退職給付会計 新会計基準のポイント現在作成中
目次
・連結会計の充実(支配力基準の採用、会計処理の統一、資本連結手続の明確化、他)
(2000年3月期より)
・キャッシュフロー計算書(2000年3月期より)
・税効果会計(2000年3月期より)(早期適用可)
・研究開発費(2000年3月期より)
・金融商品(2001年3月期より)
・退職給付会計(2001年3月期より)
企業会計審議会 退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書(平成10年6月)
退職給付に係る会計基準・同注解( 〃 )
日本公認会計士協会 退職給付会計に関する実務指針(中間報告)
(平成11年9月14日)
| 確 定 給 付 型 | 確定拠出型 | |
外部拠出なし |
代表的な処理としては 退職給与引当金= 期末要支給額×40%(または100%) (年金の負担する部分を除く) |
|
外部拠出 (企業年金) |
<適格退職年金> <厚生年金基金(加算部分、代行部分)> 年金への拠出額(従業員負担分を除く)を費用とする |
<日本版401K> 実績なし |
・現行基準の不備
・国際的動向
米国
FASB財務会計基準書87号「事業主の年金会計」(1985年12月)
国際会計基準
国際会計基準(IAS)第19号(再改訂)「従業員給付」(1998年2月)・年金資産の運用利回りの低下、資産の含み損等により、将来の年金給付に必要な資産の確保に懸念が生じている。
↓
適正な会計処理、ディスクロージャーが必要
(1) 退職給付に関する債務及び資産のオン・バランス化(表示上は相殺)
(2) 企業から直接給付される退職金と企業年金制度から給付される退職給付を合わせた包括的基準
(3) 数種類の年金財政方式のうち発生主義の考え方に合致する方式を採用した。
(発生給付評価方式の一方式である予測単位積増方式)(4) 数理計算上の差異及び過去勤務債務は遅延認識する(発生年度一括処理も可)。
会計基準変更時差異も繰延(15年以内)(適用初年度一括処理も可)(5) 退職給付制度や計算基礎に関する詳細な注記
退職給付引当金
=退職給付債務−年金資産 ⇒退職給付制度の積立状況を表す項目
±未認識過去勤務債務±未認識数理計算上の差異 ⇒遅延認識による項目
±未認識会計基準変更時差異┌─────────┬─────────┐
│ │ │
│ 年金資産 │ │
│ │ │
── ├─────────┤ │
↑ │ 未認識過去勤務 │ │
│ 債務 * │ 退職給付債務 │
退職給付債務と ├─────────┤ │
年金資産の │ 未認識数理計算上│ │
差額 │ の差異 * │ │
├─────────┤ │
│ 未認識会計基準 │ │
│ 変更時差異 * │ │
└─────────┤ │
↑ │ │
│ │
退職給付引当金 │ │
│ │
↓ ↓ │ │
── ── └─────────┘
※ 単純化のためすべて借方残とした。
退職給付費用
=勤務費用+利息費用−期待運用収益
±過去勤務債務償却額±数理計算上の差異の償却額 ⇒遅延認識による項目
±会計基準変更時差異償却額
ストック項目とフロー項目の関係をまとめると以下のとおり
(ただし単純化のため過去勤務債務、数理計算上の差異、会計基準変更時差異は差損側に生じているものとする)
A:退職給付債務の増減
=勤務費用+利息費用−給付支払額
+当期発生過去勤務債務+当期発生数理計算上の差異 (退職給付債務に係るもの)
B:年金資産の増減
=拠出額−給付支払額+実際運用収益
=拠出額−給付支払額+期待運用収益−当期発生数理計算上の差異
(年金資産に係るもの)
C:未認識過去勤務債務の増減
=当期発生過去勤務債務−過去勤務債務償却額
D:未認識数理計算上の差異の増減
=当期発生数理計算上の差異−数理計算上の差異の償却額
E:未認識会計基準変更時差異の増減
=−会計基準変更時差異償却額
退職給付引当金の増減は「A−B−C−D−E」なので
退職給付引当金の増減
=勤務費用+利子費用−期待運用収益
+過去勤務債務償却額+数理計算上の差異償却額
+会計基準変更時差異償却額
−拠出額
=退職給付費用−拠出額
↓ ↓
引当金繰入額 引当金取崩額
(1) 退職給付債務
退職給付のうち認識時点までに発生していると認められるものをいい、割引計算により測定される。
退職給付:
一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職以後に従業員に支給される給付
(2) 退職給付債務の計算手順
