
三省堂「残留農薬データブック」,
植村振作氏が「残留農薬データブック」の序文に記載した「昆虫館で市販の野菜を食べさせて昆虫を全滅させた」は捏造だった。【01/09/30】
植村振作氏が三省堂刊「残留農薬データブック」の序文に記載した「ある昆虫館で市販の野菜を食べさせてある昆虫を全滅させた」との記載は捏造であり,植村氏もこれを認めている。私は植村氏とのメールのやりとりでこのように確信するに至った。
私は「なぜ,文科系の人間には自然を機械的に捉える傾向が強いのだろう。」に「あるホームページで,ある昆虫館で市販の野菜を食べさせて蝶を全滅させてしまったという話を読んだ。」と記載し,これをなぜ誤りと考えるかという理由を「アゲハチョウがキャベツを食べるはずがない。」などと記載した。ここでいうHPは当時あった自然食品販売会社のもので,現在は削除されている。このHPには「蝶」と記載されていた。これが植村振作氏が三省堂刊「残留農薬データブック」の序文(正しくは,「はしがき」)の記載の引用であると知ったのはそれ以後である。
実際の序文には,多摩動物園の昆虫飼育係長の話として「市販の野菜を食べさせて昆虫を全滅させた」(原文に忠実に記載)と記載されている。より正しくは,最初は「大切な虫たち」と記載し,「昆虫が死んでしまうような野菜」と記載していることから,虫は昆虫と考えられる。普通は「蝶」とか「バッタ」とかいい,「虫」とか「昆虫」といった表現はしないものだが,不思議なことにこのように記載されている。もちろん,少し考えれば飼育係長が「ある野菜をある虫に与えたら」などといわないことは明らかで「キャベツをモンシロチョウに与えたら」と具体的にいっていたはずである。つまり,もしこの記載が事実なら「野菜」と「虫」を特定できるはずで,特定できなければ「眉唾」ということになる。
素人は殺虫剤が残留している野菜を食べれば虫は死ぬだろうと考えるだろうが,実際にはそのような作用を有する殺虫剤はごく少ない。大部分の殺虫剤は接触毒であり,体表に付着しなければ虫は死なない。食べて死ぬ場合は食毒といわれ,この作用を有する殺虫剤には「桑畑の近くでは注意して散布すること」といった注意書きが記載されている。このようなお話を巻頭閑話【01/04/18】に記載したが,この記事の『「ある昆虫館が市販の野菜を食べさせて蝶を全滅させてしまった」という植村振作氏が捏造したお話に関連して,』という部分に植村振作氏がクレームをつけてきた。このクレームメールとそれ以降の往復メールを全文そのまま(改行部分を除く)別に添付したので参照願いたい。
植村振作氏の最初のメールは「私の記載は正しいから該当部分を削除せよ。」という一方的なものであり,私が当該部分を捏造と考えた理由に対する反論は一切なかった。これに対し,私はなぜこれを捏造と考えたかという理由を以下のように具体的にあげた。
- 昆虫館に「野菜」を食べる昆虫は存在しない。
- 殺虫剤の大部分は接触毒型であり,残留によって虫が死ぬような強い食毒型はごく一部に過ぎない。
そして,食べさせた野菜と昆虫を具体的に特定すれば捏造ではないと認め,当該部分を削除するとともに謝罪文を掲載すると連絡した。植村振作氏の回答は「私の記載は正しいから正しいのだ。間違いというのなら自分で調べろ。」であった。
さて,読者の皆さんは私と植村振作氏との往復メールを読んでどちらが正しいと考えられたであろうか。捏造かどうか判断するのは読者の皆さんである。
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