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職場不適応 KOKORO.Center

 

職場不適応

職場不適応とは
職場不適応(いわゆる出社恐怖症)は「登校拒否症」の会社版と言えます。職場や心身の病気、家庭の問題などが元となり、職場にうまく適応できなくなり、出社拒否となり無断欠勤を重ねていくような状態を職場不適応と呼びます。しばしば抑うつ症状や心身症の症状を生じることがあります。

原因
職場ストレスと個人の性格・価値観・就職動機などの不適合から発症します。
職場ストレス
主な職場ストレスとして、転勤、昇進、単身赴任、関連会社へ出向などの職場の配置転換があり、職務内容では、仕事量の増加、責任の重い仕事、細分化・単純化した仕事などがあり、職務条件では、合理化、職場のOA化、交代制勤務などがあげられます。また、職場における人間関係では、上司との意見・感情的対立、同僚との競争、部下との関係のまずさなどがあり、対外的には顧客とのトラブルなどが挙げられます。 ここでは、仕事の量、質、人間関係について見てみます。
@仕事の量
仕事の量の中でも、仕事時間の長さは特にストレスに影響するといわれます。週60時間以上もの労働や、月50時間以上もの残業があると、高血圧を発症させたり、悪化させる可能性があるという報告もあります。残業時間や実労時間が長いほど、心疾患の発生率が高くなり、突然死の判定基準としても重視される重要な要因なのです。このような長時間労働を続けると、約3割の人が疲労感を訴えるようになり、特に、連続して長時間働いた場合では、休みながら働いた人よりも疲れが取れにくい傾向があります。
逆に、仕事が暇過ぎるという状態も、自分が評価されていないためではないか、または、会社の経営不振に陥ったかなどと、心配の種となり得るのです。「仕事が暇過ぎる」という要素が、「時間やノルマに追われる」という要素以上にストレスを強め、高血圧の発症・悪化要因になるという調査結果もあります。
A仕事の質
職場ストレスは、仕事の要求度と裁量の自由度によって左右される、といわれています。仕事の要求度とは、ノルマや納品日などに追われる切迫感、責任の重さ、ミスが許されない、技術的な問題などの要求がどのくらい強いかです。それにこたえようとする緊張からストレスが募ることになります。裁量の自由度は、仕事に対する決定権、責任がどれくらいあるかというものです。決定権、責任が全くないのもストレスですが、自分の能力を超えて責任を負わされるのもストレスとなって、不安や過度の緊張を生んでしまいます。

B人間関係
職場の環境の一番大きな要素は、人間関係です。誰もが一度は頭を悩ませる対人関係。この対人関係をどうさばくかで、あなたの職務ストレスは大きく変わっていくのです。職場の面白さは、人間関係と深くかかわっています。「人間関係」の良し悪しが「仕事の量」や「質」よりも職場の面白さを大きく左右することが指摘されています。上司や同僚の理解と信頼関係は、職場の支援度の高さにつながります。これは職務ストレスを緩和する大きな要素で、逆にこういった人間関係に支援のない職場では、孤立感を深めて職場不適応に拍車がかかってしまうのです。

個人の性格から見た職場不適応のタイプ
@まじめ人間タイプ
責任感が強くまじめで几帳面だが融通性に欠け、人付き合いはヘタ、趣味といえば仕事、というような人が、中間管理職に昇進した時に起こります。リーターシップが発揮できず、上と下の板ばさみになったり、実績が上がらない、同僚が先を越して昇進したりすると、自分の立場や将来が不安になってき、自己嫌悪や劣等感より出社することが怖くなります。
Aドロップアウトタイプ
お人好しだが小心で消極的、自主性や社会性が不十分の人や、気ままで意志が弱いが自尊心は強く協調性に乏しく挫折体験が少ない人などに多く見られます。職務能力、体力、職場の人間関係などで同僚より劣る時に、自分の職務を果たせなくなりイライラしたり孤立感を募らせると、生活リズムが変動したり軽微な体の変調を契機として欠勤するようになります。出勤しようという気持ちは強く、夜になると明日からは出勤しようと心に誓いますが朝になると出勤することがつらくなったり、長期欠勤しても内閉的、ヤケクソ的な態度を取るなどの特徴があります。

B周囲に合わせ過ぎて、自分を見失ってしまう過剰適応タイプ
不平不満を口にせず、仕事中毒(ワーカホリック)になりやすいので、心身症や燃えつき症候群になるまで自分の葛藤に気がつかず、あるとき突然、頑張りがきかなくなりがちです。疲労の蓄積や体調の変化にも気がつかず、喜怒哀楽の感情まで失っている自分が全く見えなくなっています。他人を思いやったり、感動できる精神活動もひどく低下してしまっている例がほとんどです。心の奥底では、会社のため、組織のために自分を見失っていることへの葛藤や不安が生じているのですが、それらの葛藤や不安が意識化されずに、心身症の形で現れていても、目を向ける勇気がなく、仕事をしているときだけが落ち着ける精神状態になっています。このようなタイプの人が、ある時突然、精神活動のエネルギーがひどく低下してしまい、燃えつき症候群に陥ります。また、その前に過労死してしまうこともあります。

