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●農薬製造工場の従業員の健康診断結果は農薬の安全性に関する最大のデータの1つである。

農薬製造工場や農薬製剤工場の従業員は,たとえ注意していても取り扱っている農薬に被曝する。そのため,従業員の健康診断結果は農薬の安全性に関する重要なデータとなる。

【99/12/30作成】

日本ではあまり要求されないが,海外での農薬登録では製造工場従業員の健康診断結果が登録関連資料として要求されることがある。少し考えれば,このデータの重要性に気付く。ヒトに対する影響が直接把握できるのである。

農薬製造工場や農薬製剤工場の従業員は最も大量の農薬に被曝する集団に属する。その被曝量は,農薬を散布する農業従事者より1〜3桁以上多いと推測される。もちろん,それなりの安全教育を受け必要ならマスク等も付けているが,それでも,ある程度の被曝は避けえない。もし,農薬に何らかの問題があれば真っ先にその被害者になる。

以前,除草剤であるMO胆嚢癌の原因となるとの不思議な報道があった。病理学的にも分析化学的にも問題のある報道であったが,疫学的な問題点は被曝した集団被曝しなかった集団を正しく比較していないことにあった。MOが使われている地域の住民と使われていない地域の住民を比較したのではこの基準を満足したとはいえない。しかし,少し考えれば最も多く被曝した集団とは工場従業員にほかならないことがわかる。工場従業員の被曝量は一般住民の通常3〜5桁以上多い。もし,残留量レベルで胆嚢癌の発症が有意に増加するなら,MO工場の従業員は全員確実に胆嚢癌になっていなければならない。

もちろん,私の所属する化学会社の農薬製造現場従業員が定期的に健康診断を受けており,農薬製造に起因する問題はなんら生じていないことはいうまでもない。

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