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*猪突盲進*




2007年3月26日

愛してる 愛してると
うわごとのように
熱に浮かれた足で踏みしめて
混ざり合う光の色が
まだほんの最初の滲んできたところで
愛していたかどうかも定かではない人の
顎の下のいつも剃り残されていた髭の
歩道橋の下のレールの配線具合の
時刻表と同じように飛び降りる算段を
改札口の通行止めの印を

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あいしている あいしていると
うわごとのように繰り返して
その実
あいしていたかどうかなんて定かでもない
あの男の顔を思い出そうとしても
顎の下の髭の剃り残ししか浮かばない
もしくは眠そうな睫毛の生え際の肉の色か
小鼻の毛穴の詰まり具合か
脂ぎりはじめた頭髪のしなり具合とか
首筋の産毛が髪の毛に混じって渦をまいていたのとか

辛らつな一つひとつが
降り重なって斬新になる
交互にパッションする赤と青のストロボを
どちらか1回だけ握り締めて潰す







2007年3月26日

2007年03月25日21:11
まずはじめに「個」ありき
「個」ありからん輩 なにものにもなれず
なにものをもつくりださず つくりだせず
「個」なし うつろで うつろいやすき輩
なにものをも捕えず なにものをも魅了せず
つよからん欲望 つよからんフラストレーション
つよからんエゴ つよからん統合性
つよからん善悪 つよからん好き嫌い
つよからん理性 つよからん感情
つよからん社会性 つよからん非社会性
つよからん願望 つよからん諦め
つよからん謝罪 つよからん断罪
つよからん拒絶 つよからん許容
つよからん 何もかも
つよからん 個性

まずはじめに「個」なし
「個」なくして なにものにもなれず
「個」なくしてなにものにもならず
なにものも生まれず なにものもつくりだせず
「個」なきもの探しからん
どこからも生まれず

まずはじめに「個」なき
哀れまれるべき個人



2007年03月25日21:26

よちよちばぶーで
頭をただ黙って撫でて私を愛して
ことばもからだも要らないの騙されるから
私を騙さないで
よちよちばぶーで
よくやったねと背中を叩いて
ことばもからだも要らないの嘘しかないから
私を騙さないで
信じなきゃいけないことと
疑わなきゃいけないことなんか
考えてられないから
お願いだから私を騙さないで
私の存在をあなたのためだけに消費しないで
お母さん
私はもう騙されないけど
あなたの代わりに今度は男に騙されてます
お母さん
よちよちばぶーで
私を心から受け入れて背中を押して欲しかった
昔 頭がよかったらしい私は
よちよちばぶーで
今はただの馬鹿だよ いろんな人に馬鹿だと罵られます
よちよちばぶー
頭なんか良くったって なにもいいことなんて
見い出せなかったから
よちよちばぶーのまんま
ばぶーばぶー
疲れたよお
疲れたよお
丸まってあなたの鼓動を聴かせて
そしてそのまま息を引き取らせて
ばぶー
丸くならせて
ばぶー
丸くならせて

少し
横にならせて



2007年03月25日21:40

ニートでもないし、社会人でもないし、男でも女でもないし、詩人でもないし役者でもないしアーティストでもなければギタリストでもないし健常者でもなければ精神異常でもない。何事もうまいわけでもなければド下手くそでもない。飛び抜けてかわいくもなければ飛び抜けて不細工でもない。飛び抜けて馬鹿でもなければ飛び抜けて天才でもない。飛び抜けてお勉強ができるわけでもない。あまりにも真実を告白過ぎると涙が留まらないんだけど夜の新宿のどこかの個室で携帯片手にミクシィしながら号泣してる人間はどこかが欠けてたりするのだろうか。いいやこんなわけのわからない理由なき感情こそが東京的な社会人的な不安定さっぽくて、だれもかれもがハッピーな不安定のただなかで、そんなことを告白していると全人類が愛しくて馬鹿げていて、だけれど数時間後には新宿の人混みを蹴散らしたくなっているんだろう。




2007年03月25日21:58

今の私に
なにかをうみだせるだけの
パワーもエネルギーもみたらない
私は元々
創造者としての力なんか
持ち合わせてなんかなかったはずなのにね
なぞらえてすべりだされていく
発信 発進 隣に棲む人の
なにかしらの表現

