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甲斐庄楠音研究7

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From: "hakushou" <copper@par.allnet.ne.jp>
Subject: [gs-club:0152]横櫛一校目
Date: Thu, 7 Oct 1999 01:12:21 +0900

白翔です。
フォトショップで横櫛一校目を描いてみました。一校目はやっぱり良い。

http://user2.allnet.ne.jp/hakushou/yokogushi.html(←入手不可 編者)

ほう?名家の坊ちゃんかあ。彦子の写真ありや。モデルは明らかに比呂史の妹トク。見比べたい。

大正9 1920 26歳
  11月、第3回国画創作協会展(東京展2−15日、京都展27日−2月11日)が
  開催される。友人岡本神草は《拳を打てる三人の舞妓の習作》、丸岡比呂
  史は《母と子》、榊原始更は《路》が入選するが、楠音は不出品あるいは
  落選したと思われる。
  この頃、丸岡トク、中京区土手町丸太町下ルの新実八郎兵衛に見初められ
  て新実の妻となる。

ほう?この年恋人の榊原始更と丸岡トクを同時に失うか? 親友の丸岡比呂史も又。精神錯乱したな甲斐の庄。どうだか?  

 

From: "Eiji Yamane" <eiji_yamane@hotmail.com>
Subject: [gs-club:0153]甲斐庄の「やせた女」
Date: Thu, 7 Oct 1999 03:04:36 +0900

こんばんは。ヤマネです。 mailto:eiji_yamane@hotmail.com

『甲斐庄楠音展』図録を紹介します。まず、「やせた女」の筋です。

「太夫と禿」大正元年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-t0101.JPG

「娘」大正4年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-t0401.JPG

「秋心」大正5年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-t0501.JPG

「歌妓」大正15年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-t1501.JPG

「花の乙女」昭和4年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-s0401.JPG

「籐椅子に凭れる女」昭和6年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-s0601.JPG

「うちわ」昭和9年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-s0901.JPG

「如月太夫」昭和10年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-s1001.JPG

「虹のかけ橋」大正4年〜昭和51年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/s-s5101.JPG

 

From: "Masao Kohmura" <komura@cg.tuad.ac.jp>
Subject: [gs-club:0154]グレートマザー説
Date: Thu, 7 Oct 1999 10:44:12 +0900

>白翔です。
>フォトショップで横櫛一校目を描いてみました。
>一校目はやっぱり良い。
>
>http://user2.allnet.ne.jp/hakushou/yokogushi.html

見させてもらいました。さすが手早いですね。私の命名法によると「横櫛2.3‐HA1」になります。テキストを読み返しているうちに横櫛2については3度甲斐庄の手が入った可能性があるからです。その「横櫛2.3」にhakushouのVersion1という意味です。これはこれで面白いですので是非保存しておいてください。

>ほう?名家の坊ちゃんかあ。
>彦子の写真ありや。

横櫛ポーズのモデルの写真は掲載されてますがそれが彦子かどうかは断定できません。

>モデルは明らかに比呂史の妹トク。見比べたい。

甲斐庄自身の手記によって横櫛=彦子説はある。トク(徳子?)はこれからUPされる「太めの女」シリーズの「女の顔」「青衣の女」に何故かデフォルメされる。ここはユングのグレートマザー説で説明できる様に思います。この甲斐庄の造形アルゴリズムの解明は大変興味あり甲斐庄論の一つの核心を形成するでしょう。

>ほう?この年恋人の榊原始更と丸岡トクを同時に失うか?
>親友の丸岡比呂史も又。精神錯乱したな甲斐の庄。どうだか?

榊原始更との同棲はトクとの失恋後なのか失恋の理由なのかはまだわからない。トクとの悲恋後彼の同性愛傾向は拍車がかかることは確か。女の美=魔女性=凄み=きたなさ=女の毒を、女になった男の目で描く。現代でいうと美輪明宏の視点で女を語ることなのか?
彼の男性像は道行きの片割れとしての男、晩年の浄瑠璃の人形使いのシリーズにあり、これはこれで面白いのですが。円熟した凄みを含んでいると思います。大正4年「毛抜」。昭和6年頃とされる「ふたり」の耽美的な男性像があり、これは何故か現在の若い女性たちが描く「やおい」に近い。

とりあえず、

マム・山形

 

From: "Eiji Yamane" <eiji_yamane@hotmail.com>
Subject: [gs-club:0155] 甲斐庄の「肥えた女」
Date: Thu, 7 Oct 1999 13:08:10 +0900

こんにちは。ヤマネです。 mailto:eiji_yamane@hotmail.com

『甲斐庄楠音展』の図録紹介の、その二です。
今回は「肥えた女」の筋です。

ここにアップした「肥え女」は、前回アップの「やせ女」のシリーズより多いですが、
図録の全体で見ると「やせ女」の方がずっと多いです。

「女の顔」大正8年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0801.JPG

「青衣の女」大正8年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0802.JPG

「婦人像」大正8年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0803.JPG

「手鞠する女」大正8年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0805.JPG

「白百合と女」大正9年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0901.JPG

「椅子に倚る女」大正9年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0902.JPG

「女の写生・隠姿半身」大正9年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0903.JPG

「裸婦」大正14年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t1400.JPG

「裸婦」大正14年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t140001.JPG

「金針を持つ女」大正14年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t1401.JPG

「手鏡を持つ女」大正14年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t1402.JPG

「女と風船〈蝶々〉」大正15年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t1501.JPG

「娘子」昭和2年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-s0201.JPG

「母」昭和2年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-s0202.JPG

「花札と女」昭和2年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-s0203.JPG

「畜生塚習作」大正8年
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0804.JPG

「畜生塚」大正4年頃
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/8284/kainoshou/f-t0401.JPG

