■2003/06/13(金)かくてふたたび中原の戦いを
フランスがサミットに中共を引き込むのは妥当ではない。列強のなかで西欧文明の直系・派生・転換した国家のみがサミットに入る。中共は西欧文明ではないし、列強ですらない。
(引用開始)
<サミット>中国が初登場 将来の「G9化」視野に (毎日新聞-全文)
2003年6月2日(月)2時49分
新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)に苦しむ中国が「富人倶楽部(金持ちクラブ)」と呼び、距離を置いてきた主要国首脳会議(サミット)に初めてやって来た。米国一極集中に対抗する狙いもこめて招待したホスト役のシラク仏大統領は1日、主要8カ国(G8)と途上国・新興国との拡大対話に臨んだ胡錦濤国家主席を特別待遇で出迎え、将来の「G9」化への動きが始動した。【エビアン飯田和郎、福島良典、伊藤智永】
フランスとスイス国境のレマン湖畔に位置するエビアン。多くの参加国首脳はジュネーブ空港(スイス)からヘリコプターでエビアン入りしたが、胡主席は約40分間かけてフェリーで湖を渡った。シラク大統領はふ頭で出迎え、1分間近く握手した。
胡主席は拡大対話で国際社会との連携の必要を訴えた。派手なパフォーマンスこそないものの、前任の江沢民・前国家主席も経験しなかったG8の大舞台。3月に就任したばかりだけに、権威向上に一役買うのは間違いない。
「中国はG8に加わっていい」。中国共産党機関紙「人民日報」系の国際情報紙「環球時報」最新号は大胆な見出しの論文を掲載した。
論文はサミットが地球規模の問題を討議する重要な場に変質したと指摘した上で「中国が加われば、現加盟国と多くの分野で協力拡大できる。各国首脳と個別に会談もできる」と主張。「機は正に熟した」と断言した。
中国の国内総生産(GDP)はロシアの2倍で世界6位。世界貿易機関(WTO)にも加盟を果たした。G8が強い関心を抱く人口13億の巨大市場や安価な労働力という経済環境を外交戦略と絡めて「政治経済大国」を目指してきた。
経済交流の主たる対象となるG8との関係強化は自然の流れともいえるが、その動きを加速させたのが、SARSだ。中国は発生当初、感染者数を隠ぺいし、国際的な信用を失墜させた。それだけに、名誉回復を図る場として、エビアン・サミットは「渡りに船」の外交舞台。中国政府代表団は万全の対策で参加国の不安除去に努めた。胡主席をはじめ全員がエックス線や血液の検査、1日2回の体温測定を実施し、健康状態をチェック。「北京から特別機に乗り込むまで外部との接触を厳しく制限」(劉吉昌外務次官)する気の使いようだ。
一方で、米英両国が国連決議なしでイラク攻撃を強行し、国連の権威が揺らいだことで、これまで国連主導の国際秩序の構築を主張してきた中国も限界を感じ始めている。中国を除く国連安保理常任理事4カ国は、すべてG8に名を連ねる。
劉次官は「サミットに対する政策も、外交政策も変わっていない」と説明しつつ「今後はG8が果たす役割を重視し、重大な国際問題はG8と連絡し、対話していきたい」と将来のG9化に含みを持たせる。
◇仏、米支配に対抗
「中国の存在は国際社会の変化を象徴するものだ」。シラク大統領は1日、胡主席との会談でエビアン入りを歓迎した。中国を招待したのは、G8に限定されているサミットを拡大する布石を打つ狙いからだ。
「中国は強大な可能性を秘めている。民間有識者の『シャドーG8』はサミット拡大を提言しているが、私たちはすでに着手している」
シラク大統領のシェルパ(個人代表)として、G8間の調整役を務めてきたモーリス・グルドー・モンターニュ氏は毎日新聞の取材にサミット拡大がフランスの方針であることを認めた。
「仏中両国は多極的なバランスの取れた世界、多極主義に立脚した国際秩序を追求している」。仏大統領府報道官は1日、胡主席とシラク大統領が目指す世界観の一致を強調した。
超大国・米国の一極支配に対抗し「多極的な世界」の構築を目指すフランスにとって潜在的超大国の中国は、米欧のバランスを取るための貴重な要石だ。拡大対話に出席した首脳の集合写真撮影でも、胡主席とブッシュ大統領とを中段の中央に並ばせる配慮を示した。
フランスは元来、国際問題の討議にはG8サミットよりも、国連が適しているとの立場だ。中国を含めた新興国・途上国12カ国とG8の拡大対話開催にも「先進国クラブ」との批判を浴びてきたサミットの改革を狙うフランスの意図が働く。
対話に出席した26カ国・機関の首脳のうち、イラク戦争で米国支持を表明したのは英国、日本、イタリアのみだ。戦争への批判派で多数を形成し、米国に無言の圧力を加える意図も込められている。
◇日中共存を模索 政府「G9戦略」見えず
2000年の沖縄サミットに小渕恵三元首相は中国招請を働き掛け、断られた。政治家の「思いつき」に渋った当時の外務省は、ひそかに胸をなで下ろしたものだ。
今の中国との最大の違いは、WTO加盟の前か、後かだ。しかし、中国のサミット入りに日本の政財官界に根強い抵抗感がある事情は今も変わらない。背景には脅威論があるが、怖がって中国をけん制し続けても未来像はない。
