山岳用具論

 このページは、山の道具について、私、出雲渓介が解説するページです。月1回のペースで追加して行きたいと考えております。ご意見、取り上げてほしいテーマ等ございましたら、お気軽に下記メールアドレスまでメールをください。

kailas@mbd.sphere.ne.jp

第2回 『ザック』 Feb.7th,2001

第1回 『ヘッドランプ』

第2回 『ザック』

 ザックは荷を入れて運ぶだけのもの、少し大きめで安いものがいい・・・という基準でザックを購入し、山頂に着いた時は疲労でガタガタ、二度と山になぞ登るかと思った方もいらっしゃると思います。ここまでの経験はなくとも、使い慣れたザックを変えてみて疲労が増した、または逆に同じ重さなのに楽に感じたといった経験は多くの方が経験されたことがあると思います。
 たかがザック、されどザック、今回はザックについての考察を行ってみたいと思います。
 ザックを購入する場合、以下の点について考慮し、実際に登山用具店で背負ってみて、店員さんのアドバイスを受けて下さい。
 ・大きさ:大きく5つに分類できます。
  日帰り         :15〜35リットル
  小屋泊り1泊      :30〜50リットル
  テント1泊、小屋2〜3泊:45〜70リットル
  長期          :70リットル〜
  アタック用携帯ザック  :15〜30リットル
 上記の大きさは一つの目安です。季節、経験、荷物によって必要な容量は変化します。また、同じ容量でもメーカーにより実際の容量は大分ばらつきがあります。もしあなたがはじめてザックを購入しようとしており、明確な目的が定まっていないならば、35〜45リットルの容量をお薦めします。このクラスのザックは比較的オールマイティーに使え、なおかつ安価です。
 ・バックレングス:ザックの背面の長さのこと。極端にサイズが合わない場合、疲労の原因となりますので、実際に背負って判断して下さい。(バックレングスは各メーカーによって計測の仕方が異なります。カタログだけでは判断が難しいと思います。)
 ・バックシステム:大容量(60リットル以上)のザックになるとバックシステムと呼ばれる、体にフィットする工夫がなされているものが大半をしめます。これらのシステムはメーカーにより異なり、インナーフレームを採用するもの、固めのメッシュを採用するものなど千差万別です。これも実際背負ってみて自分にフィットするものを選択してください。また、モンベルのバックシステムはウィッシュボーンシステムと呼ばれるシステムを採用しており、インナーフレームを各個人の背中にフィットするように容易に調節が可能となっています。
 ・パッド:容量が少ないザックに関しては、それほど気になりませんが、45リットルをこえるあたりから、パッドの形状により疲労感が大きく異なります。山に体がなれていない人の場合、なるべくパッドがしっかりしたザックを選ぶことをお薦めします。参考までに、ミレーというメーカーのパッドは比較的しっかり作られており、背負いやすいと定評があります。
 ・厚み:背中から垂直方向の長さを厚みといいます。この厚みが薄いほどザックは体に密着し、体への負担が減少します。また、ザックの厚みがあると、岩や木にザックを引っかけバランスを崩す事もありますので厚みの薄いものを選ぶと良いでしょう。(最近は極端な安売り以外、厚みの厚いザックはほとんど見かけません)
 ・ポケット:ザックの外側に小さなポケットがあると、地図や水筒、行動食などが収納でき、非常に便利です。しかし、このポケットが極端に大きなもの、たくさんついているものについては、ザックを岩や木に引っかけることがありますので、登山目的の場合はなるべく外側にポケットがないものが望ましいと思われます。
 以上の点について考慮し、登山用具店でアドバイスを受けるようにしてください。また、登山用具店によって取り扱いメーカーが異なる場合がありますので、いくつかのお店を訪ね、自分にフィットするザックを選んで下さい。
 私の個人的な意見は、山慣れしていない方は、ミレーなどのパッドがしっかりした背負いやすいメーカーを、また、よりフィット感を求める方はモンベルのウィッシュボーンシステム採用モデルをお薦めします。また、丈夫で各面のバランスが良いメーカーとして、ダックスがあります。価格も安く、丈夫で背負いやすい、学生さんに人気のメーカーです。

