私が見たドイツ制作の戦争映画は、北アフリカで活躍し23歳で戦死したハンス・ヨアヒム・ マルセイユ大尉を描いた『撃墜王アフリカの星』、敗戦直前に郷里の近くの小さな橋で悲劇的 な戦闘をするドイツ少年兵たちを描いた『橋』、潜水艦映画の中でも最高傑作と言われる『Uボート』、 そしてスターリングラードで全滅するドイツ軍の兵士たちを描いた、この『スターリングラード』です。 いずれもラストは悲劇的です。『アフリカの星』ではマルセイユの乗った戦闘機が アフリカの砂漠に墜落した後、ラストで、マルセイユの恋人で戦時の臨時教員をしている女性が 教えている教室を校務の人が訪れ、何かを告げ知らせるシーンがあります。 彼女の表情が変わり、茫然自失とした彼女は教壇の方へ戻りますが、 生徒達が可愛い声で歌っている前で、教壇の机に泣き崩れてしまいます。 私は、今でもこのラスト・シーンを見る度に涙が出てしまいます。 ドイツの戦争映画のラストは、悲劇的であり、悲しいです。そこにはアメリカ映画にあるような 苦闘の末に勝ち取った勝利感はありません。それに似た作りをしている『Uボート』でさえ、 深海から奇跡的に浮上し、無事に帰還したと思ったら、連合軍の爆撃がUボートの基地を襲い、 艦長と多くの乗組員は死に、Uボートは沈み、すべては失われてしまいます。 この『スターリングラード』も、スターリングラードで凄惨な戦いを繰り広げるドイツ兵を描き、 ものすごく重く、悲壮で、そして悲劇的な映画です。同じ邦題でソ連の狙撃兵を主人公にした 映画があり、そちらの方がメジャーの配給で有名になりましたが、私は、本物の そして正統派『スターリングラード』は、このドイツ映画の方であり、 もう一つのメジャーとなった狙撃兵物の方は、『U517』と同じく際物だと思っています。 ついでに言うと『プライベート・ライアン』もかなりいい加減な映画ですね。 この『スターリングラード』では、主人公たちがラストで、祖国ドイツへ向けての無謀な徒歩による帰還をはじめますが、 やがて果てることの無い雪原の中でロシアの冬将軍に阻まれ、生きたまま凍死し、 その上に雪が降り注ぐラスト・シーンには涙が出てしまいました。 苦闘が最後は水の泡と消えてしまうドイツ戦争映画に登場するドイツ兵にこそ、 瑞々しさと、本当の意味でヒロイックで、死すべき存在(戦士)としての男のエロティシズムがあります。 ドイツ空軍のアイドル的ヒーローとなった本物のマルセイユ大尉のドキュメント映画。 ヨアヒム・ハンセンがマルセイユを好演した「撃墜王アフリカの星」。マルセイユの恋人役はマリアンネ・コッホ。 友人役のハンスイェルク・フェルミは、ドイツ海軍の若者を描いた「鮫と小魚」では主役のタイヒマン役を。 繊細で神経質そうな戦友役のホルスト・フランクは「鮫と小魚」でも。 1960年代に「最後の戦線」という邦題で公開。聞けば、寒く、冷たく、救いも無く・・・。 主演は、「アフリカの星」のヨアヒム・ハンセンで、上官役がヴォルフガング・プライスです。 1993年制作の「スターリングラード」。重く、絶望的で、最後も悲惨です。ラストはドイツ戦争映画の真骨頂。 潜水艦映画の最高傑作。ドイツ潜水艦(Uボート)の息詰まる戦いと・・・。 艦長役のユルゲン・プロホノフは、ルーマニア奥地の村を舞台にしたホラー映画『ザ・キープ』では、 村を占領したドイツ陸軍の部隊長役で、後続してきたナチス親衛隊と対立します。 囚人たちに危険な使命を果たさせる映画の元祖?「犯罪部隊999」。写真の右側の下士官役は ヴェルナー・ペータース(「バルジ大作戦」のドイツ軍コーラー将軍役の俳優)では? 囚人部隊ものではハンネス・メッセマー(「大脱走」のフォン・ルーゲル大佐役)主演の「野獣兵団」という映画も。 ドイツ兵の戦争直前の兵営生活を乾いたユーモアと皮肉で描いています。 シュルツ准尉ら意地悪な下士官に抵抗する主役のアッシュ上等兵の役はヨアヒム・フックスベルガー。 一人わが道を行くような直線歩行しか出来ないリンデンベルク伍長も変な人物。 上記の兵隊たちが東部戦線の最前線で、弾も燃料の補給もなく、ひたすら苦闘します。 腰痛のような仮病で除隊し、物資調達の半闇商人に転身した元曹長のプラツェック役は ハンス・クリスチャン・ブレヒ(「史上最大の作戦」のプルースカット少佐役)。 ドイツに帰還した上記の兵隊たちを通して敗戦時のドイツ兵の混乱と生命力が描かれています。 主人公のアッシュは第2部の下士官を経て少尉に昇進しています。 しかし戦友のコワルスキー(ペーター・カルシュテン)は、なぜか、ずっと兵長のまま。
