ベトナム旅行記
5日目 ドンバンからイェンミンへ
6時から町の中を散歩する。朝方は涼しいので長袖シャツの上に薄手のジャンパーを重ね着して外に出る。町の周りは水田が広がり、もう田んぼへ向かっている人の姿が見える。
水田 田んぼへ向かう人
市場の方へ歩いていくと、入り口に薪を背負った白モン族の女性が立っていた。中学から高校生くらいの年の子が多い。重いのだろうが平気な顔をして立っている。
薪を売る白モン族の女性 市場
夕べと同じ店でフォーを食べ、7時45分にドンバンを出発する。車の中でマンさんが市場でかったタンジャムという食べ物を分けてくれた。フォーだけではちょっと物足りない気がしていたのですぐ食べる。もち米と青豆をバナナの皮に包んで蒸したもので未餅とほぼ同じ味であった。
車は山道をどんどん登っていく。10分ほど走ったところで町の全景を撮る。先程薪を売っていた少女たちはもっとずっと遠いところから歩いてきているのだろう。
ドンバン全景
手元の高度計で1260mの峠を越えさらに5分ほど走るとマピーレンという場所に出た。ここからの眺めは.実に素晴らしい。このあとも素晴らしい眺めが続々と続く
眺めは良いが道路の下は45度以上ありそうな急斜面が谷底まで続いている。斜面をよく見て驚いた。なんとトウモロコシ畑になっているのだ。しかもこの畑が谷底まで続いている。下を見ると引き込まれそうになる。普通の人なら怖くてとても立っていられないだろう。そんな急斜面で農作業をするのだからすごい。子供のときから高地の急斜面を相手に暮らしているモン族の人だからできることだ。しかし、感心しているだけではいけない。彼らは自らの食料を得るためにこんな危険な仕事をしているのだ。少数民族の人たちの生活の厳しさが伝わってくる。
山道を下ると道端に家がたくさん並んでいた。ベトナム政府が山の上に住んでいるモン族を低地に住まわせようとして建てた家である。モン族の人たちは初めのうちはほとんど山を降りてこなかったが、山を降りた人たちの生活が楽になったのを見て他の人たちも降りてきた。このあたりは以前はケシの栽培が行われていた場所だが、今はトウモロコシ畑になっている。
白モン族の家
家の前には麻の束が干されている。麻は強い日に当てると弱くなるので10時頃家の中に取り込むという。
麻をしごく白モン族の女性 麻の束
軒先に石臼が置いてあった。トウモロコシを粉にするために使っているのだ。博物館の展示品がここでは現役で活躍している。
石臼
9時10分メオバック県に到着した。メオはモンと同じ意味で中国のミャオに当たる。警察で許可をもらった後、市場へ行く。白モン族とベトナムの主力民族のキン族の人たちがいたが、ここではキン族が少数派だ。.
メオパック県市街地 市場
このあと歩いてロロ族の家に行く。ここには13戸のロロ族の家があり100人ほどが住んでいる。この村ではモン族は85%占めているのでその影響を受けて家もモン族の家と変わらない。家の中は土間で中央部が客間、右が台所、左が寝室に仕切られている。この村では男は一切働かず夜のお勤めだけすればよい。その代わり酒は飲めず煙草も吸えないのだから退屈だろう。
ロロ族の家 ロロ族の女性(拡大)
このあとザオダイパン(DAODAIBAN)族のいるヌムマン村を訪れる。この付近のザオタイパン族は大きな帽子をかぶっているのが特徴である。民族衣装には中国製の布を使っていた。この方が手軽だが伝統的な衣装が亡くなっていくのは残念である。
ザオダイパン族の家 ザオダイパン族の女性
村を出てしばらく走ると道端にザオダイパン族の住む家があった。トブロックとレンガ造りの40坪くらいの家だが政府の補助が半分出たので1000万ドン(80万円)でできたという。ここにいた女性は手作りの民族衣装を持っていたので改めて写真を撮らせてもらう。
ザオダイパン族の民族衣装(拡大)
この後ルーフィン村の食堂で1万ドンの昼食をとり、イェンミンに向かう。周りの山は大きな木が切られてしまい山頂近くまで畑が広がっている。13時20分イェンミンの近くに到着、時間が早いのでルンホー村という白モン族の村に向かい山道に入る。舗装されていないので凸凹の泥道になり4WD車の底をすりそうになる。
10分ほど走るとタイ族の人の店があったので中で休憩する。立派な大きな家で、子供たちは寝そべって大型テレビを見ている。これまで見た少数民族の家では小さな古い白黒テレビしかなかったからお金持ちなのだ。店に来る客はほとんどないから大きな畑を持っているのだろう。
この後どんどん高度を上げていく。遠くに先の尖った高い山が見えるが、この山の裏側まで行くのだ。山の名前を聞いてみたが名前はついていないという。
山の道 高い山
やがてサリー峠に出る。手元の高度計は855mを示している。峠の下にはサリー村hが見える。このあたりはお茶の栽培が行われ、道路の脇にも大きなお茶の木があった。
サリー村 お茶の木
峠でガイドさんたちと記念写真を撮る。1人で4人のガイドさんと旅をするなんて2度とないことだから良い記念になる。
4人のガイドとドライバー
曲がりくねった山道を走る。見事な棚田が次々見える。世界遺産に登録されている中国の龍背の棚田と登録申請中の元陽の棚田を見たことがあるが、これらの棚田に引けを取らない見事な棚田だ。
山道 棚田(拡大)
さらに1時間ほど走りルンホー村に到着した。トウモロコシ畑に囲まれた静かな村で、外界から隔離されているのでマンさんが村の人に話し掛けてもベトナム語が通じない。村の中央に市場の建物があったが、村の人にカメラを向けると逃げてしまった。おそらくこれまで外国人が入ったことのない村だろう。まさに秘境中の秘境である。
ルンホー村 トウモロコシ畑
20分ほどしてから来た道を引き返し、イェンミン近くにあるヌン(NUNG)族の村を見学する。土壁の大きな家が並んでいたが、ヌン族らしい民族衣装を着た人は見られなかった。村の近くを川が流れていて水牛がのんびりくつろいでいた。
ヌン族の村 川の風景
このあとすぐホテルに向かい18時半イェンミン・ゲストハウスにチェックインした。