釣りマニアの若者よ!
                【本木雄介】

もう何年前になろうか、ルアーフィッシングが大流行した時があった。テレビ番組では「釣りの企画」が増え、湖面でマイボートを浮かべて竿を振る芸能人がもてはやされたりしていた。
業界誌でも「釣りブームの到来、フライ・ルアーの魅力!」とメーカーあげて数々の大会を催していた。各地の港でもシーバス狙いで若者が「釣り船」に殺到したという。しかしブーム去って下火になったか、と思いきやメンバーの西ちゃんに言わせれば釣り人口はますます増えつづけているのだそうだ。若い世代が沖釣りで大物を狙ったりと、「釣り船」に乗ることも多いのだという。

なるほど、HPをながめていると確かにそうだ。釣果写真などで20代とおぼしき若者の姿もちらほらと目につく。しかし、彼ら若者が好んで乗っているのはどうも
「素人船長」の船が多いようだ。すべてHPの影響だろう。彼らは「やさしく・楽しく・友達のような船長」を求めている。船上では「○○君」「××ちゃん」などと本当に呼び合っているのかもしれない。
ただ、私は思う。彼らはそうした「素人船長」の船で釣りを楽しめばいい。
皮肉ではない。「素人船長」なればこそ、
「お祭り好きで釣りよりもコミュニケーション」を求める彼らには合っている。「料金も安くしておくよ!」なんて彼ら若者には好都合だろう。
若いうちから「本物の釣り勝負」で「釣りの腕を鍛えてやる」なんていうのもどうだろうか、という気もするのだ。遊びの中のひとつとしての位置付けであれば、
「三流漁師」の釣り船でも十分だろう。

期待すべきは彼らの中に、いずれ
「本物の釣り」へとステップアップしてくる者もいるだろうことだ。「師匠と呼べる本物の釣り漁師」と出会うのはそれからでも遅くはない。だがその時、「素人船長」に通いつづけた何年間かに失った「時間と金」に呆然としては可哀想な気もする。せめてこのHPを見た若者であれば「本物の釣り漁師」の船がなんであるかは理解しているはずだ。

「釣りの腕」を磨く、ということは、より多くのヒットを重ねて「釣り」というものを体得していくことに他ならない。それを可能にするのはキャリアを積んだ船長の「ポイント取り」なのだ。
「釣る」というプロセスと「釣果」という結果。「本物の釣り漁師」はこの両軸を上手く回し、「名船長」ともなれば「釣り勝負の醍醐味」さえ我々に教えてくれる。
自分の「釣り人生」という長いスケールで考えれば、10年後にいっぱしの
「釣り師」になっているか「ただの釣り好き」になっているか、歴然とした違いがその時になってはじめてわかる。すべてが「釣り船選び」にかかっていると言っても過言ではない。

釣りマニアの若者よ、釣りを楽しむには「良い道具・良い釣り船」が必要だ。それには金もかかるだろう。「料金を安くしてくれる釣り船」が「良い釣り船」ではない。
そしてなにより、船長には
「キャリアの十分な本物の釣り漁師」を選びなさい。××ちゃん船長は「良い釣り友達」にはなっても「釣りの先生」にはなってはくれないぞ。


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