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藤田紘一郎(ふじた こういちろう)

実業之日本社HP内の「あの人に聞きたい 私の選んだ道  第23回 カイチュウ博士 藤田紘一郎さん」より

PROFILE
ふじた・こういちろう 東京医科歯科大学教授。昭和十四年中国東北部(旧満州)生まれ,三重県育ち。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学大学院にて寄生虫学を専攻。テキサス大学で研究後,金沢医科大学教授,長崎大学医学部教授を経て,六十二年より現職。専門は寄生虫学,熱帯医学,感染免疫学。日米医学協力会議のメンバーとして,マラリア,フィラリアなどの免疫研究の傍ら,「寄生虫体内のアレルゲンの発見」「ATLウイルスの伝染経路の発見」など多くの業績をあげる。「笑うカイチュウ」「恋する寄生虫」「清潔はビョーキだ」など著書多数。日本寄生虫学会賞,講談社出版文化賞,日本文化振興会社会文化功労賞および国際文化栄誉賞受賞。

藤田紘一郎 著「新潮選書 水の健康学」(新潮社、2004年7月15日 発行)より

1939年、中国・旧満州生れ。東京医科歯科大学医学部卒、東京大学医学系大学院修了。金沢医科大学教授、長崎大学教授を経て、87年、東京医科歯科大学医学部教授。現在は同大学院教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。『原始人健康学』『パラサイトの教え』(新潮社)、『笑うカイチュウ』『ウッふん』(講談社)、『ニッポン「亜熱帯」化宣言』(中央公論新社)、『日本人の清潔がアブナイ!』(小学館)など著書多数。

はじめに
《11ページ》
私の研究室には「この水で病気が治った」、「これが私のいのちを救った奇跡の水です」などといって、たくさんの水がもち込まれてくる。「あやしげな水」があることも事実だが、なかにはびっくりするような効能をもつ水も確かにある。
これらの効能のある水を飲んで病気を予防し、治そうという目的でまとめたのが本書である。この本を読んで下さった皆さんが、水の飲み方を知ることによって長く苦しんでいた病気から解放されるとすれば、こんなうれしいことはない。

水分子のクラスターの測定法
《72ページ》
水分子の「かたまり」(クラスター)の大きさをNMR(核磁気共鳴)装置で明らかにすることができるようになった。
《73ページ》
NMR装置は、このような水分子運動の速さをとらえ、これを周波数のヘルツで表わすことのできる装置なのである。
数値は小さいほど、分子運動が速いということになる。分子運動が速いということは、小さな分子の集団が多く、活発に運動していると考えられる。

おいしい水はクラスターが大きい
《73ページ》
しかし、はっきりしているのは冷たい水がおいしいということであろう。水のおいしさは水温でほとんど決まってしまうといっても過言ではない。
《75ページ》
水温から考えると、「クラスターの大きい水がおいしい水」ということになったのである。

《79〜81ページ》
日本と外国のミネラルウォーターのクラスター
これまでの実験結果をまとめてみよう。まず、水を沸騰させる、あるいは凍らせるというような物理的影響によって、水分子のクラスターは小さくなる。
次に、極端に汚れた水もクラスターは小さくなる。
そして、おいしくて、健康にいい水は、むしろクラスターが大きいということがわかった。
(略)
最後につけ加えておきたいのは、クラスターの大きさや構造によって本当に水の味が違ってくるのかどうかについて、私たちの研究では明確な答えを出すことはできなかったということである。(略)

《112〜113ページ》
アルカリイオン水・いくつかの病気に効果
(略)
アルカリイオン水に対して厚生省が認めた効能は「飲用して、慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に有効である」というものだったが、(略)
さらに、高血圧、アトピー、ぼけが治る、ガンに効果がある、現代人に不足しているカルシウムイオンを補って体質を改善するなどと宣伝していることが、「薬事法上問題となるような虚偽又は誇大な広告宣伝」にあたると厚生省から指摘され、改善が求められた。
しかし皮肉なもので、これがアルカリイオン水が科学的に検証されるきっかけとなり、93年には京都大学医学部に調査を依頼、99年には、飲料水としては世界初となる「二重盲検比較臨床実験」が行なわれたのである。

《116〜117ページ》
アルカリイオン水が人のからだにいいことは、理論的にも納得のいく話なのである。人間のからだはpH 7.4前後の弱アルカリ性で保たれている。体液や血液、唾液などが弱アルカリ性に保たれていると、新陳代謝も活発で、内臓に負担がかからなくなる。体内を弱アルカリ性に保つことが健康を維持するための基本なのである。

《117ページ》
電解還元水・本当に活性水素は存在するか
万病のもととされる活性酸素を、水の電気分解で生じる「還元水(電解還元水)」が消去するという研究発表がなされたのは、1997年のことであった。
九州大学農学部の白畑實隆教授日本トリムの研究グループの共同研究である。
(略)
答えを先にいおう。「活性水素」の存在は現段階では科学的に検証されていないと私は思う。作業仮説の段階にとどまっているのではないだろうか。
(略)

