●民主党の化学物質政策(1) 総論民主党は政権与党となり,国民の健康と環境の保護に悪影響をもたらしかねない悪法を制定しようとしている。その内容は,民主党のHPの「民主党政策集INDEX2009」に記載されている。「殺虫剤等の規制等に関する法律」,「害虫等防除業の業務の適正化に関する法律」等が問題であるが,中でも,「化学物質政策基本法」が最大の問題である。民主党は「生物は元素でできていない。」と考えている文科系の人間の集団なのだろうか。
【09/10/17作成】
民主党は野党時代に「東大教授吉川泰弘さんを食品安全委員会委員に任命する人事案が野党の反対で否決された件」(中西準子氏のHP,松永和紀氏のHP)によって,その化学物質政策に関する無知・無能ぶりと根本的なリテラシーの欠如(食品安全委員会委員長談話)を露呈していた。
その民主党が政権与党となり,国民の健康と環境の保護に悪影響をもたらしかねない悪法を制定しようとしている。その内容は,民主党のHPの「民主党政策集INDEX2009」に記載されているが,総花的な政策の中に根本的な誤りが隠されている。その一部を以下に示す。
総合的な化学物質対策
縦割り行政を排し、人の生命・健康と環境を守る観点に立った総合的な化学物質対策を進めます。化学物質の製造から廃棄までの全体を予防的取り組み方法に基づいて包括的に管理するための総合的な法制度の構築に向けて「化学物質政策基本法(仮称)」の制定を目指します。殺虫剤による健康被害(化学物質過敏症や急性中毒等)対策
殺虫剤などによる健康被害の防止のため、(1)殺虫剤などの使い方や、人の健康や生活環境にとっての危険性を明記することを義務付ける(2)住宅地等で大量に使用する場合に守るべきルールを都道府県知事等が定める(3)安全な殺虫剤の研究開発をメーカーの努力義務とする――などを内容とする「殺虫剤規制2法」を制定します。「化学物質政策基本法(案)」については,「化学物質政策基本法を求めるネットワーク」のHPに詳しい。この結成を呼びかけたのは,環境ホルモン濫訴事件で謀議を凝らした(中西準子氏のHP)悪名高き中下裕子弁護士(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議事務局長)である。それだけで内容が想像できるだろうが,「生物は元素でできていない。」や「化学物質とは化学物資の中で有害な化学物質をいう。」といった妄想を抱いている御仁の考えた法案といえる。
しかし,民主党は中下女史の思想に深く傾倒しているようだ。そのうち,中下女史が食品安全委員会の委員長に就任するのだろう。
「殺虫剤規制2法」とは「殺虫剤等の規制等に関する法律案」および「害虫等防除業の業務の適正化に関する法律案」であり,すでに,2006年6月9日に岡崎トミ子,ツルネンマルテイ両参院議員により,参院事務総長を経由して国会に提出されている。もちろん,廃案となっているが,民主党が政権与党となり,しかも,政策集に「制定する」と明記している以上,少なくとも来年(2010年)1月の通常国会に法案が上程されるのだろう。
この2法案とも,環境省の所管とされていることは興味深い。「殺虫剤等規制法」は松枯れ防止のための殺虫剤空中散布を強く意識しているから,農薬空中散布反対全国ネットワーク代表植村振作氏(元大阪大学理学部高分子学科高分子物理化学研究室助教授)が民主党の要請を受けて法案の作成に尽力されるかもしれない。
中下裕子弁護士といえば,環境ホルモンである。しかし,「民主党政策集INDEX2009」には,「環境ホルモン」も「内分泌かく乱物質」も記載されていない。民主党のHPのトップページ右上の「検索」で「環境ホルモン」を検索すると,「2002/08/29 民主党環境政策/地球と子どもたちの未来のために」が,最後の出現ページであった。しかし,この「検索」ではニュース記事しか検索できないようだ。そこで,Googleで民主党HP内を検索すると,2007年参院選比例区に立候補した風間なおき氏(下記蛇足参照)のプロフィール紹介画面が最後に「環境ホルモン」の出現したページであった。
民主党も流石に環境ホルモン問題の終焉に気付いているのかもしれない。しかし,民主党には中下裕子弁護士の信奉者も多くいるようだ。中下女史のことだから,「独立行政法人化学物質環境安全性評価機構」を設立しようと謀略を巡らすかもしれない。
今後,「化学物質政策基本法」,「殺虫剤規制2法」,その他の化学物質関連法案の問題点について詳記することになるのだろう。殺虫剤規制2法に関しては,できれば,優秀かつ有能な環境省官僚諸氏が主導権を執り,御乱心の環境大臣に諌言して欲しいものである。だが,小沢鋭仁環境大臣は聞く耳を持っていない(リテラシー不足で内容が全く理解できない)だろう。小沢大臣は新潟県中越沖地震党対策本部事務局長代理を務めており,風間直樹参議院議員の「地震対策」(下記蛇足参照)に関与(あるいは賛同)していたのだから。
蛇足)
風間直樹参議院議員は「第168回国会:災害対策特別委員会(平成19年10月31日)」において,以下のように発言している。おそらく,風間議員は民主党の中では「科学に明るい政治家」なのだろう。これはどういうことかといいますと、地中に水を注入し、そこで地中にあった鉄ないし鉱分と水が接触した結果、水素が発生すると。これは化学的な原理として当然なわけでありますが、この発生した水素が地中深くで滞留をすることによって水素原子が自身で核融合を起こして、それが地下爆発につながっているのではないかという、これが最近唱えられている新たな地震の理論でございます。
この「理論」に基づく風間議員の地震対策についてはウィキペディアを参照していただきたい。
蛇足2)
風間議員の地震理論に,地表付近にある鉄は酸化鉄だ,強酸性の水でなければ金属鉄と反応しない,水素ができても水素分子で水素原子ではない,核融合するのは重水素と三重水素で軽水素は核融合しない,そもそも核融合とは…,などと反論するのは空しい。「化学物質政策基本法」や「殺虫剤規制2法」に対する反論も同様に空しい。これらの法案作成者の思考レベルは,風間議員より低い。
インデックス 目次 要点 トップ