馬渕茂樹(まぶち しげき)

馬渕茂樹 著「21世紀の患者学―医者が変わる 患者が変わる」(三宝出版、2001年9月29日 初版第1刷)より

医療法人社団トータルライフ医療会
トータルライフクリニック本郷内科院長

1952年滋賀県生まれ、78年京都大学医学部卒業。専門は内科、東洋医学。医師になって4年目に両目の網膜剥離(目の難病)を体験。その患者体験から、医師の本当のはたらきは患者さんの同伴者、対話者となって、患者さんに本当の希望と元気を運ぶこと、背負った病気の呼びかけを共に考えることと体認。以来、「対話の医療」を実践している。著書に『ビタミン愛の処方箋』『病いは呼びかけ』(以上TLCS刊)がある。

TL(トータルライフ)人間学実践シリーズとは
21世紀を迎え、今、時代は大いなる「変革」の時を迎えています。イデオロギーや立場の違いによってそれぞれの正しさを主張し合い、泥沼化の様相を呈している民族紛争や国際紛争。また、地球環境の汚染や、人間同士の絆の断絶による痛ましい事件や凶悪な犯罪も後を絶ちません。対症療法による事態の解決では如何ともし難いほどその根は深く、根本からの変革を私たちに訴えてやまないかのようのです。
TL(トータルライフ)人間学とは、それら現代の混迷の本質にある「絆」の問題、すなわち、現代社会の中で人間が見失ってしまった絆―人と人、人と自然、人と社会、自分と人生、心と身体などを結ぶ目に見えないつながり―を知り、その恢復に努め、応えてゆく道を示します。そして、高橋佳子氏が提唱するTL人間学による新しい人間観、世界観を基に、自らの人生を建て直し、関わる業界・分野を再生させようと実践する人々が多数輩出しています。
この「TL人間学実践シリーズ」には、氏の提唱するTL人間学に基づいて、21世紀の新しい経営・医療・教育等のあり方を目指し、実践する人々の挑戦の歩みがしるされています。ここから新しい文明の礎が生まれてゆくことを何よりの願いとして、21世紀を希望の世紀として開いてゆく志に燃え、本シリーズを刊行いたします。

プロローグ
新しい患者学の始まり―患者である前に一人の人間である
(略)
以前、TL人間学を提唱されている高橋佳子先生から、医師の基本的心構えとして、「医師である前に一人の人間である」ことがいかに大切であるかを教えていただきました。(略)