ダージリン旅行記
13日目 ダージリン観光
今日は早朝にタイガーヒルに登って世界第3の高峰カンチェン・ジェンガを見物する。3時に起きてロビーで紅茶とビスケットを食べ、5台の4WD車に分乗して3時半にホテルを出発する。線路に沿ってグーム駅まで行きその先で山道に入る。道端にはリュックを背負った若い女性が大勢立っていてヒッチハイクを試みている。彼女たちはタイガーヒルに行って観光客にみやげ物を売ろうとしているのだ。
4時20分タイガーヒルに到着、頂上にある展望台に入る。中には四方がガラス窓で囲まれた部屋があり、クッションの効いた椅子に座って紅茶やビスケットをいただきVIP気分で日の出を待つ。展望台の下では大勢の人が寒さに耐えながら日の出を待っている。
VIPルーム 見物人
5時頃、朝日が上がったがあいにく雲が多く空気が霞んでいて眺めはイマイチだ。お目当てのカンチェン・ジェンガをはじめとするヒマラヤの山々も霞んでいてはっきりとは見えない。桃色に染まる山を期待していたが、空気が澄んでいる冬に来なければ駄目なようだ。
日の出 カンチェン・ジェンガ(右奥)
帰途グーム僧院を見物する。この僧院は1850年にモンゴルの僧チョムリンが来て建てたダージリンで1番古いチベット仏教の僧院である。
グーム僧院(拡大)
中に入ると正面中央には高さ4.5mの弥勒菩薩、左には黄帽派の祖ツォンカパ、右には千手観音が祀られていた。この僧院は10ルピー払えば写真撮影ができフラッシュの使用も可能なので遠慮なく撮らせてもらった。
ツォンカパ 弥勒菩薩(拡大) 千手観音
左右の壁の棚にはにはチベットから持ってきた大蔵経が収められて、壁にはツォンカパの絵などが描かれていた。
大蔵経 壁画
ホテルに戻る途中渋滞に巻き込まれてしまった。道の片側に線路が走っているので道幅が狭く大型車のすれ違いが難しいのだ.
渋滞
ホテルで朝食をとった後ダージリン駅に行ってトイトレインに乗り込む。車両は小さいが分厚い背もたれのついた座席がゆったりと配置されていて座り心地はなかなか良い。
車内
10時5分汽笛を鳴らして発車、150年前に造られたSLに引かれて坂を登っていく。スピードが遅いので沿線の風景や街で生活している人たちの姿をゆっくり眺めることができる。10分ほど走ると水の補給のために7分間の停車になった。線路脇の壁にはエゾ小菊が可愛い花を咲かせている。この草は雑草化してダージリンのいたるところで見られる。
給水作業 エゾ小菊
さらに12分ほど走るとバタシア・ループに来てここで10分間停車する。ループの中は花一杯の公園になっていて戦没グルカ兵の慰霊碑が立っている。
バタシア・ループ(拡大) 花とトイトレイン
バタシア・ループを発って10分ほどでグーム駅に到着した。ここでSLを付け替え、来た道を引き返すのである。SLはこれまで後ろ向きに客車を引いてきたが、この後は前向きに引くことになる。
グーム駅 前向きになったSL
駅に鉄道博物館が付属していたので交換作業が終わるまで見学する。中には鉄道が造られた当時からの現在までの歴史が展示されていた。駅の構内には紅茶の葉を運び続けてきだ古い貨車も置かれている。
紅茶用貨車
11時30分発車、下りは速いだろうと思ったら登りと同じくらいのスピードであった。線路の幅が狭いのでスピードを上げられないのだ。ホテルに戻って昼食をとった後ベンガル自然史博物館に向かう。途中細い道に何台もの車が止まってタイヤをつけていた。違法駐車をして警察がタイヤを外して持っていってしまったのだ。すれ違えないので引き返して別のルートで進んだが、一方通行が多くてホテルから歩いて数分の場所なのに20分近くかかってしまった。
ベンガル自然史博物館
内部には動物や昆虫の標本が展示されていた。6mもある大きなワニの剥製があったが100年前に捕まえられたワニだという。クワガタムシやカブトムシの標本がたくさんあった。これらの虫は日本の業者が大量に買い込んでいたが、今は輸出禁止になっている。
巨大ワニ クワガタムシとカブトムシ
時間がないということでわずか5分ほどで博物館を出て、今度は紅茶園に向かう。25分ほど舗装路を走ったあと4W車の底がぶつかるほどの凸凹道に入り5分ほどでハッピーヴァレー紅茶園に到着した。この紅茶園には600人の人が働いていて女の人は1日10kgら12kgの葉を摘み取るという。賃金は摘み取った葉の重さで支払われ1kg当たり4ルピー(11円)で、1日働いてもわずか40ルピー(110円)にしかならない。病院や子供のための学校は紅茶園の中に備えられている。ダージリンの茶は1840年代にイギリス人が中国から密かに種を持ち出して茶園を作ったもので、霧が出やすく朝、昼、晩の気温差が大きい気候が紅茶に向いているのだという。
早速紅茶畑を見る。紅茶の葉は位置によって異なり上の葉は小さくて柔らかく、下の葉は大きくて硬い。
紅茶畑
工場の中に入ると摘み取った葉を乾燥させていた。台の上に広げて下から温風を吹き付けて2時間ほど乾かし、その後加圧機に入れて水分を搾り出してから台の上に載せておくと酸化されて黒褐色の葉に変わる。
葉の乾燥 加圧機
黒褐色に変色した葉
このあと乾燥機に入れて完全に乾燥させ、ふるいにかけて大きさ別に選別し、木箱に入れて競売にかけて市場に出荷する。製品の多くはカルカッタに運ばれてイギリス、日本、ドイツなどに輸出される。
乾燥機 選別機
次にチベット難民キャンプを訪れづれた。昨日間違えて歩いた道を15分ほど走り丘の上に登るとキャンプの前に出た。1959年中国がチベットに侵攻したとき逃れてきた4人のチベット人がここに来て仕事を始め、その後アメリカ人が土地を提供して大勢の人が生活するようになったという。今は子供から年寄りまで400人前後のチベット人が住んでいる。
工場の中に入ると年配の女性が絨毯用の毛糸を紡いでいた。部屋の壁にはダライ・ラマの写真が飾られて花が供えられている。チベット人にとってダライ・ラマは生ける観音菩薩なのだ。
糸を紡ぐ老女 ダライ・ラマ像
隣の建物では中年の女性が2人1組で絨毯を織っており、片隅では老人が鋏で表面の仕上げをしていた。
絨毯を織る女性 絨毯の仕上げ
他の建物ではチベットの民族衣装や袋物の仕立て、彫刻、絵などを作っており若い人から年寄りまで熱心に仕事をしていた。
民族服の仕立て 龍の絵を書く女性
ホテルに戻った後、再度バザールに行く。今日も大勢の人が歩いており、インド人、ネパール人、シッキム人などいろいろの顔が見られる。紅茶屋があったので値段を聞くと200グラム90ルピー(250円)と昨日の3分の1以下だったので3箱も買ってしまった。