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しめさば

Surmackerel うそ、Shimesaba

さば釣ったら、試してみましょう

ノルウェーのサバは夏の後半から脂がのってくるので、新鮮なサバが手に入ったらしめてみると、”まったりした”のができる。作り方は思ったより簡単だが、〆たりなじませたりで食べられるのは作り始めて半日後くらい。(つまり夕方釣って帰ってもその日は食べられない。)

用意するもの

@ 新鮮なサバ
KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_01 釣りたてのサバ

群れが来ているときにルアーを早引きすると
バタバタと釣れる。

KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_02 まだ、7月のサバで、ちょっと痩せている。
8月の半ばから脂がのっておいしくなる。

真夏などは2−3匹釣れたらさっさと家に帰る。2時間くらい日なたにころがしておくともうしめさばには不適。腹の中が溶けたようになってしまう。こうなるとまずくなるだけでなくちょっと危ないらしい。寄生虫のアニサキスは内臓についていて、内臓がわるくなりはじめると筋肉の中に移動を始めてしまうという噂。新鮮なうちにさばく必要あり。
本気でやるならクーラーボックスに氷水(氷と海水を混ぜておく)を用意しておくのがいいが、ノルウェーでこれをやると(ここまでやる人はいないので)目立つ。
魚屋で買う場合は、目がにごっているようなのはさすがに売っていないが、腹がくたびれて弾力がなくなっているようなのは避ける。ノルウェーでは生食いはしないので、魚屋も日本のように鮮度に神経質ではない、新鮮なものは腹がパンと張っているので、肥って見える。また、買って帰ってさばくとよくわかるが、同じように並べて売っているものでも、鮮度に結構違いがある。さばいてみて、腹の中が柔らかくなってあばら骨が肉から浮きあがっているようなのはあきらめて味噌煮にでもする。優秀なやつだけ〆る。

A 酢
KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_06 酢(Eddik)

左は普通の酢。 7% 鼻にツンと来る。酢洗い用。安い。
右はリンゴ酢。5% 漬けこんで締めるのに使う。 高いの、これが。


ノルウェーで酢(Eddik)として売っているものは、けっこう鼻にツンとくる。揮発性の酢酸が多いせいだろうと思う。サバを〆めるのには不揮発性の酢であるリンゴ酢(5%)を使うとマイルドで食べやすいものができる。でもこれは高い(5倍くらいする)ので、後述の手順で説明するが「酢洗い」に使うのにはもったいない。 したがって、リンゴ酢(Eple Eddik)と普通の酢(Eddik 7%のことが多い)の両方を用意するのが正解。

B 塩
けっこうたくさん使うので、切らしかかっていれば忘れず買っておく。

C 毛抜き
小骨を抜くのに必要。でも脂で手が滑ってけっこうやりにくい。こんどペンチか釣りの針はずし用プライヤーを試してみようと思う。ところで、小骨を抜かなければダメかというとそうでもない。ときどき省略する。酢で柔らかくなるので、魚が小さめだったりすると、あまり食べても気にならない。子供などには「下半身」の小骨のもともと無いところを食わせればいい。

製作手順

@ 大名おろし
KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_03 流しの中で頭を落としていく

流しの中をよく洗ってから作業開始

KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_04 内臓を切り口から引っ張り出し
腹の中の血は洗い流す。

写真のFiskersというスウェーデン製のフィレナイフ(肉・魚用)
は刃が細くて握りは大きく、使いやすい。
刃のカーブもあばら骨を内側からすき取るのによい。

KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_05 片側を「大名おろし」したところ
裏返してもう一回。

サバをさばく。ポイントは2つ。1つめは、サバは血がたくさん出るのでまず流しの中で最初に頭をおとしてしまう。こうしないと調理する場所が血だらけになってしまう。エラの後のひれのすぐ後ろでギロチンのように落とす。(大きい場合は左右から包丁を入れる方法もあり。)ワタシの場合は、小さいまな板を流しの底において作業している。内臓も引っ張り出して、腹を洗う。捨てる部分は同じく流しの中においたスーパーの袋にどんどん入れていく。
2つめのポイントは腹側と背側を別々におろす3枚おろしではなく、手っ取り早く身を崩さずにできる(背中側と腹側をいっぺんにやる、いわゆる)大名おろしでやること。尾からやるのが一般的らしい。(ワタシは釣り場やキャンプ場で日が暮れてから懐中電灯の光を頼りに手探りで頭を押さえて頭の方向からサカナをおろす癖がついているので、いつも頭側から。) ワンアクションで片身をはずし、裏返して残りの身を背骨からはずす。背骨に身が少し残るが、気にしない。これが大名おろしの由来らしいが、どこの大名がサカナをおろすかって。
あばら骨もすいて取ってしまう。
以上の作業にはフィレナイフの刃の長めのやつがやりやすい。刃の長い和包丁でもいいと思う。

A 塩で〆めて、骨を抜く
KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_06 塩でしめているところ

景気よく... ちょっと塩かけ過ぎかも。


おろしたさばのフィレのうらおもてに大雪が降ったみたいに塩を盛大にふりかける。しめる時間がポイントになるが、塩の量で時間に影響が出るといやなので、いつも「充分な量」をかけている。サカナが見えなくなるくらいかけちゃう。(再利用法は後述) そして、そのまま冷蔵庫へ。
塩で〆る時間は、サカナの大きさや塩加減のこのみ次第で調節。ワタシはサシミっぽいのが好きなので40分くらい。きつく〆めたい場合は1時間以上やってもいいのだと思う。
時間が来たら冷蔵庫から出し、塩をはたきおとして、毛抜きで小骨(背骨から水平方向に出ていた骨)を抜く。指で探りながらていねいにやる。でもあまりゆっくりやっていると塩でどんどん締まってしまう。手早くやる。
余った塩は内臓を捨てた袋の中にぶちこむ。(これは意外と大事。サバの内臓は直ちに腐り始めて半日くらいで部屋あるいはゴミ捨て場にとんでもない臭気がたちこめるので、そうならないように”塩辛”にしてまうわけ。)

B 酢洗い
さばの塩を洗い流す。水ではなく酢を使う。容器の中に安いほうの酢(Eddik)を適量入れて、フィレをしゃぱしゃぱと洗って塩を落とす。

C 酢締め
KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_07 酢でしめているところ

酢が足りなくて液面から出てしまうときは
ペーパータオルを毛布のように掛ける。


容器に酢洗いしたフィレを並べて、リンゴ酢をひたひたに入れる。(容器が大きすぎると酢が余計に必要になるので注意。)
容器ごと冷蔵庫へ入れる。酢で〆る時間は、これも好みだが、30分から1時間半くらいがめやす。サシミっぽいのが好きなワタシは40分くらい。時間が来たら、酢からひきあげ、薄皮を剥いで(簡単にはげる)ラップして冷蔵庫へ戻し(もう酢には漬けない)、数時間から半日味をなじませる。1両日くらいのあいだに食べないときは冷凍する。凍らせておけば3週間くらいは大丈夫。

KURASHI_NORFOOD_SHIMESABA_08 しめ終わり、薄皮を剥いだところ

ラップして再び冷蔵庫へ。
数時間は味をなじませたほうが美味しい


D 食べる
食べる直前にスライスする。(スライスして何時間もおくと切断面に酢がまわって、見た目も味も悪くなる。) ショウガじょうゆでいただく。サシミのように食べてもいいし、手巻き寿司のネタにしても好評。 棒寿司こんど作ってみよう。