 実際の使用に際して。

 ・荷物の詰め方:基本は軽いもの、あまり使わないものはザックの底の方に、重いもの、頻繁に使うものはザックの上の方にパッキングします。また、左右のバランスも大切で、片側ばかりに重いものが集中しないようにご注意ください。
 ・ザックカバー:雨にそなえてザックカバーを用意。これで雨に万全?衣類や寝袋、電気製品など雨に濡らしたくないものは、ハイパロンやゴアテックスの袋に収納することにより、雨による濡れから守ることができます。私は山を始めたばかりの時、ザックカバーだけしか防水対策をしていなかったため、寝袋も着替えもびしょ濡れになった経験があります。また、衣類や寝袋、食器などをそれぞれ目的別に色分けされた袋に収納することにより、ザックへのパッキングが楽になり、忘れ物なども減るでしょう。

 ザックの改良。

 ・チェストストラップ:大容量のザックの場合、チェストストラップ(両方のショルダーパッドを胸の前で結びつけるストラップ)があるとないとでは、ザックのバランスがまったく異なります。ザックにチェストストラップがついておらず、バランスが悪いと感じたら、チェストストラップを付けてみてください。通販のREI等で手に入ると思います。http://www.rei.co.jp
 ・ひも:ザックの口を閉めるためのひもを直径2mm位のザイル(登山用具店で計り売りしてもらえます)に交換してください。少々長めにしておくのがコツで、靴ひもの換え、スリング等に転用できます。いざというとき、きっと役にたちます。このザイルはなるべく明るい色が望ましいでしょう。(いざという時、すぐ目に付きます)
 ・ジッパー等にひもを付ける:最近のザックの大半はジッパーをつかみやすくするため、3〜5センチ位のひもがついていますが、不幸にしてついていなかったら自分で付けてみましょう。冬、手袋をしている場合など、そのありがたさがわかると思います。

 今回は予告より大分遅れた更新となり、失礼いたしました。来月は食器について考察したいと思います。
 see you next month !

第1回 『ヘッドランプ』

 登山を始めた頃、頂上でのんびりしすぎて、下山途中で暗くなってしまった・・・ということを誰しも1度は経験するものと思います。このような場合にそなえて、日帰り山行でもヘッドランプは必ず携帯したいところです。

 下山途中で暗くなった場合、石につまずいた等の直接的な事故もさることながら、足下が見えなくなる、下山に時間がかかる、事故を起こしたらどうしようといった不安から焦りが出て、結果的に事故につながることも多いようです。このようなとき、ヘッドランプ1つあるだけで、安心感が生まれ、落ち着いて下山ができるようになります。せっかくの楽しい登山、家に帰るまで楽しい気持ちでいたいものです。

 さて、山岳用具論などと、大層なタイトルを付けた以上、用具説明があってしかるべき。今回は、テキストのみの説明ですが、次回以降、なるべく現物の写真も付けていきたいと思います。

 ヘッドランプについての考察(以下の事柄を考え、登山用品店でアドバイスを受けてください)

 ・光量:歩くときに使うのか(登山はほとんどこちら)、キャンプで使うのか。最近、マグライト用の小さな球を使用したヘッドランプもあるようですが、歩きに使うことを考慮すると、ハロゲン系またはLED系のヘッドランプが好ましいと思われます。

 ・重量:軽ければ軽いほど良いと言えますが、軽量化をはかりすぎて、光量、点灯時間が少なめに設定してあるものもあります。

 ・点灯時間:オーバーナイト山行でもしないかぎり、あまり気にする必要はないかも?

 以上の点から、私の個人的な選択は、PETZL社のマイクロにハロゲン球をつけたものか、同じくPETZL社のティカという製品がお薦めです。3000円〜4500円位で普通の登山店であればまず置いてあります。私はこの2つをいつもザックの中に入れてあります。(1つは予備)

 次回は1月中旬、ザックの予定です。see you next month!


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