@ 退職給付見込額(退職時に見込まれる退職給付の総額)の計算
(予想退職時期ごとに)
一時金見込額 ← 退職率・死亡率を加味
退職時点の年金現価の見込額退職時までに合理的に見込まれる退職給付の変動要因(確実に見込まれる昇給等)は考慮して見積もる。
A 退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額の計算
原則:期間基準
一定の条件を満たしている場合に例外的に認められる基準
給与基準、支給倍率基準、ポイント基準
B 退職給付債務の計算
予想退職時期ごとのAの金額を現在価値に割り引いた金額の合計
<X0期末時点> (予想退職時期)
X1 X2 X3 ・・・・ XN
@ 退職給付見込額 1,000 970 1,200 ・・・・ 100
A @のうちX0末までに 940 900 850 ・・・・ 10
発生していると認められる額
B AのX0末における現在価値 XXX XXX XXX ・・・・ XXX⇒この合計が
X0末の
退職給付債務
(3) 退職給付債務の計算におけるグルーピング
・原則:個々の従業員ごとに計算
・合理的方法(グルーピング)
年齢、勤続年数、残存勤務期間、職系(人事コース)等による
年数によるグループ分け・・・・おおむね1年を基準とする グループの標準的な数値を使用
(4) 勤務費用
勤務費用:
一期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付をいい、割引計算により測定される。(退職給付債務の計算に準ずる)。従業員からの拠出額は差し引く。
<X1期首> (予想退職時期)
X1 X2 X3 ・・・・ XN
@ 退職給付見込額 1,000 970 1,200 ・・・・ 100
A @のうちX1期に 50 48 60 ・・・・ 5
発生していると認められる額
B AのX1期首における現在価値 XXX XXX XXX ・・・・ XXX⇒この合計が
X1期の勤務
費用
期首時点で当期の勤務費用を計算する手法(プロジェクション方式)が一般的
期末時点で当期の勤務費用を計算する手法を用いることもできる。
(5) 利息費用
利息費用:
割引計算により算定された期首時点における退職給付債務について、期末までの時の経過により発生する計算上の利息をいう。
(1) 年金資産の意義
年金資産:
企業年金制度に基づき退職給付に充てるために積み立てられている資産
・厚生年金基金制度及び適格退職年金制度において保有する資産は年金資産
・特定の退職給付制度のために、その制度について企業と従業員との契約(退職金規程等)に基づき、以下のすべての要件を満たした特定の資産@ 退職給付以外に使用できないこと
A 事業主及び事業主の債権者から法的に分離されていること
B 積立超過分を除き、事業主への返還、事業主からの解約・目的外の払出し等、事業主の受給者等に対する詐害的行為が禁止されていること
C 資産を事業主の他の資産と交換できないこと
(2) 年金資産の評価
期末における公正な評価額により計算
公正な評価額:
資産取引に関し十分な知識と情報を有する売り手と買い手が自発的に相対取引する時の価格によって資産を評価した額
(3) 期待運用収益
期待運用収益=期首の年金資産×期待運用収益率
退職給付費用から控除されるのは「期待運用収益」であり「実際運用収益」ではない。
(1) 過去勤務債務
・退職給付水準の改訂等に起因して発生した退職給付債務の増加又は減少部分
・退職金規程等改訂前退職給付債務と改定後退職給付債務の差額このうち費用処理されていないものが「未認識過去勤務債務」
(2) 数理計算上の差異
・ 年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異
・ 退職給付債務の数理計算に用いた見積数値(基礎率)と実績との差異
・ 見積数値(基礎率)の変更等により発生した差異このうち費用処理されていないものが「未認識数理計算上の差異」
・ 発生年度費用処理
・ 定額法:平均残存勤務期間内の一定の年数で按分する方法
・ 定率法:差異残高の一定割合を費用処理する方法
(平均残存勤務期間内で差異のおおむね90%が費用処理するよう決定する)。数理計算上の差異の発生額については、当期の発生額を翌期から費用処理する方法を用いることができる。
(数値例) 適用初年度期首
退職給付債務 (10,000)
年金資産 3,000
積立状況 ( 7,000)
会計基準変更時差異 1,500
未認識過去勤務債務 0 適用初年度期首では必ず0
未認識数理計算上の差異 0 〃