技術点が足りない私の言葉 表現
先走りすぎている なにか
いいえ元から
私は創造者なんかではなかった
今の私にとか 今はではなく
私が創りたいのは




2007年03月25日22:10

耳の穴かっぽじって よぉく聞け俺の声
大衆の前に踊り出て
威勢良くマイクを取ったら
そのとたんに気持が萎えた

「いいか!よく聞け…!」

大衆へ訴えたいべき叫び?
なんてそんなのどうでもいい
ただ俺を見ろ
それだけで俺は萎えた

ロックを持たないロックスターが殺される
ロックを持たないロックスターが大衆に殺される
ステージから引きずり降ろされ
ロックなきロックスターは殺される






2007年3月8日

どこまで行っても、暗いんだよね、この道。
生温かいくせに、首筋にだけヒヤッと感触が残る
いや〜な空気のうごめきがあってさ。
ね、この近くの川のほとりで
前に自殺があったとかなかったとか。
いや、あれは殺しだったとか
そうじゃなかったとか。
ね、情念の深い女が、
男を刺したとか刺さなかったとか。
もしくは男と心中したとかしなかったとか。
ねぇ、君は、昨日か、もしくは一昨年くらいに、
ここを通らなかった?
昼日中に、ここらあたりで日向ぼっこしてると、
君に良く似た影を、
一日に何度も何度も見るんだよね。
いっつも後姿だけなんだけれど、
いっつも何かを失ったかみたいな
心もとない足取りなの、そいつ。
声とか掛けるのめんどくさいから、
別にいつも黙って見過ごしてるんだけど
昨日だったかなぁ、一昨年だったかなぁ、
うーん、ずいぶん何度も同じものばかり見てるから
どっちだったかは忘れちゃったんだけど、
心もとなげな影がさ
こっち見てたんだよね、気がつくと。
顔とか見えないんだけど、あいつ、
絶対見てた。
絶対見てたよ。
だって今もそこにいたし。

「影」








2007年2月28日

何年か前、日本中を騒がせた猟奇殺人の少年犯罪があった。当時の大人も、当時の子どもも、誰もが過剰にそれを目の当たりにし、非難して恐れるか、もしくは憧れるか、どちらにしても興味と関心で日本中がいっぱいになった。なかには流行に乗らんとばかりに、非難することが当たり前、侮蔑することが当たり前、存在を否定して当たり前だとでも主張するかのように、正義と軽蔑の意見をメディアに投稿するもの、採用するもの、垂れ流すもの。また、それとは全く対極にして、崇め奉るように少年に酔いしれるもの、思いを馳せるもの、同化するもの、同調するもの、分析するもの、恋焦がれるもの。そして、猟奇殺人犯となった少年の、本名と顔写真は、秘密裏に取引され閲覧されて日本中を駆け巡った。

若き少年カリスマは、法の下の社会に抹殺されて苦しみ生きていた日々から脱却し、法の下の社会になぶり生け捕られて生きていることを証明させられ続けて生きることとなった。

自己実現の名の下に。我々は我々のため我であろうとする我々を抹殺する。
自己表現の名の下に。我は我々のためならず我のために我々となる。


2007年2月27日

全ての場所で、カードが出揃った
どいつもこいつもが
揃いも揃って
同じカードを切ってきやがる
だからしょうがねぇから
そのカードを引いてやるしかないのだ
あぁ、分かった
分かったよ

ここをこうして打ち砕いていくしかないんだな
よくもこんな
楽しくも真面目な宴でひとり
うかれることができないように
きつく縛り上げてくれたものだ
あんまりにもおかしいから
笑いかたすら違ってしまって
とんだ噛ませ犬だぜ
ご苦労さん

さぁ、
自由とはなんだという討論からはじめよう
怒りというベクトルの向かいかたをも支配されて
どこもかしこも不自由だらけだ

ああ、とても気持ちいい
とても気持ちいい不自由のままさ
お前の言うとおり
望むとおり
理想の押しつけのとおり
進むとおり
身体が
身体だけが火照って
不躾な指先の導くまま
肉離れをする




2007年2月27日

信じないこと以上に
貴方を信じる術がなくて
信じられないこと以上に
貴方を期待してやまないわけを
説明する術がなかった

ドロップしていく
絶え間なかったものが
大きなものに飲まれて
消えていく様を
心地よく眺められるようになって
私は
分からなくなった

耐えられないもの以上の
耐え忍ぶことを
切々と積み上げていく作業の中で
横目で過ぎ去って崩れていく
誰かと誰かの試練の途中の妥協を
苦しくもない思いで
見つめられるほどにも
巧みに世間に対して
私は許してもいない

ええ、ただ
苦しいの
だけれど
苦しいことを
楽しいことにして
見せつけてあげられるくらい
私は
まだ
なんでもないのよ




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