 

From: "hakushou" <copper@par.allnet.ne.jp>
Subject: [gs-club:0156]マムさん混乱?白翔混乱?
Date: Thu, 7 Oct 1999 16:23:46 +0900

白翔です。
一つ私にとって前提になるものをお話するのを忘れていた。「切られのお富」をはめ込んだ横櫛の絵がある。明らかに分裂していると申し上げた。画面が分裂しているんです。描いた本人の心も分裂しているんです。ゴッホが描くタンギーじいさんの後ろの壁に数枚の浮世絵が飾ってある絵があるが、これはこれで実際の様子だろうということで統一はとれているんです。絵の中に絵を描くというのも作家にとってはたとえ実際に背景に掛かっていたとしても、やりたくはない描き方だよねえ。とても自然とはいかない。何故なら、その絵が意味をもってしまうから。暗喩としての意味を持たせるなら話は別。それにしてもそれはさりげなくはめ込む。「切られのお富」横櫛のように絵を全く壊すように、呪うようには入れないものだ。絶対と言って良いほど作家はしない。錯乱しなければしないものだ。花なら牡丹。あからさまに最高の女と褒め称えたのは何の為だ。私の愛しい人をモデルに描いたからだ。絵の出来も良い。岡本神草の「口紅」と賞を争うほど。一番の傑作だと自認する。そんな絵を切り刻んで捨てるには忍びなかった。嫌、捨てるなんてもってのほか。呪い殺してやる。あの牡丹の花の女を。呪い殺してやる。お前の人生は切られのお富だ。なぶり殺しに会えばいい。ずたずたにされるがいい。

マムさんはこの絵の変遷に関してまた別の解釈をお持ちのようで? この絵のモデルはトクではないと?私には写真の中のトクとしか見えないのですが。それに以後、トクの面影が画面に出てくるとは思えないんですが?やはり未練なのか出てきましょうか? ウ〜ン? お聞かせあれ。

それにマムさんの横櫛2.1とか横櫛2.3とかの説明がもう一歩分かりにくい。混乱がある。
>昭和38年の国画創作協会回顧展の際大幅な加筆が加えられた
>「横櫛2.2」。それが今広島県立美術館にコレクションされている。

これが最終ですね。これはそもそもどんな絵? 私共はまだ見てないですよね? 横櫛1はあるので? それはどんな絵でしょうか? 岡本神草の「口紅」と賞を争った最初の絵というのは横櫛何で?

私には3つしか見えてない。
1、岡本神草の「口紅」と賞を争った最初の絵。
2、切られのお富を入れこんだ横櫛。
3、それを消して「こくがそうさくかいだい一かいしゅっぴんさくよこぐし」と直した横櫛。

この3つしか見えてないのですが???

大正7 1918 24歳
  11月、村上華岳の勧めにより、第1回国画創作協会展(東京展1−15日、京
  都展11月27日−12月11日)に《横櫛》を出品し、入選する。岡本神草の
  《口紅》とともに樗牛賞候補に挙げられる。《横櫛》を推した村上華岳と
   《口紅》を推した土田麦僊とが互いに譲らず、竹内栖鳳の仲裁で金田和
  郎の《水蜜桃》が受賞するが、《横櫛》と《口紅》はともにこの回の評判
  となる。

マムさんはこれを「横櫛2.0」?切られのお富は描かれてあった?
分裂した絵が賞を争うことはありえないのですが・・・?

大正5 1916 22歳
  3月8日、長兄楠香、斎藤たみ養女フミと再婚する。
  この頃、前年南座(あるいは本郷座)で観た「処女翫浮名横櫛」の印象を
  もとに、彦子をモデルとして一過間程で《横櫛》を描き上げる。《横櫛》

ん?前年彦子は死亡。それに一週間ではなんぼなんでも無理でしょう。仮に全てのデッサンが完成していて後は塗るだけとしても無理。この説明だとモデルのデッサンからはじめて下絵を描いてやっと本画ですから。この当時、直接モデルを見ながら本画を描くような日本画のアバンギャルドはいない。

大正4 1915 21歳
  4月、卒業が引き延ばされたため、一級下の紅葉谷楠一、菊岡一太郎(天
  蜀)、丸岡比呂史らと一緒になり、特に比呂史と親しく交友する。

  この頃、東京の長兄楠香を訪ね、兄嫁らと本郷座で四代目沢村源之助が切
  られお富を演じる河竹黙阿弥作「処女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなの
  よこぐし)」を観て帰宅後、兄嫁彦子とそのポーズをまねたりしながら、
  作品の構想を練るか(?)。

  8月26日、長兄楠香の妻彦子東京において歿する。

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