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●農水省は特定農薬の安全性を保証してはならない。【暫定版】

 

【02/11/23作成】

現在,農水省は「特定農薬に関連する農林業資材の情報の募集」をしている。このウェッブページで,農水省は特定農薬を「原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬。」し,例として重曹液剤,食酢液剤,牛乳液剤を揚げている。しかし,私にはこのどれも「人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らか」とはとても思えない。

重曹液剤もアルカリ溶液である以上,眼に入った場合,直ちに洗眼しなければ失明しかねない。食酢液剤には皮膚刺激性があり,ものによっては皮膚感作性,つまりかぶれを生じる可能性もある。牛乳液剤は水系に入ればBODを上昇させ,ある意味,農薬より自然環境に悪影響を及ぼす。

牛乳には作物残留の問題もある。たしかに,牛乳は飲んでも安全だろう。しかし,牛乳を薄膜状態にして強力な太陽光に曝した場合,空気酸化により発癌物質が生成する可能性がある。このような条件ではエポキシ化物が多量に生成するが,多くのエポキシ化物は変異原性試験で陽性となる。

しかし,この特定農薬の定義の最大の問題は使用者の安全保障していることである。牛乳は飲めば安全だが,霧状の牛乳を長期間吸い続けた場合に肺にどのような障害が生じるかは予想できない。唐辛子もニンニクも同様である。たとえ,少量食べて問題がなくとも,大量を長期間吸引すれば身体が障害を受ける可能性は否定できない。

では,「人畜に害を及ぼすおそれがないことが明らか」な特定農薬の使用によって使用者が障害を受け,失明しあるいは死亡した場合,その責任はどこにあるのか。「害を及ぼすおそれがない」といった農林水産大臣が賠償責任を負うのか。仮にその特定農薬が市販されたものなら「眼に入ったら流水で5分以上洗い流すこと」との注意書きを書かなかった製造会社に責任があるのか。それとも「害を及ぼすおそれがないことが明らか」として注意書きの記載を求めなかった農林水産大臣に責任があるのか。

私は,「新農薬取締法では登録のいらない「特定農薬」が新設される。」で特定農薬として「液化窒素」しか思い浮かばないといった。液化窒素をモグラの防除に使っても,作物に残留することはなく,自然環境に対する影響もないだろう。しかし,液化窒素はケミストである私のように取り扱いに慣れていれば別だが,素人が扱うには危険が伴う。凍傷を負う場合もあり,窒息死する可能性すらある。農作物等と水産動植物には安全だが,使用者の安全は保障できない。これが特定農薬の特性であり,その典型が液化窒素である。

つまり,私の考える特定農薬の定義は,「原材料に照らし農作物等に害を及ぼすおそれがないことが明らかなで、水産動植物に害を及ぼすおそれが少ないと認められるものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬。ただし,使用者が自らの責任で製造,調製,使用するものとし,市販することを許可しない。」である。

「自らの責任で」とは「その使用により使用者若しくは使用者の家族が障害を受けあるいは死亡しても,当局は一切関知しないからそのつもりで。」との意味である。もちろん,当局は効果を保証せず,薬害も関知しない。圃場が使い物にならなくなっても圃場外の環境への影響が少なければそれでよいと考える。

特定農薬は「自由に」使えるものだという。しかし,自由には責任が伴うものである。

【付記】急いで書いたため,まとまっていない。近日中にまとめて「政策編」に載せる予定である。

  
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