最低限の毒物学の知識がなければ,非意図的にであっても誤った試験を行ってしまう可能性を否定できない。私には,説明会に出席した担当者の安全性試験に関する知識レベル(「野生のラット」を強調したが,その他の発言部分にも問題が多い。たとえば,安全性は不純物のビトロ試験等を含め総合的に判断すべきである。)が,花王という企業の安全性に関する考え方を反映しているように思える。すなわち,毒性試験はすべて委託試験機関に丸投げすればよく,その報告書の数の多さが「安全性に対する意識の高さ」示す指標だとの考え方である。
09/10/04変更:「グリシドール脂肪酸エステルは発癌性試験で問題のある結果が得られているのであろう。」を「グリシドール脂肪酸エステルは,分解して国際癌研究機関(IARC)によって「人に対し発がん危険性あり」(2A群)と分類されているグリシドールを生成する可能性がある。」に変更。
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