退職給付引当金 ( 5,500)
適用初年度期首の状況
┌─────────┬─────────┐
│ │ │
│ 年金資産 │ │
│ 3,000│ │
│ │ │
── ├─────────┤ │
↑ │ 未認識会計基準 │ │
│ 変更時 │ 退職給付債務 │
退職給付債務と │ 差異 │ │
年金資産の │ 1,500│ 10,000 │
差額 └─────────┤ │
↑ │ │
7,000 │ │
退職給付引当金 │ │
(前期末退職給与引当金)│ │
│ │
5,500│ │
↓ ↓ │ │
── ── └─────────┘
15年以内の一定の年数にわたり定額法により費用処理
(適用初年度に一括処理する方法を含む)
* 初年度一括処理の場合には特別損失に計上できる。
10.簡単な計算例(別紙「計算表」参照)
・従業員非拠出の適格退職年金制度
・数理計算上の差異の費用処理については当期の発生額を翌期から費用処理。期間10年の定率法(0.206)
・過去勤務債務については発生年度別に発生年度における平均残存勤務期間にわたり定額法で費用処理する方法
・会計基準変更時差異は10年間で費用処理
(1) 第1年度(適用初年度)期首 計算表
第1年度期首(退職給付会計基準適用初年度期首)における数理計算による退職給付債務は10,000、年金資産の公正な評価額は7,000。前払掛金(未払掛金)の残高はなし。
会計基準変更時差異は、直前期末の前払掛金(未払掛金)残高0から、退職給付債務10,000と年金資産の公正な評価額7,000との差額マイナス3,000を控除した3,000である。
(仕訳) なし
(2) 第1年度(適用初年度)計算表
第1年度期首における数理計算の結果、第1年度の勤務費用、利息費用及び期待運用収益相当額はそれぞれ700、500、350と計算された。また、当期における年金資産からの年金給付支払額及び掛金拠出額は200と800であった。
期末における数理計算による退職給付債務は11,000と計算され、年金資産の公正な評価額は8,100であった。当年度における年金資産の実際運用収益率が、期待運用収益率5.0%を上回ったため数理計算上の差異150が発生した。@ 利息費用500=退職給付債務期首残高10,000×割引率5.0%
A 期待運用収益相当額350=年金資産期首残高7,000×期待運用収益率5.0%
B 会計基準変更時差異の費用処理額300=3,000÷10年
C 数理計算上の差異の当期発生額150は、未認識数理計算上の差異として繰り延べられ、翌期より費用処理期間10年の定率法(0.206)により費用処理(退職給付費用から控除)される。
第1年度の退職給付費用1,150を計上
(仕訳) 退職給付費用 1,150 / 退職給付引当金 1,150
掛金支払額800を計上
(仕訳) 退職給付引当金 800 / 現金預金 800
期末における処理
(仕訳) なし
(3) 第2年度 計算表
第2年度期首における数理計算の結果、第2年度の勤務費用、利息費用及び期待運用収益相当額はそれぞれ670、550、405と計算された。また、当期における年金資産からの年金給付支払額及び掛金拠出額は220と805であった。
第2年度期末における数理計算に用いる割引率は、第2年度期首の退職給付債務の数理計算に用いた割引率に比し、重要な変動が生じたため5.0%から4.0%に変更された。第2年度期末において割引率4.0%で数理計算された退職給付債務は13,500と計算され、退職給付債務に係る数理計算上の差異が1,500発生した。また、当期における年金資産の実際運用収益率が、期待運用収益率5.0%を下回ったため、第2年度期末における年金資産の公正な評価額は9,000となり、年金資産に係る数理計算上の差異が90発生した。@ 利息費用550=退職給付債務期首残高11,000×割引率5.0%
A 期待運用収益相当額405=年金資産期首残高8,100×期待運用収益率5.0%
B 会計基準変更時差異の費用処理額300=3,000÷10年
C 未認識数理計算上の差異の費用処理額(退職給付費用控除額)31=未認識数理計算上の差異期首残高150×0.206
D 数理計算上の差異の当期発生額1,590は、未認識数理計算上の差異として繰り延べられ、翌期より費用処理期間10年の定率法(0.206)により費用処理される。
第2年度の退職給付費用1,084を計上
(仕訳) 退職給付費用 1,084 / 退職給付引当金 1,084
掛金支払額805を計上
(仕訳) 退職給付引当金 805 / 現金預金 805
期末における処理
