ブータン旅行記

9日目 プナカ・ゾン観光後ティンプーへ移動し、市内観光

 朝食前にワンデュ・ポダンの中心部まで散歩した。ホテルを出て川沿いにしばらく歩くと共同水道があり村の人が水を運んだり身体を洗ったりしていた。近くの家の入り口には例の魔よけの画が描かれていた。

 
共同水道

 10分ほどで橋に着き、プナカ川を渡ると山の斜面に人道がついていたので登っていく。道の両側にはサボテンがたくさん生えていて、食用にするのだろうか若い人が葉を切り取っていた。振り返ると先ほど渡った橋が足下に見える。

 
サボテンの葉を切る人             プナカ川の橋

 坂を登りきるとワンデュ・ポダン・ゾンの入り口に出た。ここからさらに5分ほど歩くとワンデュ・ポダンの中心部の広場に出た。しかし人通りは少なく、片隅にあるマニ車のお堂の前にたたずんでいる僧が目に付く程度であった。


マニ車のお堂と僧

 広場に沿って商店が並んでいるが売っているものは子供向きの菓子やおもちゃなどだった。

 
商店街           店先

 広場の片隅にトラックが駐車していた。ブータンのトラックはフロントグラスの上に吉祥印をつけて走っていることが多い。これまで事故車を見なかったのは吉祥印のおかげだろうか。


トラックの飾り

 広場を出て再度ワンデュ・ポダン・ゾンを見た後ホテルに引き返す。途中川の対岸にマーケットがあった。早い時間なのにかなりの人出だ。このあたりの人は買い物はマーケットで済ましてしまうから中心部の商店街が寂れているのだろうか。


マーケット

 朝食を済ましホテルの庭でバスの出発を待つ。庭に花壇があっていろいろな花が咲いていて蝶が蜜を吸いにやってくる。草むらにはトカゲがちょろちょろ歩いている。このあたりは自然が豊かだ。

 
蝶           トカゲ

 8時半ホテルを出発、プナカ川を右手に見ながら30分ほど走るとプナカ・ゾンが見えてきた。モ・チュ(母川)、ポ・チュ(父川)という2つの川の合流点に建っている。ゾンは普通山の上に造られるが、プナカ・ゾンは川の流れで敵を防いでいるのだ。反面、水害も受けることになり、1996年には大きな被害を受けて最近ようやく復旧工事が完成したばかりだ。


プナカ・ゾンとモ・チュ(左)、ポ・チュ(右)

 さらに5分ほど走るとゾンの前に出た。河岸に植えられたジャカランタの花が満開で美しい。プナカは標高が1350mと低いので暖かく、1995年まではブータンの冬の都になっていた。今でも冬にはティンプーのタシチョ・ゾンからジュ・ケンポ(大僧正)や1000人近い僧がやってくる。

 
プナカ・ゾン(拡大)          ジャカランタの花

 橋を渡ってゾンの前に行く。長い階段の上に入口がついているが、川の増水に備えているのだ。


入り口の階段

 階段を上りきった所に四天王の画があり、門の内側の壁にはマンダラや、果樹の下にいる象の上に猿、鼠、鳥が乗った絵、長寿の老人の絵などが描かれている。この2つの絵はブータンではよく目にする絵である。

 
四天王
 
マンダラ
 
動物と果樹の画       老人の画

 十二支のマンダラもあった。描かれている動物は日本の十二支の動物と同じである。


十二支のマンダラ(拡大)

 中に入ると菩提樹と仏塔のある中庭に出た。正面にはウツェがそびえていて僧が飾りの布を取り外す作業をしていた。5日前に国王が来て復元工事の完成式をしたばかりだという。

 
中庭             ウツェ

 ウツェの正面に回るとここも階段の上に入り口があった。入り口が高いので1994年の水害の被害はなく入口の壁には古い仏画が見えた。ウツェの3階には17世紀にブータンを統一したシャブトゥン・ンガワン・ナムゲルのミイラが安置されているという。


ウツェ正面側
 
ウツェ入り口      入口上部の壁画

 さらに奥に進むとキュンレイ(講堂)の前に出た。この講堂は1994年の水害で大きな被害を受けて修復工事が竣工したばかりである。修復工事にはJAICAも協力しているという。

 
講堂(拡大)

 講堂の入り口の両側の壁には六道輪廻図やカーラチャクラなど大きなマンダラが描かれている。

  
六道輪廻図(拡大)         カーラチャクラ・マンダラ   

 講堂の中に入ると極彩色の絢爛豪華な室内に目を奪われる。部屋の正面中央に釈迦像、左にパドマサンババ、右にシャブドゥンの像があり、両脇の壁には歴代のジュ・ケンポの像がガラスケースに収められている。壁の上部にはたくさんのタンカ(仏画)がかかっており、柱は細かな彫刻が施されたうえに金泥が塗られ、天井は龍の絵で埋めつくされていた。
 このお堂には以前来て写真を撮っているが、そのときは正面に古い釈迦の像などが並んでいた。以前あった古い仏像は水害で失われてしまったようだ。