31日、ロシアのサンクトペテルブルクで行われた日中首脳会談。
胡主席「小泉純一郎首相は中国の経済発展は日本の脅威ではなく、チャンスだと強調されてきた。Win Win(共に勝つ)という考え方を評価したい」
小泉首相「日本の一部には中国警戒論があるが、自分は相互互恵の関係を築きたい」
すでに地域安全保障と結びつけた日中共存の模索は始まっている。とはいえ、日本外交にG9化をにらんだ戦略図が描けているわけでもない。
[毎日新聞6月2日] ( 2003-06-02-02:49 )
中国が700万人移住構想、貧困解決策で (ロイター)
2003年3月9日(日)17時0分
3月8日、中国当局は、経済発展の可能性が極めて低い地域の住民を別の地域に移住させ、貧困解決を図る構想を明らかにした。写真は甘粛省の貧農の夫妻。出稼ぎしなければ食べられないという。1999年12月撮影(2003年ロイター)
[北京 8日 ロイター] 中国当局は、経済発展の可能性が極めて低い地域の住民を別の地域に移住させ、貧困解決を図る構想を明らかにした。
国務院貧困救済開発指導小組の呂飛傑副組長が8日、人民大会堂で行われた記者会見で語った。
当局が貧困層と位置付けている2800万人余りのうち、700万人の移住が必要とされているという。
呂副組長は、貧困層の定義に関する質問について明確な回答を避けたが、世界銀行などの機関が定めた“日収1ドル以下”を基準としていることを示唆した。
(引用終了)
大陸はでかすぎる。そのため対中投資が本当に我々自身がコントロールできる範囲のものにおさまるのか? という疑念が現実主義者からさえ生じている。しかし日本がコントロールできないものは、中国共産党もコントロールできないのだ。そこに対中投資の戦略が、日本の国益につながるわけがある。
日本の戦略は、支那の沿岸を世界の工場にすることであり、このために日本国内の工場を移転する必要がある。移転のための経済的基礎は日本のデフレと元レートの安値固定である。
となればこれがつづく限り、日本では工場における雇用は急速に喪失する。同時に工場労働者育成のための教育システムはその役割を終える。すなわち過度の平等教育は不要になるわけだ。以前も指摘したが、ゆとり教育はエリート教育の別名であり、政治的なカモフラージュである。
ぼくはエリート教育もそれにともなう階層分離も道義的に正しいか否かに興味はないが、この国の社会伝統にかんがみれば過度の階層分離は、必ず平等ベクトルへの因子となりバックラッシュを誘引する。その階層分離とバックラッシュによる摩擦を緩和するために愛国心が鼓舞されることになるのだが、このふたつの政策による社会現象を結び付けて考えられないで、ただ嘆いたり批判したりする左派が多すぎる。たしかにこれは今後の政治的課題にはなるだろうが。
さらに対中投資を日本が推進するにはアメリカの同意が絶対不可欠である。中共の意志はまったく関係ない。これは日本が満州で学んだ経験でもある。すなわち海洋国家間の合意がなければ、大陸に進出してはならない、ということだ。これについては今のところ日米の認識に大きな隔たりはないようだ。
一方で、歴史的に支那(大陸)の歴史は必ず分裂してふたたび統一する。分裂の最大シグナルは流民にある。
疫病→飢餓→流民→内乱→分裂→統一→腐敗→貧富→疫病・・・
のサイクルが支那(大陸)の歴史である。その意味でSARSの流行は示唆的であった。さて中共の経済的格差は、沿岸部と内陸部で絶望的なまでに拡がっている。共産党がコントロールできなくなる日が来るかもしれない。その意味で日本の対中投資は国益にかなうだろう。海洋国家にとって大陸国家の分裂は基本戦略であるからだ。
かつてのイギリスの欧州大陸政策のようにだれにも支那の中原を制覇させてはならないだろう。すなわち日本は中原を制する必要はないが、だれにも中原を制させてはならない。これが海洋国家としての日本の戦い方である。
日本は中共の分裂を推進すると同時に流入する難民を国内で同化できる量に押さえなければならない。60万人が妥当、その後の混血で100万突破はやむなしとする。
ところで、国内世論のうち親中共・親北朝鮮・親韓国は背後の大陸勢力の大本であるフランス・ドイツにつながる。フランスによる中共のサミット招聘は、海洋国家と大陸国家のバランスを考慮してのこととわかるだろう。フランスがロシアと中共を取り込む過程で、かつての左翼もフランスに靡いていくのも自然の流れだ。もちろんフランスも共産主義ではないから、かつての左翼もその看板をおろすこととなる。すなわちここで左翼から保守への転向組が、反米保守としてネオコン化する。
ちなみにアメリカのネオコンは、左翼から転向して共産ソビエト撃滅の先頭に立ったあと世界戦略を強引にすすめている。本来の保守派は、理想主義は唱えないし国内にとどまりたがるものであるのを忘れてはならない。したがって日本のネオコン(左派からの転向組)は、かつての大陸浪人のように強引な親中戦略と理想主義をぶちあげて国を危殆に落とす可能性があることを指摘しよう。海洋国家である日本にとって、海洋戦略を主としない大陸戦略は絶対に成功しないからである。