(仕訳) なし
(4) 第3年度 計算表
第3年度期首における数理計算の結果、第3年度の勤務費用、利息費用及び期待運用収益相当額はそれぞれ、570、540、450と計算された。また、同期間における年金資産からの年金給付支払額及び掛金拠出額は230と810であった。
第3年度期中に平均4.8%の給付水準の引上げを行った。これに伴う退職給付債務の増加額、すなわち過去勤務債務の発生額は675であった。
第3年度期末における退職給付債務は15,055、X3年4月1日において退職給付債務の数理計算に用いた基礎率に重要な変動がなかったため、基礎率の見直しを行わず計算された。当期における年金資産の実際運用収益率が、期待運用収益率5.0%を下回って運用されたため、第3年度期末における年金資産の公正な評価額は9,900となり、年金資産に係る数理計算上の差異が130発生した。@ 利息費用 540=退職給付債務期首残高13,500×割引率4.0%
A 期待運用収益相当額 450=年金資産期首残高9,000×期待運用収益率5.0%
B 会計基準変更時差異の費用処理額 300=3,000÷10年
C 過去勤務債務の費用処理額 45=過去勤務債務の当期発生額675÷15年
D 未認識数理計算上の差異の費用処理額 303=未認識数理計算上の差異期首残高1,471×0.206
E 数理計算上の差異の当期発生額130は、未認識数理計算上の差異として繰り延べられ、翌期より費用処理期間10年の定率法(0.206)により費用処理される。
第3年度の退職給付費用1,263を計上
(仕訳) 退職給付費用 1,263 / 退職給付引当金 1,263
掛金支払額810を計上
(仕訳) 退職給付引当金 810 / 現金預金 810
過去勤務債務の費用処理
第3年度に発生した過去勤務債務675の当期費用処理額45を計上
(仕訳) 退職給付費用 45 / 退職給付引当金 45
期末における処理
(仕訳) なし(注)この計算例は実務指針の設例をもとに作成した。
(1) 割引率
・安全性の高い長期の債券の利回り
安全性の高い → 国債、政府機関債、
複数の格付機関よりダブルA格相当以上を得ている社債等
長期 → 退職給付の見込支払日までの平均期間(平均年金支給期間
も加味)
平均残存勤務期間・期末時点の利回りが原則
一定期間(おおむね5年以内)の利回りの変動を考慮して決定することができる
(2) 期待運用収益率
期首年金資産額について合理的に期待される収益額/期首年金資産額
保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、将来の運用方針及び市場の動向等を考慮して算定
(3) 退職率・死亡率
退職率
在籍する従業員が自己都合や定年等により生存退職する年齢ごとの発生率
死亡率
従業員の在職中及び退職後における年齢ごとの死亡発生率
(4) 予定昇給率等
・個別企業における給与規程、平均給与の実態分布及び過去の昇給実績 等に基づいて確実に見込まれるものを合理的に推定して、算定
・過去の昇給実績は、過去の実績に含まれる異常値を除く
(5) 基礎率変更の重要性判定
割引率等の基礎率に重要な変動が生じていない場合には、これを見直さないことができる。
数理計算上の差異の取扱いについては、退職給付債務の数値を毎期末時点において厳密に計算し、その結果生じた計算差異に一定の許容範囲(回廊)を設ける方法(回廊アプローチ)と、基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算基礎を変更しない等計算基礎の決定にあたって合理的な範囲で重要性による判断を認める方法(重要性基準)が考えられる。
↓
重要性基準による
@ 割引率
期末の割引率により計算した退職給付債務が10%以上変動すると推定される場合には、期末の割引率を用いて退職給付債務を再計算しなければならない。
A 期待運用収益率
前年度における運用収益の実績等に基づいて再検討し、当期損益に重要な影響があると認められる場合のほかは、見直さないことができる。
B その他の基礎率(昇給率、退職率等)
それぞれの企業固有の実績等に基づいて退職給付債務等に重要な影響があると認められる場合は、各基礎率を再検討し、それ以外の事業年度においては、見直さないことができる。ただし、企業年金制度における財政再計算時の基礎率の見直しは、退職給付債務の計算に反映する必要がある。
(1) 退職給付信託のスキーム
(2) 退職給付信託の年金資産としての要件
@ 退職給付に充てられるものであることが退職金規程などにより確認できる。
