ブータン旅行記

5日目 パロからワンデュ・ポダンを経てトンサへ

 朝食前に昨日小学生たちが歩いていった方向へ歩いていった。道端には黄色いサクラソウや真っ赤なはななどいろいろな野草が花を咲かせている。

 
サクラソウ         黄色い花

 5分ほど歩くとの家の新築工事をしていた。壁の土を女の人が歌を歌いながら先に板の付いた棒で突き固めている。のんびりとしたペースで仕事をしているので、完成するまでにけっこう時間がかかりそうだ。

 
新築中の家            壁の土を固める女

 その先に人家が建ち並んでいる地域があり、奥のほうには学校もあった.このあたりがランゴ・パル地区の中心部らしい。吊り橋があったので渡り対岸を見物する。対岸には畑が広がっていて、農家が点在している。


 農家に近づくと家の脇に台所があった。玉石を組んで薪で鍋を暖めている。まるでピクニックのようだ。

 
農家           かまど 

 7時30分にホテルを出発、南東に向かう。道の脇には柳の木がたくさん植えられている。柳の葉を牛の餌にするのだと言う。道端に材木が積まれているのをよく目にする。製材所があったが、この周りの山は禿山で大きな木は見られない。
 しばらくすると左手に僧院が見えてきた。タチョガン・ラカンという14世紀に造られた僧院で現在は個人の所有になっている。


タチョガン・ラカン

 55分ほど走るとパロ川とティンプー川の合流点チュ・ゾムに来た。河岸にはチベット式、ネパール式、ブータン式の3つの仏塔がたっている。ここはT字路になっていて右に曲がるとプンツォリン、左に曲るとティンプーに出る。チュ・ゾムは交通の要衝であるためチェックポストがあり、ドライバーの運転免許証が調べられる
 仏塔のある岸の対岸にはたくさんのバラックが建っている。インドからの出稼ぎ労働者の家で、ブータンは道路工事を出稼ぎ労働者にさせているのである。


チュ・ゾムの3つの仏塔(拡大)

 左に曲がってしばらく進むと発電所が見えてきた。ブータンは水力発電の発電量が豊富なので電力の70%はインドに輸出しているという。さらに30分足らず走るとシムトカの町に出た。ここにはシムトカ・ゾンがある。


シムトカ・ゾン

 このあと道は上り坂になって高度をどんどん上げていき、9時45分ホンツォ村のチェックポストでバスを停めて休憩する。


チェックポスト

 この村の家は平屋でパロの農家と比べるとかなり質素な造りである。1軒の家の前にきれいな布がたくさん干してあったので何だろうと思って聞くとオムツだった。

 
民家          オムツ

 道端でヤクチーズを紐に刺して売っていた。このあたりは2800mくらいの高地なのでヤクを飼っているのだ。

 
ヤクチーズ          ヤク

 このあともどんどん高度を上げ10時15分標高3150mのドチェ・ラ(峠)に到着した。峠にはチョルテンが立っていて周囲にはたくさんのダルシン(経文が書かれた旗)が並んでいる。


ドチェ・ラのチョルテンとダルシン(拡大)

 峠のそばのレストハウスに入り紅茶を飲む。店内にはキラやタンカ、仏具などがたくさん並んでいてレストハウスというよりお土産屋の雰囲気だ。大型の双眼鏡が置いてあったが京大山岳部が寄付していったという。

 
レストハウス          店内

 峠の周りは松が多く,長さ15cmもある大きな松かさをつけている。ほかにも赤茶色い花を咲かせた針葉樹があってきれいだった。

 
松かさ            針葉樹の花

 30分ほどして出発、曲がりくねった坂道を降りていくとクリーム色のシャクナゲがたくさん目に付くようになる。道端の木は広葉樹が多くなり新緑が美しい。松もたくさん生えているが葉の長い大王松のような種類に代わる。

 12時10分ワンデュ・ポダンに到着、Y・Tホテルのレストランに入って昼食をとる。高度が1300mまで下がり晴れているのでかなり暑い。

 13時に出発し左手にピナツァ川を見ながら15分ほど走ると左手の丘の上にワンデュ・ポダン・ゾンが見えてきた。このあたりはシャボテンがたくさん生えていて黄色い花を咲かせている。

 
ワンデュ・ポダン・ゾン(拡大)          シャボテンの花

 橋を渡りワンデュ・ポダン・ゾンの前の駐車場で下車する。ゾンは神聖な場所なので門の脇にはこの先は帽子をとらなければいけないとかTシャツではいけないとかいろいろ注意書きがしてある。門をくぐって200mほど歩くとゾンの正面に出た。

 
入り口の門        ゾン正面(拡大)

 ゾンの中に入ると広い中庭があり、左側の建物は県庁、右側の建物が僧院になっている。県庁の入り口にはカムニをつけた村人の姿が見られた。

 
中庭            カムニをつけた村人

 中庭を通り抜けるとウツェがあった。中に入れないのはどうにも物足りない。


ウツェ

 対岸の丘の上に村が見えるが、17世紀にインドから来た人たちの子孫が住んでいるフリンテガン村である。


フリンテガン村と段々畑(拡大)

 ゾンを出発して30分ほどしてトイレ休憩のためバスを停めると道端の30mもある大木の枝に蘭が着生していて黄色い花を咲かせていた。1本の木にたくさん着生しているがそばの木には見つからない。蘭と木の間には相性があるようだだ。

 
着生蘭

 このあと山道を登りどんどん高度を上げていく。高度が3200mくらいになるとたくさんのシャクナゲの花が見られるようになる。真っ赤な花、濃い桃色の花、薄い桃色の花、周囲が濃い桃色で中心部が白い花などいろいろ種類があった。

 
薄い桃色ののシャクナゲ      濃い桃色のシャクナゲ(拡大)

 標高3360mのペレ・ラを越えた後はどんどん高度を下げ17時10分ニカ・チュー橋を渡る。橋の側に小さな店があってチュル(川海苔)を売っていた。10枚で70ニュートラム(190円)と安いので皆が買い込みあっという間に売り切れてしまった。10分間で1週間分くらい売り上げてしまったことだろう。

 
チュルの店             チュル

 ニカチュー川に沿って10分ほど走るとトンサ県に入り、いよいよ東ブータンになる。さらに10分少々走ると右手にネパール式の大きなチョルテンとブータン式のチョルテンが見えてきた。チェンデブジ・チョルテンといい、ネパール式のチョルテンは18世紀にこの地方の悪霊を封じ込めるために建てられたという。


チェンデブジ・チョルテン

 この後山の中の曲がりくねった道を下る。急な斜面に道が造られているので運転を誤ると谷底まで落ちてしまうが、木がたくさん茂っていて下が見えないので恐怖感は沸かない。やがて右手にルクフジ村の畑が見えてきた。急斜面の山が突然カンナをかけたように平らになっているのは不思議である。パドマサンババは虎に乗って空中を飛んだと伝えられているが、この畑も超常的な力によって造られたものだろうか。


ルクフジ村の畑

 1時間ほど経つと右手下方にトンサ・ゾンが見えてきた。すぐにトンサに着くかと思ったが、深い谷を越えるのに遠回りをしたので20分もかかり19時過ぎにようやくトンサに到着した。あたりはもう暗くなっている。今夜の宿シェルブ・リング・ロッジは客室にシャワーがついていたがお湯は出ず、テレビや電話はない。そのうえ電灯がひどく暗くてメモを整理するのに困った。ブータンは電力を輸出するため国内の電力の消費を押えているのかもしれない。

 
シェルブリング・ロッジ             客室

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