
テレビ朝日(1月13日21時)
たけしのTVタックル「食クライシス;今,あなたの食卓が汚染されている」1月13日のテレビ朝日「たけしのTVタックル」で「食クライシス;今,あなたの食卓が汚染されている」なる放送があった。その中で,輸入果物の危険性を扱った1分ほどの放送にちりばめられた日本子孫基金事務局長小若順一氏の捏造部分を指摘する。
【03/01/14作成】
1月13日21時からのテレビ朝日「たけしのTVタックル」で「食クライシス;今,あなたの食卓が汚染されている」なる放送があった。このような放送は通常はコメントしないのだが,輸入果物の危険性を扱った1分ほどの放送の部分ががあまりに興味深かったため若干コメントする。
輸入果物の話では,まず,貨車で到着した木箱に入ったリンゴに大量の液体が注ぎ込まれ,オーバーフローさせて周囲に液体をまき散らしている場面が映し出される。ナレーションではこれは農薬のシャワー(殺菌剤)で,ポストハーベスト処理だという。しかし,工場に入っていくリンゴに農薬処理を行うはずがない。また,本物の農薬をこのように浪費するはずがない。単に水道水で予備洗滌しているだけなのだろう。水道水には塩素が含まれ塩素は殺菌作用があるから農薬のシャワーなのだろうか。
このあと,工場の内部の映像となるが,明らかにジュース工場である。そういえば到着したリンゴが大写しにされたのをみても生食用にはとても見えなかった。次に,運び込まれたリンゴが水のシャワーで洗滌されている場面が流れたが,そのあと圧搾されてジュースに加工されるのだろう。その水洗の場面をポストハーベスト処理と思いこませるテロップとナレーションが心憎い。
次に,アメリカの工場ではポストハーベスト農薬である殺菌剤TBZが振りかけられるとのナレーションが流れ,TBZのドラム缶が大写しにされる。ジュース工場なのに不思議な話である。しかし,どう見てもこのドラムはTBZではなく,農薬ですらない。米国で農薬に必要とされるラベルが一切ないためである。ドラム缶のラベルから読みとれた「Acidex」という登録商標付き製品名から,このドラムに入っていたのはリンゴジュースの酸味を和らげるのに使われる炭酸カルシウムだとわかった。
次に,レモンの話になり,アメリカのレモン処理場内が紹介される。まず,「コンテナで運ばれたレモンは塩素剤のプールに落とされる。」とのナレーションでレモンが薬液に浸漬される場面になる。つまり,水道水で洗っている場面である。ただ,普通の水道水より塩素濃度は高いのだろう。また,過塩素酸塩も若干含まれているかもしれない。台所によくある塩素系漂白剤で,これで洗うと日持ちが良くなる。
そのあと,「スプレーしているのは植物ホルモンの2,4-Dである。」とのナレーションで,レモンを回転させつつ何らかの薬液を噴霧処理している場面となる。テロップは「防カビ剤2・4D[sic]のシャワー」である。しかし,2,4-Dには防黴剤としての効果などなく,「へた落ち」を防ぐために使われるに過ぎない。処理方法を見ても,2,4-Dではありえない。おそらく,これは本当に防黴剤の処理なのだろう。
さらに,2,4-Dはベトナム戦争で使われた枯葉剤の主成分だとのコメントが流れる。確かに,枯葉剤としてベトナムで使われたオレンジ剤は2,4-Dと2,4,5-Tの混合剤だが,毒物学的に問題とされたのは2,4,5-Tだけである。このコメントは,視聴者に誤解を抱かせることを意図した悪質な欺瞞といえる。また,「2・4D」という標記も誤りで,正しくは2,4―Dである。2,4-Dとは2,4-Dichlorophenoxyacetic acid,2,4,5-Tとは2,4,5-Trichlorophenoxyacetic acidを意味する。これをつっこむと「催奇形成」も指摘しなければなるまい。もちろん,催奇形性の誤りである。
そのあと,ポストハーベスト農薬の毒性の表になって終わる。もちろん,発癌性や催奇形性などは素人が試験結果を曲解したものに過ぎない。ただ,ここではこの部分の議論はしない。
この番組は日本子孫基金「食べるな、危険!」の宣伝であり,事務局長である小若順一氏がストーリーを組み立て,少なくとも監修していることは明かである。つまり,この1分間の放送部分にちりばめられたウソは全て小若氏のでっち上げと解釈される。
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