大垣物語

―12月25日深夜
私は暗闇の中、田んぼの広がる道をただ一人歩いていた。  どうしてこんなことになってしまったのだろう。 色々考えたけれども答えは見つからない。 わけがわからなかった。苦しい、あまりにも苦しい。 ただ存在することがどうしてこんなに苦しいのだろう。 枯れるほど流したはずの涙は時間を置いて何度も溢れてきた。 とにかく疲れた。考えれば考えるほど自分の存在価値がわからなくなっていった。 考えた挙句私の出した結論とは、 ―自分は存在してはいけない人間だったのだ。 ということだった。 事の発端は3ヶ月程前のことだった。 当時大学4年生だった自分は、就職も決まっており、ある意味順風満帆な人生を送っていた。 それが一気に崩れてしまったのは、就職予定の会社の内定者3人と飲みに行ったときのことであった。 色々話をしてみると、3人は会社に入ってからどのように歩んでいくかなど、 今風に言えばキャリア・ビジョンというものだろうか、 そういう自分の将来というものを考えているようだった。 知識もかなり豊富であったことを記憶している。それに比べて私はなんて何も考えていない人間なのだ。 なんて何も知らない人間なのだ。ということがチラッと頭をかすめた。 まさか、この時感じたちょっとした将来に対する不安が、あんなにも大きくなっていくなんて 夢にも思っていなかった。飲み会の最中私はずっと口をつぐんだままだった。 この場にいるのが苦しい。早く逃げたい。でも逃げられない。 席をたって「オレちょっと用事があるから・・・」の一言が言えない。 思えば自分は対人恐怖があった。人に対して自信を持って接することができない。 人から嫌われたくない。

[PR]DoCoMoご利用の方必見!:無料の運命鑑定≪スピリチュアルの館≫