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ロックンロールの自殺者

ロックンロールの自殺者
〜21世紀に聴くZiggy Stardust




   No matter what or who you've been
   No matter when or where you've seen
   All the knives seem to lacerate your brain

        “Rock 'n' Roll Suicide”




 グラム時代のDavid Bowie、カッコイイよね。Ziggy Stardustとかこないだ久々に聴いたんやけど、やあ今聴くとホントいいんだこれがまた。
 などと、もともとリアルタイムで聴いていた訳でもないクセに言ってみたり。一応持ってるの輸入盤なので英語表記にしてみました。

 Ziggy Stardustは、トータルでSFチックなストーリーを備えたいわゆるコンセプトアルバムで、Five Yearsという曲から始まる。いきなり、あと5年で地球が滅亡するという設定を持ち込むことで、まず彼は、限られた<美しい時間>というバックグラウンドを確立する。
 2曲目のSou Loveも、息子の墓に参る母親という縁起でもないシーンから始まるが、孤独の中でこそ愛は育ち、しかも「愛」と「愛する」は違うよと。ただこういうのは、やっぱり宇宙的スケールでやらないと、ほらあれ、♪逢えない時間が愛育てるのさ〜・・・のよろしく哀愁な感じが、実につまらない意味で日常的というかヘタすりゃ生理的欲求の話に終わりそうじゃないすか。昭和歌謡曲については、気が向いたら何か書いてみたいという気も若干あったりするが、いずれにせよ、我々は単なる生理の奴隷で在り続けることを潔しとはしない。そして、哀愁は実践上ハッキリと敵である。とまあ、こーゆーちょっとした一ひねりでぜんぜん違ったものを見せてしまうワザ。これぞまさしくコンセプトワークであることよなあ。と、妙なところで詠嘆してしまうC.S.である。
 月時代の白昼夢Moonage Daydreamを挟んでStarman。カラオケにも入っている大ヒットチューンで、私にとっても永遠(と書いてアイオンと読む)の愛唱歌であるが、こいつの召喚には少しコツが要るようで、完全にフラットになって自分をすっかり明け渡すぐらいピュアにならないと難しいそう。ボウィにとってのスターマン=クロウリーにとってのアイワズなんてことは言いませんが、こんなところで地域性の呪縛から解放された魔術のコツを伝授してもらえるとはラッキーである。世界を売った男的ハッタリかも知れませんが。
 そして何やかんやで火星から来た蜘蛛軍団を率いて大活躍のろきゃんろーすたージギーくんであったが、結局ファンに殺されバンドは解散。地球はまだ生きてるのか? 大団円Rock 'n' Roll Suicideへ。

 他の雑文の断片を整理しよう。と思い立った瞬間うっちゃってこんなものをタイプしているが、まんざら関係なくもないのは、Ziggy Stardustというアルバムが、別のカタチでうんぬんしている<宇宙的孤児性>とも言うべき地平に立脚した表現に思えるからで。  で、宇宙的孤児性? はて、どっかで見たなあ。『宇宙の孤児』はSF小説であったけど。と、検索してみたらビンゴ! こんなん出ました。→叡智の光_グノーシス主義 Gnosticisms _ Lights of Sophia Wisdom "KHOORA SOPHIAAS"中の現代グノーシス主義原理試論

 読んでみると、ジギースターダストのライナーノーツに使えそうな内容だったので少しびっくり。
 詳しくはリンク先をなどと言いつつ孫引き含みで恐縮だが、グノーシス主義の本質規定として荒井畝氏が挙げた3項目のうち----「反宇宙的本質的二元論」とは、私たちの言葉で云う「宇宙的孤児性・孤独性」の自覚と密接な関係を持ち、これは広義には、文化・社会的な「実存疎外」の一形態でもある。----とある。
 だいたい私は、グノーシス主義関連の本で目にする「反宇宙的」という語がサッパリわからんかった。自殺者とお子ちゃまの我が儘は別として、本当にそんな状態があり得るのだろうか?

「神なし、我あり」

と言い切った瞬間、その人は最早、何に対してもアンチではありえないことになり、街を歩けば

『スケープゴート売り切れました』


のサインを目にして途方に暮れてしまうのではないか。
 とりあえず自販機でビールでも買っとく? ♪Love is not lovin'〜か何か口ずさみながらそれぐらいの手軽さで『魂の愛』に至ることができたら、そりゃもう画期的なことで。

 仕方なく自分は1文字補って「反宇宙(観)的」と読むことで、やっとこさ文意をつなげてみた。それでこそようやく「誰の宇宙観に?」という問いを発することができるという訳だ。
 ある時代、ある種の宇宙観に対し、勇気をもって誠心誠意アンチであること。単なるトレンドウォッチャーではなく、直観的かつ構造的理解とともに日々黙々と実践すること。何か無茶苦茶カッコイイことが書いてあるようにも思えてきてGroovy Baby! もしくはギャーティーギャーティーパーラーギャーティー・・・てな感じ。

 宇宙的孤児性とは、少なくとも、少女漫画をめくりながらダウナー齧ってめそめしているような状態の対極にあるテンションであろう。だがしかし、そんなバッドな彼女(ひたすらかなんなーとしか思わなかったが)も含め、すべては出会い頭のタイミングに強い影響を受けるもの。件のダウン子ちゃんについても、何かの間違いで「すんでのところボクはキミを好きになるとこだった!」てな展開も絶対なかったかといえばそうでもなさそでありそな。まあ、そこがまた笑うところですが。

   ちなみに、Rock'n' roll Suicideの続きの歌詞はこんな感じ。・・・・・・I've had my share so I'll help you with the pain/You're not alone!/Just turn on with me!/You're not alone!/gimme your hands!・・・・・・

 ここぞという時はこれぐらい切実にオネストにキメてみたい気もするC.S.であるが、しかし、、、
 こんなん言いだすストーカーがおったらコワイやろなあ。


(ハロウィン近し。2003.10.29)


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