釣り船船長の腕前とは?
           【本木 雄介】

釣り船に我々は乗る。魚を釣る。釣り好きだから釣れなくても楽しい。それで十分だろうか。
それぞれの船長には優劣がある。我々メンバーが最も重要視するのはその
「腕」だ。いままで多くの体験談から、言いたい事を正直に書き連ねてきた。その目的のひとつは我々釣り人自身が賢くならなければ、今後も「釣り船の質」の向上はありえないと考えているからだ。

素人船長が多い昨今の「釣り船」事情では、乗船したものの
未熟な操船・ずさんなポイント取りで釣る前から戦意喪失してしまうケースが非常に多い。悪い船にあたれば、釣果などお粗末なものだ。もしこれが自身の漁師商売の釣り果だとしたら、これだけの水揚げだけで本当に食っていけるのか、と船長の生活を心配してしまう。
各地域によっては、釣り漁師さんの漁場へは入っていけず、いわゆる商業用の二次的ゾーンで我々は釣るわけだが、ポイントさえしっかりおさえておけばお粗末な釣り果で終わることはありえない。(自然条件等の影響は除いて)

私が知っている名船長たちはそこのところを十二分に理解してくれている。チェック・ポイントとしていくつか挙げよう。
@ 小型の漁師船である。(釣り客用の大型船やレジャー型の船舶はダメ。)
A 船長自らも釣る。(日頃の漁師業に我々が便乗させてもらうスタンス)
B 釣った物はすべて客に持ち帰らせる。(船長の釣り果も含む)

この3点は非常に重要だ。
つまり、船長自身の
「腕・技術」を我々の前に露呈すること。釣っている我々をデッキの中で煙草をふかしながら眺めているなんて言語道断だ。釣り稼業で生きている真剣さを我々の前で発揮してほしいのだ。それさえできれば釣りというレジャー感覚を払拭する「本物の釣り勝負」が体験できる。いちどこの体験をすると、我々がこだわる「船長の腕」うんぬんが理解いただけると思う。

また船長が何隻の船を所有しているかということもチェックしておきたい。
・1隻のみ所有⇔○(釣り専業の漁師である証拠。小回りの効く小型釣り漁船だけを所有)
・複数隻所有⇔×(本業を他に持つ素人船長の可能性あり。網等を積みこむ中型〜大型漁船の所有)

インターネットでも見られる多くの「釣り船船長」は素人船長だ。釣りの経験など皆無に等しい
「網漁師」らがシーズン外れに小遣い稼ぎでやっているわけだ。釣りのポイントと網のポイントはまったく違う。操船方法も釣りの方が格段に難しい。我々素人に釣らせるためには、「本物の釣り漁師」の技が必要不可欠だ。例えれば、大型爆撃機のパイロットが小型戦闘機でまともにドッグ・ファイトできるだろうか、ということだ。網でごっそりと魚をすくい獲ることはできても、釣りの腕は初心者に等しいのが実情だ。
「釣り船」に乗って漁場を見てみるがいい。ある一角で
「釣り操業」している一団を。彼らこそが「本物の釣り漁師」であり、その場は真剣なオーラさえ放っていて眩しいほどだ。
長年その
「一団」で戦い続けた老軍曹こそが我々の欲する「名船長」なのだ。現役を1歩退きながら、我々釣り客に「釣りとはなんぞや」を体でもって説ける人物。そうはいないはずだ。

我々の師になりえる船長を探し出すには、やはり
「鉄の5ヶ条」の基本を頭におき、吟味に吟味を重ねることだ。いま現在通いつづけている「釣り船」に満足しないことだ。上には上がいる。素人船長も名船長も料金などは変わらない。なにが得な選択かは我々次第だということだ。


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