私が見たドイツ制作の戦争映画は、北アフリカで活躍し23歳で戦死したハンス・ヨアヒム・
マルセイユ大尉を描いた『撃墜王アフリカの星』、敗戦直前に郷里の近くの小さな橋で悲劇的
な戦闘をするドイツ少年兵たちを描いた『橋』、潜水艦映画の中でも最高傑作と言われる『Uボート』、
そしてスターリングラードで全滅するドイツ軍の兵士たちを描いた、この『スターリングラード』です。
いずれもラストは悲劇的です。『アフリカの星』ではマルセイユの乗った戦闘機が
アフリカの砂漠に墜落した後、ラストで、マルセイユの恋人で戦時の臨時教員をしている女性が
教えている教室を校務の人が訪れ、何かを告げ知らせるシーンがあります。
彼女の表情が変わり、茫然自失とした彼女は教壇の方へ戻りますが、
生徒達が可愛い声で歌っている前で、教壇の机に泣き崩れてしまいます。
私は、今でもこのラスト・シーンを見る度に涙が出てしまいます。
ドイツの戦争映画のラストは、悲劇的であり、悲しいです。そこにはアメリカ映画にあるような
苦闘の末に勝ち取った勝利感はありません。それに似た作りをしている『Uボート』でさえ、
深海から奇跡的に浮上し、無事に帰還したと思ったら、連合軍の爆撃がUボートの基地を襲い、
艦長と多くの乗組員は死に、Uボートは沈み、すべては失われてしまいます。
この『スターリングラード』も、スターリングラードで凄惨な戦いを繰り広げるドイツ兵を描き、
ものすごく重く、悲壮で、そして悲劇的な映画です。同じ邦題でソ連の狙撃兵を主人公にした
映画があり、そちらの方がメジャーの配給で有名になりましたが、私は、本物の
そして正統派『スターリングラード』は、このドイツ映画の方であり、
もう一つのメジャーとなった狙撃兵物の方は、『U517』と同じく際物だと思っています。
ついでに言うと『プライベート・ライアン』もかなりいい加減な映画ですね。
この『スターリングラード』では、主人公たちがラストで、祖国ドイツへ向けての無謀な徒歩による帰還をはじめますが、
やがて果てることの無い雪原の中でロシアの冬将軍に阻まれ、生きたまま凍死し、
その上に雪が降り注ぐラスト・シーンには涙が出てしまいました。
苦闘が最後は水の泡と消えてしまうドイツ戦争映画に登場するドイツ兵にこそ、
瑞々しさと、本当の意味でヒロイックで、死すべき存在(戦士)としての男のエロティシズムがあります。
ヨアヒム・ハンセンがマルセイユを好演した「撃墜王アフリカの星」。マルセイユの恋人役はマリアンネ・コッホ。 友人役のハンスイェルク・フェルミは、ドイツ海軍の若者を描いた「鮫と小魚」では主役のタイヒマン役を。 繊細で神経質そうな戦友役のホルスト・フランクは「鮫と小魚」でも。 1960年代に「最後の戦線」という邦題で公開。聞けば、寒く、冷たく、救いも無く・・・。 主演は、「アフリカの星」のヨアヒム・ハンセンで、上官役がヴォルフガング・プライスです。 1993年制作の「スターリングラード」。重く、絶望的で、最後も悲惨です。ラストはドイツ戦争映画の真骨頂。
潜水艦映画の最高傑作。ドイツ潜水艦(Uボート)の息詰まる戦いと・・・。 艦長役のユルゲン・プロホノフは、ルーマニア奥地の村を舞台にしたホラー映画『ザ・キープ』では、 村を占領したドイツ陸軍の部隊長役で、後続してきたナチス親衛隊と対立します。
囚人たちに危険な使命を果たさせる映画の元祖?「犯罪部隊999」。写真の右側の下士官役は ヴェルナー・ペータース(「バルジ大作戦」のドイツ軍コーラー将軍役の俳優)では? 囚人部隊ものではハンネス・メッセマー(「大脱走」のフォン・ルーゲル大佐役)主演の「野獣兵団」という映画も。
ドイツ兵の戦争直前の兵営生活を乾いたユーモアと皮肉で描いています。 シュルツ准尉ら意地悪な下士官に抵抗する主役のアッシュ上等兵の役はヨアヒム・フックスベルガー。 一人わが道を行くような直線歩行しか出来ないリンデンベルク伍長も変な人物。
上記の兵隊たちが東部戦線の最前線で、弾も燃料の補給もなく、ひたすら苦闘します。 腰痛のような仮病で除隊し、物資調達の半闇商人に転身した元曹長のプラツェック役は ハンス・クリスチャン・ブレヒ(「史上最大の作戦」のプルースカット少佐役)。
ドイツに帰還した上記の兵隊たちを通して敗戦時のドイツ兵の混乱と生命力が描かれています。 主人公のアッシュは第2部の下士官を経て少尉に昇進しています。 しかし戦友のコワルスキー(ペーター・カルシュテン)は、なぜか、ずっと兵長のまま。
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