ブータン旅行記
6日目 トンサ観光後、ジャカールへ
今朝も朝食前にホテルの周囲を散歩した。ホテルの前には谷が続いていてその先には東ブータンと西ブータンを分けるブラックマウンテンの山々が連なっている。遠くには7000m級のガンチェンが白くうっすらと見える。
ブラックマウンテン
この地方も民家の壁にも男根の絵が描かれている。かなり辺鄙な土地であるが衛星放送のアンテナや自家用車を持っている家が多い。
民家 民家の入り口
道なりに歩いていると大きな病院に出た。ここからはトンサ・ゾンやその上にたっているタ・ゾンが良く見える。
トンサ・ゾン タ・ゾン
8時にホテルを出発、まずトンサ・ゾンに向かい、5分ほどで到着した。ゾンの前で大勢の大工が刀で材木を削っていた。削り跡がカンナをかけたように平らになっているのは見事だ。
刀で柱を削る大工
中庭に入ると2つの建物が並んでいて左は県庁、右は僧坊になっている。
中庭 僧坊
奥にはウツェがあり、さらに奥に進むとお堂を作る工事をしていて男が穴を掘り女が籠で土を運び出していた。インド人は洋服だが、ブータン人はゴやキラを着て仕事をしていた。神聖なゾンのなかなのでブータン人は作業着を着られないのだ。
ウツェ(拡大) お堂の工事
続いてトンサ・ゾンの見張り台タ・ゾンに向かう。
タ・ゾン
タ・ゾンへ行くには細い山道を登らなければならない。ここにはヒルがいるので肌をできるだけ出さないようにして注意しながら登る。
登り道
足下を見ると白い可愛い花を咲かせたハハコグサの近縁種やたくさんのワラビが生えていた。ブータン人もワラビを食べるがたくさん生えているので減る恐れはない。
ハハコグサの近縁種 ワラビ
5分ほどでタ・ゾンの前に到着した。ここから眺めるトンサ・ゾンの姿はなかなか美しい。
トンサ・ゾン(拡大)
タ・ゾンの中に入っていくと釜や薪などの生活用品のほかに、弓を射る細長い窓や城壁を登ってくる敵に熱湯を注ぐ樋などがあり、かって砦であったことを物語っている。
釜 熱湯を注ぐ窓
暗い急な階段を登っていくと城壁の外側にトイレがあった。汚物は10m以上も下の方に落ちてしまうので至って清潔だ。さらに上に登っていくと仏像が祀られた部屋があり僧侶が番をしていて、うっかり靴を脱がずに入って注意されてしまった。
トイレ
集合時間が近づいたのでバスに戻り他の人たちを待っていると6人が戻ってこない。なにかあったのかと心配していると10分ほどしてようやく全員が戻ってきた。最上階に登ったらドアーの鍵を閉められてしまい大声を出してやっと開けてもらったのだという。カルマさんは山道の中途で待っていたのでヒルに2箇所も噛まれてしまった。
9時15分出発15分走ったところでトイレ休憩をする。ここからの眺めもなかなか良くトンサ・ゾンとタ・ゾンの両方が見られる。
タ・ゾンとトンサ・ゾン
バスは山道をどんどん登っていき、1時間ほど走るとまたシャクナゲが群生している場所に出た。昨日停まった場所とは比べ物にならないほど見事だ。
この後シャクナゲがあちこち咲いている道を5分ほど走るとヨートン・ラに到着した。手元の高度計では3345mを示している。ここにもチョルテンが建っていて周りにはダルシンがたくさん並んでいる。
ヨートン・ラのチョルテン
ここではシャクナゲを間近に見られるので再び写真を撮る。
シャクナゲ
道端には玉のような形をした薄紫色のサクラソウがたくさん咲いている。
サクラソウ
この後谷に沿って坂を下り11時45分にヤタに到着した。ここにはヤタ織りの産地で、店先で娘さんが機織りをしていた。
ヤタ織りの店 ヤタ織り
ヤタ織り
20分ほどしてヤタを出発し15分ほど走ると野原に大人や子供が座っていた。きっと一家でピクニックに来たのだろう。
さらに5分ほど走るとジャカールに入り、中心街を通り抜けて丘の中腹から凸凹の泥道を少し走るとジャカール・ヴィレッジ・ロッジに到着した。
ジャカール・ヴィレッジ・ロッジ 客室
ロッジのオーナーのガッセイ・ヘンドゥさんはブムタンの知事をしていた方で日本に3回来ているという。
ガッセイ・ヘンドゥさん
ロッジの隣には立派な家が建っていた。「ブータンの民話」の作者クンサン・チョデンさんが住んでいる家で広い芝生の庭の周りにはたくさんの花が咲いていた。
クンサン・チョデンさんの家
ホテルのレストランで昼食をとって14時にホテルを出発、クジェ・ラカンに向かう。僧院の下の広場に着くとたくさんのテントが張られていて仏具や衣類などが売られていた。チベットとインドの高僧が来ているのだという。ブムタンに外国の高僧が来るのは初めてのことなので大勢の人が法話を聞きに来る。そこでその人たちを目当てに店を出しているのだ。
僧院の下の広場
広場から坂を登って寺の前に出る。門の脇の石には経文が書かれている。そばには遺骨と泥で作ったツァツァが並んでいる。
クジェ・ラカンの門
マニ石 ツァツァ
境内に入ると庭の中央に大きなテントが張られその周りに大勢の人が座ってスピーカーから流れてくる話を聞いている。チベット語かサンスクリット語かしらないが、お経を読んでいるような口調だ。村人たちにはきっと話の内容はわからないだろう。それでもじっとすわって熱心に聞いている。話を聞いているだけでご利益があるのだろう。
法話を聞く人たち
少年僧も大勢いた。退屈そうな顔もせずちゃんとすわって聞いている。
少年僧
寺の中を見学する。鍵番が見つからないので1910年代に建てられた新しい建物に入る。2階の部屋に入るとパドマサンババの像が祀られていて、部屋の隅にはリュックや寝具がたくさん並んでいた。法話を聞きに来た遠くの僧たちがこの部屋に泊まっているのだ。
ようやく鍵番が見つかったので古いお堂に入る。このお堂は7世紀に建てられた建物で、1階の部屋には8世紀に作られた釈迦の像や7世紀の壁画があった。2階の部屋にはパドマサンババの8変化の像、パドマサンババと2人の妻の像、仏塔などが並んでいた。パドマサンババの8変化の中に釈迦があったのには驚いた。ブータンではパドマサンババは釈迦を越えた存在なのだろうか。左側の壁には千体仏、右側の壁には歴代の活仏の像が並んでいた。
最後にジャカール・ゾンを見学する。こじんまりしたゾンで、ウツェの前では少年僧が草を丸めて作った円板を蹴って遊んでいた。僧といってもまだ普通の子供と変わらない。
ジャカール・ゾン 円盤を蹴る少年僧
夕食にそば粉で作ったパンケーキが出た。ここは海抜が高いので小麦が育たずソバを作っているのだ。