A 退職給付の支払に限定した他益信託である。
B 事業主から法的に分離され、事業主への返還、受益者に対する詐害行為が禁止されている。
C 信託財産の管理・運用・処分については、受託者が信託契約に基づいて行う。
(3) 退職給付信託の対象資産
@上場有価証券等、時価の算定が客観的かつ容易であり、かつ換金性の高い資産
土地などの固定資産は対象外
A子会社株式及び関連会社株式の場合
連結範囲決定において拠出株式を含める。
連結決算上拠出がなかったものとみなす。
(4) 会計処理
@ 新基準適用前に信託設定した場合
設定時には損益発生しない
適用初年度期首時点に時価で拠出があったものとみなす
時価と同額を会計基準変更時差異一時償却A 適用初年度の6か月経過日前までに信託設定した場合
適用初年度期首時点に設定日の時価で拠出があったものとみなす
時価と同額を会計基準変更時差異一時償却B 新基準適用後
設定時に設定時の時価で拠出があったものとみなす
(5) 退職給付信託のその他留意事項
@ 株式の名義は受託者に移るが、議決権行使の指示は事業主に留保してもよい。
A 「いかなる指示も拒否できない」と明示された信託契約は年金資産とは認められない。
B 信託資産の他の資産との交換は基本的に認められない。
C 収益(配当)を事業主に留保する自益信託は認められない。
D 拠出時に退職給付信託財産と年金資産の合計額が退職給付債務を超える場合は年金資産として認められない。
(1) 簡便法の容認
・従業員が少なく合理的に数理計算上の見積りを行うことが困難
・退職給付の重要性が乏しい
(2) 小規模企業等の範囲
・従業員300人未満(制度ごとに判定)
・数理計算の結果に一定の信頼性が得られない場合(年齢や勤続年数に偏りがあるなど)
・一定期間の予測をふまえて決定
(3) 退職給付債務の計算方法
<退職一時金制度>
@ 原則法と自己都合要支給額との比較指数による方法
A 期末自己都合要支給額×昇給率係数×割引率係数
例:平均残存勤務期間 15年 昇給率 3.5% 割引率 4.5%
表にあてはめると 昇給率係数 1.67535 割引率係数 0.51672
期末自己都合要支給額 400,000
以上より
退職給付債務=400,000×1.67535×0.51672=346,275B 期末自己都合要支給額
<企業年金制度>
C 原則法と責任準備金との比較指数による方法
D 在籍する従業員について AまたはBの方法
年金受給者・待期者について 責任準備金の額E 責任準備金の額
<一部移行の場合>
F 未移行分の退職給付債務と移行部分の退職給付債務を@〜Eの方法でそれぞ れ計算
G 在籍する従業員について 移行部分も含めた自己都合要支給額
年金受給者・待期者について 責任準備金
(4) 簡便法における退職給付引当金・退職給付費用
退職給付引当金=簡便法による退職給付債務−年金資産(時価)
↓
直近の年金財政計算における公正な評価額を基礎
として合理的に算定された金額を用いることがで
きる。退職給付費用
=期末退職給付引当金
−(期首退職給付引当金−当期退職一時金給付額−当期年金拠出額)
(5) その他
・会計基準変更時差異については原則法と同様の処理(15年以内の一定の期間内で償却)
・簡便法から原則法への変更は認められる。
・原則法から簡便法への変更が認められるのは
合理的に数理計算上の見積りを行うことが困難になった場合
退職給付の重要性が乏しくなった場合
1 企業の採用する退職給付制度
2 退職給付債務等の内容
(1) 退職給付債務及びその内訳
@退職給付債務
A年金資産
B前払年金費用
C退職給付引当金
D未認識過去勤務債務
E未認識数理計算上の差異
Fその他(会計基準変更時差異の未処理額)(2) 退職給付費用の内訳
@勤務費用
A利息費用
B期待運用収益
C過去勤務債務の費用処理額
D数理計算上の差異の費用処理額
Eその他(会計基準変更時差異の費用処理額、臨時に支払った割増退職金等)(3) 退職給付債務等の計算基礎
@割引率、期待運用収益率
A退職給付見込額の期間配分方法
B過去勤務債務の処理年数
C数理計算上の差異の処理年数
Dその他(会計基準変更時差異の処理年数、実際運用収益等)
@ 自社の退職給付制度の現状把握
適用初年度期首における積立状況及び適用後の損益見込み
A 退職給付制度の見直し
給付水準の検討、
確定拠出型への移行、
拠出の積み増し、
退職給付信託の導入B @Aをふまえた会計処理方法の選択
会計基準変更時差異の処理
C 実務上の体制整備
計算委託先の決定、
会計処理・注記作成までのスケジュール