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「インターネット討論,地球法廷-食料の安全性と環境」;雑感(3)ジャガイモの項目の登録保留基準の定義の誤謬にみるNHKの猥雑性【00/04/22】
NHKはホームページ(すでに削除)で「インターネット討論,地球法廷-食料の安全性と環境」を開催している。4月3日からは「ステーキセットからみた安全性と経済性」というテーマを具体的に示し,「サラダには環境ホルモンの疑いのある農薬が残留している」,「レモンには発癌性の危険のあるポストハーベスト農薬が大量に使われている」などと記載されている。しかし,そこに示された毒性などの根拠は専門家の批評にはとても耐え得ない素人だましのものにすぎない。ここでは,ジャガイモの項目に記載されている保留基準の定義についてその誤りを指摘する。
おいおい,NHKさん,登録保留基準の説明ぐらいはちゃんと書いてくれよ。毒物学などの専門知識はいらないじゃない。むしろ,法規制なんかは得意だろ。登録保留基準の定義ぐらい,ちゃんとした一般書には書いてあるでしょ。
そうか,NHKの読むのは「恐怖本」や「怪談本」の類だけなんだ。ちゃんとした本は一切読まないんだ。それで,このホームページの内容は出鱈目なんだ。
それにしても「地球法廷-食料の安全性と環境」には,あまりに見え透いた嘘や露骨な誘導が多すぎる。大学生の頃の学生集会を思い出す。担当者は革マルや中核や京浜安保共闘のなれの果てだろうか。でも,予想通り討論参加者は賢明だった。毒物学は知らなくとも「におい」で「うさんくさいこと」がわかるんだね。しかし,みんな呆れ果てて引いてしまったのは寂しい。おかげで意見の数が激減してしまった。もっと洗脳能力合戦をみたかったのに。
NHKにも早く気付いて欲しいね。自分が「アントニオ猪木に喧嘩を売っている力自慢の小学生」だということに。はやく大人のレベルの知識を身につけて欲しいね。それ以前に,自分が「生意気なだけの小学生」だということに気付いて欲しいね。「エリート意識だけがやたら強い三流の官僚」が愚かな民衆を啓蒙しているつもりなんだろうけど。醜悪なだけだね。登録保留基準の定義は何の問題もなく議論の余地すらない事項である。しかし,それゆえNHKが如何に農薬について何も知らず,勉強もせず,そして正しい知識を掲載しようという意志すらないのがよくわかる。NHKはろくに調べもせず自らのホームページに農薬関連の誤った情報を掲載して平然としているのである。公共放送としての社会的責任をどう考えているのだろう。もちろん,登録保留基準の定義はさほど重要な問題ではない。「ベトちゃんドクちゃん」に比べればはるかに罪は軽い。
まず,全文を引用する。引用した旨は,地球法廷プロジェクト事務局(nuclear-4@nep21.nhk-grp.co.jp),「地球法廷」(forum@www.nhk.or.jp),NHKホームページWebmaster(webmaster@www.nhk.or.jp)に連絡済みである。
登録保留基準とは、農薬が作物や土壌に残留して人や家畜に被害を与えないかなどについて環境庁が審査し、設定する残留基準値のことです。この基準値を越えて作物や土壌に残留する場合は農薬の販売が許可されません。厚生省が定める残留農薬基準のように、基準値を越えた農産物が販売禁止になることはありませんが、環境庁の登録保留基準も厚生省が定める残留農薬基準と同様に、食品の摂取量に基づいて健康に害がないと考えられる量を決めています。日本で登録されている農薬にはすべて登録保留基準がありますが、必ずしも厚生省による残留農薬基準は策定されていません。厚生省の定める残留農薬基準が新しく施行された場合、これが、登録保留基準に取って代わることになります。
農薬は農薬取締法に基づき登録することが必要であり、申請のあった農薬を登録するかどうかの判断の基準が登録保留基準である。具体的な内容は農薬取締法第3条に記載されているが,たとえば,「申請者の住所・氏名が正しいこと」も立派な登録保留基準である。正しくなければ農薬登録は得られない。この基準の中で作物残留、土壌残留、水産動植物被害及び水質汚濁の防止については環境庁長官が登録保留基準を設定することとなっている。そのうち,各農薬成分について具体的な数値が設定されるのは「作物残留にかかる登録保留基準値」と「水質汚染にかかる登録保留基準値」の2つである。これらを狹義の登録保留基準という場合もある。ここでは,作物残留にかかる登録保留基準を単に登録保留基準あるいは作残の登録保留基準ということにする。
登録保留基準とは、農薬が作物や土壌に残留して人や家畜に被害を与えないかなどについて環境庁が審査し、設定する残留基準値のことです。
というわけで,これは全くの間違い。また,基準と基準値とは違う。人や家畜に被害を与えないかなどについて環境庁が審査し、