 プナカ・ゾンの前には1328年にンガキ・リンチェンによって建てられたゾン・チェンがある。ただし、元からあったゾンチェンは1994年の水害で流されてしまい、今の建物は最近再建されたものである。

 
ゾン・チェン

 10時にプナカ・ゾンを出発、4日前に来た道を引き返して12時15分にティンプーに到着、ティンプー川のほとりにあるリバービュー・ホテルにチェックインして昼食をとる。ブータンのホテルとは思えないほど近代的なホテルで、客室は広くなかなか快適な部屋である。 

 
リバービュー・ホテル         客室

 ホテルの前からはティンプー川の対岸にティンプーの市街が見える。5階建ての集合住宅が建ち並びかってのティンプーの面影はまったくない。


ティンプーの街並み

 食後一休みして14時にホテルを出発、まずブータンの国技アーチェリーの大会を見に行く。的まで150mも離れていて私の目ではとても的を見ることができない。6人が1チームで総合得点を争う方式で、射終るとチーム全員で輪になって肩を組み気勢を上げている。矢を射る瞬間には精神統一が必要なのに、すぐそばでチアガールが大声で応援していて、とても精神統一などできそうもない雰囲気である。 

 
アーチェリー         的の前で踊る選手

 アーチェリーの会場の隣には昨年のサッカーのワールドカップで最下位決定戦が行われたチャンリミタン競技場がある。中では子供たちが熱心にボールを蹴っていた。以前は子供たちは弓で遊んでいたが最近はサッカーのほうが人気があるようだ。


チャンリミタン競技場

 この後はサブジ・バザールに行った。駐車場の近くにはお土産屋が並び、先の方には生鮮食品や衣類などの売り場が並んでいた。

 
サブジ・バザール          お土産屋

 バンチャンという固形の酒が売られていた。バンチャンは米や麦などの穀類を蒸してござに広げて冷やしながら乾燥させる。このあと1kgに対して20gの割で麹を混ぜバケツに入れて蓋をする。1,2日してアルコール臭がしてきたら密閉できる容器に入れて2,3週間発酵させると出来上がるという。バンチャンはコップに入れてお湯を注いで飲む。

 仮面が売られていたのでお土産用に買う。小型の仮面の値段を聞くと350ニュルトラムと言うので値切ったら300ニュルトラムになったので買ったが、500ルピーの札しかなかったので200ニュルトラムが手元に残ってしまった。ブータンのお金はもう使う場所がなくなるので200ニュルトラムを足して大きい仮面に換えてもらったが、初めから大きい仮面を買うことにして値切れば夕食の飲み物代ぐらい浮いたかもしれない。

 
バンチャン        仮面

 次にメモリアル・チョルテンに向かう。このチョルテンは1972年南アフリカを旅行中に病死した前国王の生前の発願を引き継いで建てたものである。

 
メモリアル・チョルテン(拡大)       チョルテン入り口のスレート彫刻

 内部は3階あり、どの階にも歓喜仏が所狭しと並んでいる。写真撮影が禁止されていたので前回の旅行で撮った写真を以下に示す。

 
歓喜仏の像          歓喜仏の壁画

 ティンプーの中心部に戻り、時計台のある広場の前でバスを降りて1時間ほど自由行動になった。


時計台広場

 この付近は前に来たときに歩き回っているはずだが、交差点にある交通整理の丸い小屋だけが昔のままになっているだけで、街並みがすっかり変わっていて全然思い出せない。それに前来たときはゴやキラを着たブータン人ばかりだったが、インド人が多い上に洋服を着ているブータン人が増えている。もうティンプーにはブータンの良さがない。

 
交差点               メインストリート

 観光客の入場が許される17時になったのでタシチョ・ゾンへ向かう。タシチョ・ゾンは国王の執務室やドゥク派の最高権威ジェ・ケンポの執務室があるブータン仏教の総本山である。


タシチョ・ゾン

 東側にある一般用の入り口から中に入る。中庭にはウツェとその前に寺院があり、ウツェの奥の角には国王の執務室が入った塔がある。毎年9月に行われるツェチュはウツェの前で行われる。今回はウツェの手前までしか入れず写真も撮れなかったが、1986年に訪問したときは当時タシチョ・ゾンの中にあった国会議事堂の中に入ることができ、国王の椅子や見事な仏壇、壁画タンカなどを見ることができた。

 
寺院とウツェ           国王執務室のある塔

 タシチョ・ゾンの脇からはティンプー川を挟んで国会議事堂が見える。この建物はSAARC(南アジア地域協力連合)の会議場および事務室として建設されたものであるが会期に間に合わなかった。今は議事堂道とSAARCの事務室として使われている。また、タシチョ・ゾンの前には平屋の官公庁の建物が並んでいる。

 
国会議事堂           官公庁の建物

 夕食前に音楽学校の卒業生が民族音楽の演奏や民族舞踊を見せてくれた。椅子に座って聞いていると現地旅行社のマネージャーからジュースやビールの差し入れがあり、コップを飲み干すとすぐお代りを入れてくれてオレンジジュースを3杯半も飲んでしまい食事の前に腹が膨らんでしまった。


ジュースの差し入れ
 
民族音楽         民族舞踊

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