クエンカとの別れ

最後の夜に撮影 ガラパゴスからグアヤキルの飛行場に戻り、バスターミナルからカハス経由でクエンカに戻ってきたのは日没直前だった。バスターミナルまで行かずに薄暗くなり始めた大通りで降りた。家は既に出ていたので宿を探さなければならない。中心部へ向かって坂を下る。約二年住んでいたけれどこの道を通るのは初めてかもしれない。町をだいぶ歩いたつもりだったけれどまだまだ歩き足りないんだな。

 宿は以前、家出を考えていたときに候補にしていた所。空きはあるらしく部屋を見せてほしいと言うとすぐに通してくれた。一泊八ドル。お湯シャワーにケーブルテレビ付。悪い条件ではない。残ることを告げ、元の家に荷物を取りに馴染んだ道を歩く。

最後の夜に撮影 何が変わったのかわからないがいつもと雰囲気が違う。オレンジ色の街灯、馴染みの店先、いつも通る道、同じはずなのに違う。町がよそよそしい感じがするのだ。この町を去ろうとしている私の意識がそう見せているのだろうか。

 家に着いて中に入る。中には父親がいた。屋根裏に置かせてもらった荷物を引き取る。私が使っていた部屋は屋根裏に住んでいた長男が使っているそうだ。もう俺の部屋じゃないんだから何も言う権利はないんだが寂しいもんだな。

ホテルで荷物を纏める スーツケースがあったのでタクシーを拾うつもりだったが父親が宿まで送ってくれた。車内では家族の近況を聞いたり二年間なんてあっという間だねって話をしたな。宿の前で礼を言い別れる。Adios por la familia Illescas!

 夜は一部のクエンカ隊員と会い、翌朝やる事があったので早めに切り上げて宿へ。翌朝、小包を日本に送ったり、ホームページ更新したり、荷物を纏めるためにロープを買ったりした。

 全ての用事を終え、宿をチェックアウトしたのは十三時半。近くで火事があったらしくひどい渋滞の中、タクシーを捕まえバスターミナルへ約二十分かけて到着。十四時発のバスがあったのでチケットを買う。一人隊員が見送りに来てくれたので挨拶をしてからバスに乗り込む。少し遅れてバスは北へ向けて出発。見慣れた景色が流れてゆく。市境にある私の職場の近くをバスが通過するともうクエンカとはお別れだ。

 また、帰ってくるんだろうか。。。今の私にはわからない。
十年以上経ったら見てみたい気もするし、もういいような気もする。
ただ一つ言えるのはエクアドルの中でクエンカは一番だって事だ。

さらば、クエンカ。。。

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