環境庁に人に対する安全性を評価する能力などない。農薬の人に対する安全性は厚生省が評価し,その結果からADI(一日許容摂取量)を設定する。その評価過程は,農薬安全性評価委員会議事録としてインターネットで公開されている。そのADIをもとに実際に散布施用された場合の残留実態と使用実態から登録保留基準が設定される。要するに,登録保留基準は実際の残留量がその基準値を超えないようにADIを考慮して申請した農薬会社が決めるのである。環境庁は実質的には何もしない。農薬が作物や土壌に残留して人や家畜に被害を与えないか
「家畜」も「被害」もここでは場違いな概念である。家畜に関しては,たとえば,稲わらなどを牛の飼料に用いる場合に残留が問題になるのだが,その場合は牛乳や肉が問題となる。「農薬が作物や土壌に残留して家畜に被害を与える」とはいったい何を意味しているのだろう。被害というのもあまりに不思議な言葉である。たとえば,農薬が土壌に残留することによる人への被害とはいったい具体的には何をいうのだろう。農地の価格が下がることだろうか。もっとも,この文章はすべてNHKの素人が書いたもので,具体的に何を意味するのかなどといっても無駄であろう。もともと何も考えていないし,考える能力もない。この基準値を越えて作物や土壌に残留する場合は
土壌に残留基準値など存在しない。存在するのは土壌残留性と判断され登録が保留される基準である。具体的には土壌中での半減期が1年以上であれば通常は登録が保留される。農薬の販売が許可されません。
登録保留基準という言葉からも明らかなように,登録保留基準を満たさない場合には農薬が登録されないのであって,農薬の販売が許可されないわけではない。登録されない以上農薬そのものが存在しえない。「販売が許可されない」なら販売許可基準とでも表現するだろう。基準値を越えた農産物が販売禁止になることはありませんが、
農薬残留基準との差異についてはあとで議論する。農産物は農作物の誤りである。食品の摂取量に基づいて
詳細は「まともな本」を参照願いたいが,ADIが重要である。厚生省が定める残留農薬基準と同様に、
これには2つの問題がある。作残の登録保留基準はコメ(玄米)だけを考え,残留農薬基準はご飯をもとにコメを考える。また,登録保留基準では米糠を飼料とすることも考慮されている。登録保留基準は,第一葉菜類,第二果菜類,根菜類といった作物群毎に設定され,残留農薬基準は個々の農作物毎に設定される。健康に害がないと考えられる量
これがこの文章の中の最大の誤りである。しかし,何も考えていないNHKの素人はこの誤りが如何に重要か気付かないだろう。「健康に害がない」なら「健康に害がない程度の影響」はあっても良いことになるのである。たとえば,赤血球が5%増加することは健康には害がないが,農薬ではこれは許されない。ADIは無作用量から決まるのである。現在は動物試験でNOEL(無作用量)ではなくNOAEL(無毒性量)を考えるが,実質的には無作用量と考えるべきであろう。
血圧を下げる薬は高血圧の人には薬だが,低血圧の人には毒である。睡眠薬で眠くなるのは薬効で,かぜ薬で眠くなれば副作用である。女性を不妊にする毒は,その女性の寿命を考えれば薬である。女性は妊娠,出産で平均寿命を縮める。しかし,農薬の場合は如何なる影響もただの「毒性」と見なすのである。一般には良い作用と考えられるような効果も農薬では許されない。仮に,発毛促進効果があったとしてもそれはただの毒性にすぎない。「効果」は可逆的と不可逆的にしか分類しないのである。日本で登録されている農薬にはすべて登録保留基準がありますが、
登録保留基準の基礎はADIである。ADIの設定されていない農薬に作残の保留基準は存在し得ない。たとえば,重曹,セッケン,マシン油などである。もちろん,寄生蜂などの天敵にも登録保留基準はない。残留農薬基準は策定されていません。
「策定」などという法律用語はない。残留農薬基準は厚生省が食品衛生法に基づき告示するのである。残留農薬基準が新しく施行された
「基準」が「施行」されるわけはない。「新しく施行」もおかしな表現である。施行とは公布された法令の効力を現実に発生させることをいう。この場合は「告示し,適用する」のである。この程度は理科系の私でも常識で知っている。法と令と則が区別できないとは情けない。それでも社会人だろうか。厚生省の定める残留農薬基準が新しく施行された場合、これが、登録保留基準に取って代わることになります。
詳細は「まともな本」を参照願いたいが,登録保留基準から安全使用基準が決まる。安全使用基準とは農薬のラベルの裏に書かれた使用法であり,これを守れば登録保留基準は自動的に遵守されることになる。新たに残留農薬基準が適用されても安全使用基準はそのまま残るのである。登録保留基準に取って代わる
「取って代わる」も素人っぽい表現である。もちろん上述のように正確ではない。しかし,施行などという法律用語を間違うより罪は軽い。
ここで指摘したのは,だれがみても明々白々な用語と内容の誤りである。しかし,おそらくNHKは一切これを無視するであろう。NHKはもともと「正確な報道」を目指してはいない。NHKの考える独りよがりな「正しい報道」を目指しているだけなのである。NHKほど質の低い「官僚」が跳梁している組織は本当の政府組織にも稀であろう。
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