
表敬訪問と事務所での用事が終わり携帯電話を確認すると留守電が入っている。多分彼だなと確認したらその通りだった。
彼と会ったのはガラパゴスのツアー船。プエルトアロヤで停泊中に「こんにちは〜」と日本語で船に乗ってきた。風貌は目が細くて背が低い。浅黒い肌に冴えない黒ぶちメガネが特徴的で東洋人に見える。何だこいつは?と思い、スペイン語で話しかけると新しいガイドだと言う。日本語で話してくれと言われたのでそうするとあまり理解できないようだ。まあこんなもんだろうってのが出会い。
彼のガイドで三日間船に乗り、下船時に彼が空港まで送ってくれた。その間に日本語練習するのに日本語キーボードが欲しいからパソコン売ってと頼まれた。日本に持って帰る予定だから駄目と断ったがどうしてもと言われ、中古の割に少し高めの値段なら諦めるだろうと考え伝えたらその値段で良いと言う。しまったと思ったが「やったー」と日本語で喜ぶ彼を見て断れなくなってしまった。
でも君は仕事があるし俺はもうガラパゴスに来る予定がないと告げると、取りに行くから問題ないって。エクアドルに二年住んだ経験から口だけのエクアドル人だからこれ以上連絡はないんだろうと思いながらも携帯電話の番号とEメールアドレスを教えて帰路についた。
ところが予想に反しその後も彼から連絡がありこの日に受け渡す事になっていたのだ。前日Windowsを再インストールしてあったので準備は万全。隊員連絡所の近くのサブウェイで久しぶりに再開。電源を起動し操作を説明。日本語Windowsだけれどアイコンは同じなのである程度はわかるようだ。日本語の入力方法を説明すると無邪気に喜ぶ彼。よっぽど欲しかったんだな。パソコンにUSBフロッピードライブと外付けCD-Rドライブ、パソコンカバーを付けて渡す。これで値段的にもある程度釣り合いが出たかな。
最後に大通りでタクシーを拾うというので見送りに。これで日本語をうまく使えるようになって唯一の日本語ガイドになるんだ!と自分の夢を語ってくれた。そして笑顔で「ありがとう」と言い残し彼はタクシーに乗り込んだ。そしてタクシーが発車する。
二〇〇二年の十二月末に外付けドライブ込みで十四万で買ったThink Pad。トラブル無しに任期を全うしてくれてありがとう。これからはガラパゴスで頑張るんだぞ。彼を唯一の日本語ガイドに育ててくれ!
もしあなたがガラパゴスを訪れて、中国人みたいな顔で日本語をしゃべるガイドがいたらそれが彼です。もしも日本語の練習をしたがっていたら面倒でも付き合ってあげて下さいね。ペラペラになってくれると嬉しいのだけれど。