韓国での特別展『海南島で日本はなにをしたのか』における
展示パネルでの「東アジア地図」の朝鮮と日本の間の海の呼称問題について
特別展『海南島で日本はなにをしたのか 侵略・虐殺・掠奪・性奴隷化』が、2004年
10月1日から10日まで、ソウルの西大門刑務所歴史館で開かれたあと、10月15日から
11月21日まで、独立紀念館で開かれました。
その展示を見るために紀州鉱山の真実を明らかにする会の会員が11月に、韓国に
行ったとき、はじめて、展示パネルの「東アジア地図」の朝鮮と日本の間の海の呼称
問題が韓国メディアに大きく取り上げられたこと、その責任が紀州鉱山の真実を明ら
かにする会にあるとされていることを知り、非常におどろきました。
紀州鉱山の真実を明らかにする会では、韓国のメディアを通じて、責任の所在を明
らかにしようと考えたのですが、韓国の市民運動に否定的な影響をもたらすこともあ
ると考え、また、日本のナショナリズムに利用されることを避けるために、民族問題
研究所が自主的に問題を解決するように提案しました。
その後、わたしたちは、HPに「声明」を掲載することも保留してきました。
しかし、残念なことには、民族問題研究所が、責任の所在を明確にし、事実経過を
正確に公表していないために、この問題にたいする誤解がまだ残っていることを、わ
たしたちは、最近知りました。
紀州鉱山の真実を明らかにする会が日本ナショナリズムとの思想的対決をあいまい
にしていたかのような誤解がさらに広まるのを防ぐために、会の「声明」を掲載します。
2005年3月31日
紀州鉱山の真実を明らかにする会の声明
特別展『海南島で日本はなにをしたのか』(主催:民族問題研究所、独立紀念館。後援:
紀州鉱山の真実を明らかにする会)で展示された「現在の東アジア地図」、「日本侵略時
のアジア太平洋地図(1944年)」が、紀州鉱山の真実を明らかにする会提供のものとされ
ていることについて特別展『海南島で日本はなにをしたのか 侵略・虐殺・掠奪・性奴隷化』(主催:民族問題研究所、独立紀念館。後援:紀州鉱山の真実を明らかにする会)が、10月1日から10日まで、ソウルの西大門刑務所歴史館で開かれたあと、10月15日から11月20日まで、独立紀念館で開かれています。
このパネル展で展示されている解説、年表、資料、海南島地図、写真(キャプションをふくむ)はすべて、紀州鉱山の真実を明らかにする会が作成したものを、韓国の民族問題研究所側で翻訳し、パネル制作しました。韓
国での展示のさい、この他に、当初、地図2点(1「現在の東アジア地図」、2「日本侵略時のアジア太平洋地図(1944年)」(2点とも英語版)が展示されたそうです。
この2点の地図については、8月の紀州鉱山の真実を明らかにする会・民族問題研究所・独立紀念館3者による韓国でのパネル展示のための会議のさい、紀州鉱山の真実を明らかにする会から、日本では日本が中心となった地図しかなく、いい地図がないため、韓国側に選定・制作を依頼し、選定・制作された地図は原稿段階で、紀州鉱山の真実を明らかにする会にも送ってもらうことに合意されていました。しかし、紀州鉱山の真実を明らかにする会には、選定・制作過程で、相談はありませんでした。そして11月12日に、民族問題研究所がこれらの地図を選定・制作したことを、確認しました。
西大門刑務所歴史館でのパネル展示終了後、独立紀念館で開催中の11月はじめ、この2点の地図で、朝鮮と日本の間の海が、「Sea of Japan」と表記されていることについて、閲覧者が問題にし、韓国のメディアがそれを報道しました。これまで確認できているのは、『東亜日報』(11月4日)、『中央日報』(11月3日)、『連合ニュース』(11月3日配信)と、テレビではSBS(放映日時は未確認)です。
韓国メディアの報道では、民族問題研究所員の話として、この2点の地図は、紀州鉱山の真実を明らかにする会が提供したものとされています。
紀州鉱山の真実を明らかにする会では、11月9日、展示を見るために独立紀念館に行きましたが、そのときは、この2点の地図は展示されていませんでした。
担当学芸員の話しでは、当初「Sea of Japan」と書かれた部分に紙をはって隠し、展示していたが、閲覧者が紙をはずしてメディアに知らせ、問題が大きくなって、地図をはずしたということでした。この時点では、わたしたちはまだ、この2点の地図が紀州鉱山の真実を明らかにする会提供のものをされていること、メディアで
この問題が大きく取り上げられたことについては、担当学芸員をふくむ独立紀念館関係者がわたしたちに何も話さなかったので知りませんでした。これらのことを知ったのは、11月12日でした。
紀州鉱山の真実を明らかにする会では、11月12日、13日に民族問題研究所に、
1、 問題となった地図は、紀州鉱山の真実を明らかにする会提供のものではないこと、
2、 韓国でその地図が紀州鉱山の真実を明らかにする会提供のものと誤解されることになった
経緯を明らかにし、紀州鉱山の真実を明らかにする会に提示すること、
3、民族問題研究所で、地図の出拠にかんし、事実を明らかにする公文を出し、HPに載せること、
を要求し、そうするという回答を得ています。
韓国と日本で、朝鮮と日本の間の海の呼称について、長く問題となってきたことについては、ここでは説明しません。
紀州鉱山の真実を明らかにする会は、日本ナショナリズムを表わす表現について、非常に神経を使ってきました。日本の侵略責任(植民地支配責任・戦争責任・戦後責任)を追求するとする日本の市民団体が、自分たちは認めようとはしませんが、日本ナショナリズムにきちんと対抗できなかったり、日本ナショナリズムの枠内で運動しているのを、わたしたちは活動を進める過程で、多々出会ってきました。紀州鉱山の真実を明らかにする会の日本の侵略責任(植民地支配責任・戦争責任・戦後責任)を追求する活動は、必然的に、日本の民衆の隅々に巣食っている日本ナショナリズムとのたたかいでもあるといえると思います。
独立紀念館は、この問題は、韓国の政治状況が原因となって誇張されたもの、としています。しかし、そうであったとしても、紀州鉱山の真実を明らかにする会としては、これまでの活動のあり方から考えてあってはならないことを、紀州鉱山の真実を明らかにする会がしたとされていること、韓国の政治状況の対立原因を、日本の市民団体が作ったとされていることについて、事実を明らかにし、誤解を作った民族問題研究所に、その事実を公開してもらいたいと考えています。
2004年11月18日
紀州鉱山の真実を明らかにする会