![]() k貝層の南から貝層集中分布地域を望む 正面奥の山林中に縄文時代に形成されたa・b貝塚がある ![]() 荒屋敷北貝塚の貝層分布状況 |
| 異 称 | 東辺田遺跡,谷津堀遺跡 |
| 所 在 | 千葉県千葉市若葉区貝塚町 |
| 立 地 | 台地上〜台地斜面 標高:約30〜11m |
| 時 代 | 岩宿時代 縄文時代草創期後半(稲荷台),早期(田戸,茅山),前期(諸磯),中期(加曽利E4),後期(称名寺,堀之内) 弥生時代後期,古墳時代,奈良・平安,中世,近世 |
| 形 態 | 点在貝塚 |
| 規 模 | 台地北縁辺部の貝層:幅3m×長さ30m 台地北部と南部に小貝層が点在 |
| 主な貝種 |
台地北縁辺部の貝層:イボキサゴ主体,ハマグリ,サルボウ,マガキを含む。 他の貝層:ハマグリ,シオフキ主体,イボキサゴ,ウミニナ,マガキ,サルボウ,アサリを含む。 |
| 貝類以外の動物遺体 | |
| 遺 物 |
フレイク 土器片錘,縄文式土器 弥生式土器,土師器,須恵器,陶器,カワラケ,土製碁石,泥メンコ |
| 遺 構 | 住居址 |
| 現 状 | 畑,山林,宅地,道路 |
| 史跡指定 | なし |
| 遺跡の特徴 |
台地の北縁辺に形成されたa,b貝層は,縄文時代後期の貝塚だが,台地平坦面に散布する他の貝層は,国道51号線バイパス脇で千葉市がおこなった事前調査で古墳時代の住居址内から貝層が発見されているように,貝種・貝層の分布・地表面に分布する遺物からみて,古墳時代に形成された貝層と考えられる。 異なる2時期の貝塚が重なった遺跡として注目される。 荒屋敷北貝塚は,千葉市周辺地域では珍しい称名寺式期の貝塚であるが,浅い谷(谷津堀貝塚)を挟んだ北対岸に所在する草刈場貝塚の北部に貝層を持たない同期の遺物包含層が展開している。両遺跡は,同一村落の跡と考えられる。 加曽利E3式期の貝塚は,荒屋敷北貝塚をとりまいて入ってくる谷の谷頭に形成された谷津堀貝塚や,南に接する荒屋敷貝塚,荒屋敷(西)貝塚,西光院貝塚など,貝塚台地の南半部に展開している。堀之内1式は,草刈場貝塚,尻籠貝塚(草刈場南貝塚),向ノ内東貝塚など貝塚台地の中央部と,台地先端部の台門貝塚で形成されているが,その間にあたる加曽利E4式〜称名寺式期は荒屋敷北貝塚のみと貝層形成力が著しく減退する。 千葉貝塚における貝塚形成の画期として注目される。 当地域の古墳時代の遺跡をみると,前期の干場遺跡・荒屋敷貝塚から中期初頭の台門貝塚、後期の荒屋敷北貝塚,そして奈良時代になると貝塚台地から離れ姥ヶ作遺跡・原町山王遺跡と動いていくが,荒屋敷北貝塚は遺物の散布量も多く,古墳時代後期の拠点的な集落と考えられる。 また,古墳時代の貝食を知る上でも良好な遺跡である。 |
| 備 考 |
台地北西部の荒れ地は遺跡分布調査を開始した1970年から篠竹・ススキが生い茂り,貝層分布の確認調査が行えない状態が続いている。その一部にあたる国道51号線バイパス脇で貝層が確認されていることから,未調査地区に貝層が存在する可能性が高い。 貝塚がのる北に張り出した舌状台地の基部に古墳があるほか,腰曲輪の段切りが認められる。荒屋敷北貝塚は,台門から新堀込にいたる貝塚城址の東部分の郭に相当するとみられる。 荒屋敷北貝塚は,国道51号線バイパスが台地の西部を切っている他は保存状態の良い遺跡である。千葉貝塚(貝塚町貝塚群)は遺跡理解の欠如と,わずかな間隔で国道バイパスを並行して走るなど「千葉には計画の思考がない」(旧建設省幹部)という問題点を如実に示す乱開発によって危機にさらされているが,遺跡の重要性に鑑み厳重なる監視が求められる。 |
| 主要参考文献 |
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