症状
ストレス社会といわれて久しいですが、ストレスへの反応は人それぞれです。
身体化として、はじめは疲れやすいと訴え、やがて内臓などに障害がないのに身体の症状を訴える心気症、また実際に胃潰瘍(いかいよう)、狭心症など臓器障害が出現する心身症と呼ばれるものがあります。自分にかかっているストレスに気づかない人がおり、そのような人では身体化するという考え方があり、失感情症と言います。
行動化として、無断欠勤、仕事のミスの多発、人とトラブルをおこしやすいこと、多額の借金、遁走、ギャンブルや問題飲酒、暴力などの逸脱行動が目立ちます。
精神面では、“出勤したいのにできない”という強い葛藤から、就業への不安、緊張、焦燥等の症状が認められ、うつ状態や不安神経症、あるいはパニック障害などが目立ちます。具体的には「職場に近づくに従い、動悸がし、冷や汗が流れ、足がすくんでしまう」「出社できずにUターンし、公園などで終日過ごし、帰宅する」「朝起きられなくなる」というような症状が観察されるようになります。部分的うつ状態としては、仕事や会社に対してのみ“うつ状態”に陥る。例えば「月曜日の朝はひどく憂うつな気分におそわれるけれど、金曜日の午後からは気分がよくなる」とか、「仕事では落ち込んだ気分になるけれども趣味には熱中できる」といった状態です。


症状を訴える人の現状
・およそ6割の人が、職場の人間関係や仕事の質、量などに問題を抱えているという調査があります。
・「仕事上で神経の疲れ」を訴えている人は7割に,「仕事に不安やストレス」を感じている人は5割に達しています。
・その内容として,男性で最も多く見られたのは「仕事の質・量(57%)」であり,ついで「職場の人間関係」,「仕事への適性」,「昇進・昇格」と続きます。
・一方,女性では「職場の人間関係(61%)」がトップで,「仕事の質・量」がも増加しています。
・不況と自殺者の増加とが密接に関連している。
・自殺者の7割程度の人がうつ状態・うつ病ではないかと推定されています。

最近注目されている職場不適応
・テクノ依存症とテクノ不安症
・仮面うつ病(本来はうつ病であるものの,身体症状が強く表れて,抑うつ症状が目立たないもの)
・初老期・更年期うつ病

冶療
ストレスへの気づき
家族や職場関係者などに“本人は出勤したいが出勤できない”という葛藤が強く、精神的に危機的な状況にある」と説明する。
職場不適応症になる人は、ストレスに鈍感になっているか、それを無視して頑張る人が多いため、この「気づき」というプロセスが重要です。気づきに関しては、最近3ヶ月から1年間における生活上の大きな変化、ライフイベントについて振り返らせてみること、特に職場の状況に関して、具体的に検討していくことが大切です。また、ストレス過剰信号としての心身症症状や精神症状から把握することもできます。
休養と薬物療法
心身の休養をとるために、診断書を書いて休ませることもあります。また、不安、焦燥、緊張や不眠症状をターゲットにしてマイナートランキライザーと睡眠導入剤を投与する場合もあります。
カウンセリング
症状が一部軽減した時点からカウンセリングを並行して行います。@自己の性格、A価値観、Bストレス、C適応、の4つのテーマが中心となります。@、Aの過程で自己の性格を把握し、価値観を捉え直し、B、Cの過程でストレスへの気づきを促し、“ほどほどの現実適応”のパターンを見出していくことを目指します。 このような過程で自己洞察ができれば復職にいたります。
復帰へのリハビリ
復職が近づくにつれ、日常の生活リズムに戻させたり、“仕事関係の本を読む”“書類を作成する”などの復職に向けたリハビリを行うことも効果的な方法です。しかし,明らかに職務適性に合わない場合には,配置転換を含めた治療的助言を職場関係者に行ないます。いずれにせよ、職場不適応症になった場合は周囲のサポートが非常に重要です。

予防
早期発見と運動、趣味、娯楽、対話、旅行、適度の飲酒などによるストレス解消、職場や家庭での人間関係の調整。精神科医のカウンセリングも重要です。
不適応のサイン
・職場が居心地が悪く、その環境になじめないと感じている

・周囲の期待や要求に応えようと無理をしている
・ポカ休、遅刻、早退、仕事の能率や勤労意欲の低下、ミスなどが増えた
・疲れやすさ、けんたい感、発汗、不眠、食欲不振、心きこう進、頭痛や腹痛、下痢など、いくら検査しても原因が見つからない症状がある
・不安感、緊張感、無力感、抑うつ感、挫折感を感じる
一般的な対策

・息抜きの時間をもつ、話し相手や相談相手をもつ、 家では仕事のことを考えない、原因探しをやめる、自分の性格を否定しない、嫌なときは嫌な気持ちのままにやるべきことをやっていく
・ストレスを感じたときの仕事の処理法