《119〜120ページ》
πウォーター・ただの水にすぎないのか
(略)
ところが、そのメカニズムとなると、私には全く理解できない。もちろん、厚生労働省が承認した医療器具ではないし、πウォーターを作るという機械のメカニズムさえ公開されていない。
なぜ生体の自然回帰現象を高めるのかという理論になると、もう何だかさっぱりわからない。
(略)

《121〜123ページ》
回帰水・セラミックスに通した活性水
ある日、私はこんな手紙を受け取った。
「(略)
この水を一年余り飲んでおりますが、他にもひざの裏の静脈瘤がなくなり、肌がとてもつややかになるなど、さまざまなよい結果が出ております。
まさに『魔法の水』であると確信しております。
お水を二本送らせて頂きます。一本は非常用に買い求めたもの、もう一本は我家の水道水から生水器に通したものです。
ご多忙中とは存じますが、この二本の水を検査して、『魔法の水』であることを確信していただけないでしょうか」
私はさっそく、この水を実験室にもちこんで、分析してみた。結果は、回帰水、生水器使用水ともに細菌汚染の少ない、過マンガン酸カリ消費量が少ない、とてもきれいな水であった。pHは、7.13と7.36でともに弱アルカリ性。硬度は40.3と46.3とかなりの軟水で、酸化還元電位も340と330ミリボルトと低い値だった。
つまり、送られてきた回帰水は、汚染の少ない水で、酸化力は弱く、からだをアルカリ性に保つ、からだにいい水であることがわかった。
回帰水とはどんな水なのであろうか。回帰水製造装置を造っているタイセイ(株)のホームページによると、水を数十種類のセラミックスに通した活性水であるという。
(略)

《123〜125ページ》
創生水、ナノ・ウェーブ
最後に、私のところに送られてきた、いくつかの水について触れてみよう。
まず「創生水」という水である。飲んでみると、まろやかで、特別な味や臭いはなかった。
(略)
創生水を作り発売している創生ワールド(株)代表深井利春氏は「自然界を汚すことなく、人にも多くの生き物にも『命の活力』を与える水で、少しでも健やかな環境を迎えたい」と述べている。この考えには私も全く同感である。
次に、「ナノ・ウェーブ」という水は、水の波動値に注目し、その値を少し上げた水なのだそうだ。飲んでみると、確かに体内にどんどん吸収されていく感じがした。
(略)
私たちの臓器や器官は固有の波動と微弱なエネルギーをもっており、これが正常に保たれていれば健康であるといえるのだ。正常な波動値が乱れたとき、健康を損なう。ナノ・ウェーブを飲めば、体内の乱れた波動値を正常値に戻す働きがあるということなのだろう。
実は、私たちも磁気波動共鳴分析器(MIRS)を使って、からだの各臓器の波動値を測定したことがある。しかし、残念ながら波動値が臓器の何を捉えているのか、明らかにすることはできなかった。

《195ページ》
おわりに
(略)
ある日、「先生、お願いがあります」と息を切らせて私の研究室を訪ねてきた人がいる。浄水器協会の植田尚孝事務局長だった。
浄水器評価委員会の委員になってほしいという依頼だった。
私は、「浄水器のことは、よく知らないので……」と一度は辞退した。
植田さんは「それはよく存じています。しかし今、日本は浄水器ブームです。なかにはあやしげなものもあります。浄水器を通した飲料水の良し悪しについて、先生のコメントをいただきたいのです」と、説得されたのだ。
(略)

PHP新書 本紙記事を無断引用 藤田東京医科歯科大教授が謝罪、回収へ(毎日新聞、2001年9月1日 朝刊)

藤田紘一郎 著「清潔はビョーキだ」(朝日新聞社、1999年2月26日 第1刷)より

1939年旧満州生まれ。東京医科歯科大学教授。
東京医科歯科大学卒。東京大学医学系大学院博士課程修了後、東大・テキサス大学助手、順天堂大学助教授、金沢医科大学教授、長崎大学教授を経て、現職。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。
82年、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。
95年には「笑うカイチュウ」で講談社出版文化賞を受賞。趣味は柔道。

主要著作リスト
「笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記」(講談社)
「癒す水・蝕む水―世界の水と病気」(日本放送出版協会)
「空飛ぶ寄生虫」(講談社)
「体にいい寄生虫―ダイエットから花粉症まで」(ワニブックス)
「原始人健康学―家畜化した日本人への提言」(新潮選書)
「共生の意味論―バイキンを駆逐してヒトは生きられるか?」(講談社ブルーバックス)
「きみのからだのきたないもの学」(講談社)※翻訳
「恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性」(講談社SOPHIA BOOKS)
「サナダから愛をこめて―海外病のエトセトラ」(現代書林)