あれもこれも的な行動や考え方を避ける、あらかじめ複数の対応の仕方を考えておく、仕事がはかどらない場合一人で抱え込まず相談し援助してもらう、仕事の優先順位をつけ今すぐ処理する必要のあるものから始める、仕事に支障のない範囲で休養をとりながら仕事をしてみる
・職場におけるメンタルヘルス対策

職員への保健指導として、勤務形態や生活習慣に配慮した健康的な生活 の指導やストレスについての研修を行う、健康相談窓口を設けてプライバシー保護に配慮した相談事業を実施する、企業外の医療機関との連携を図り問題への対応を行う、保健福祉事務所・精神保健福祉センターなどの精神保健福祉相談を活用しいつでも相談できる体制をつくる
職場の人間関係の調整

・上司とうまく付き合うために
組織に勤める殆どの人には上司という管理者が存在します。その上司と正しい信頼関係が結べなければ、気持ちよく、いい仕事ができるはずがありません。上司の性格や言葉遣いとウマがあわないという経験をしたことのある人も多いでしょう。そんなときには、もし自分が上司の立場だったらどうするか、反対の立場になって考えるようにしてみてください。その多くは自分の立場からだけで−つのトラブルをとらえ、感情のしこりになっていることが多いからです。上司の立場を理解して、必要な内容だけをきちんと受け取り、その他の表現法は「あの人のクセだ」ぐらいにに流せる幅も人間として必要です。また、まじめな人、有能な人ほどいろいろな問題を一人で抱えてしまうことがあります。報告上手、相談上手になって上司を味方にしてしまうことも人間関係を円滑に保つには重要なことです。
・同僚とうまく付き合うために

集団に入りたいのに、その方法がわからないというタイプの人が増えています。自分と似たような人でないと不安で付き合えない、という心理的物差しが周囲とのバリアになっていることが多いようです。誰にでも好き嫌いはありますが、嫌いな人、苦手な人ほど自分にないものを持っていて、付き合ってみると新しい視点を与えてくれることが良くあります。自分だけの仕事のやりやすさだけに目がいけば、ウマの合わない同僚も、職場全体の成果に目をやれば、成果向上のための良き同僚に見えてくることも多いはずです。何でもない一言が人間関係の最初の一歩ですから、顔を合わせたら、ぱっと挨拶の言葉が出るように日頃から心がけて習得することも大切です。

職場の対応
・上司がメンタルヘルス面で部下をチェックする際には,無断欠動,遅刻,早退,フレックスや有給休暇の使い方の変化といった出勤状態の杷握が基本となる。

・上司が部下にメンタルな問題を感じた際には本人との話合いが前提となるが、具体的な事実を指摘する(休んだ日の数,仕事の能率が何割落ちた)のが基本となる。問題が明らかになった際には,本人・家族に対応してもらうのが原則である。
・休職に際しては「休みを十分にとって,徹底的に治して復帰してくれ」という上司が少なくないが,再発・再燃の可能性を有する精神疾患の場合には,休職によって得られる現実的な目標設定が望ましい。

・過去にメンタルな問題で休職した人の例などをあげて,家庭での過ごし方や精神科主治医との相談の仕方など,注意すべき具体的な項目を本人に再確認させる。
・休職期間に入った後でも,職場関係者と本人・家族との定期的な接触は不可欠である。定期的な接触が復職判定の第一歩である。

・自宅療養の場合は,まず電話などで家族に様子を尋ね,適当な時期に自宅に見舞いに行くのが一般的である。自宅訪問することは,本人のみならず家庭全体の生活状態と家族構成が把握でき,その雰囲気を実感できることから非常に有用である。
・精神疾患の多くが再発・再燃の危険性を有する、本人に病識が欠けていたり,精神疾患である旨の病名告知がなされていないことが少なくない、精神疾患・精神障害者に対する職場での根強い偏見が存在する、職場に精神科医がおらず,消極的・防衛的な判断に陥りやすいなどの特殊性に配慮する必要がある。
・職場復帰時の仕事の内容については,職場や職種は多種多様なので,本人を含めよく話し合うことが大切である。

・医師の診断書が言う「職場復帰が可能」とは、本人の意向に添ったもので、病状が通常勤務に耐えられるまで回復していることではあるが、それだけでは十分ではない。受け入れる側の職場関係者の了解が不可欠で、じっくりと時間をかけて本人および関係者のコンセンサスを得る手順が,上手な復職判定のコツである。
・職場復帰の支援を円滑に行うためには、その企業において少なくとも身体面における健康管理活動が定着していること、さらに職場と勤労者との信頼関係が築かれていること、メンタルヘルス不全を特別視しないこと、プライバシーへの配慮について職場の理解を得ていること等の条件が整備されている必要があります。
・軽症うつ病の場合にはさしあたり元の職場に復職させるというのが原則でしょう。

・職場での人間関係が直接的な原因となっていたり、職務不適正感などに問題があれば、単純に元の職場に復職させることもできないでしょう。復職は、同僚への挨拶ができることを目標としますが、急性期と同様に復職後3カ月間は症状が動揺する場合があることを伝えておく必要があります。

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テクノストレス症候群
テクノ依存症とテクノ不安症

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