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手毬 ・ その 1

八戸くけまり

この手毬は青森県八戸市鍛冶町五二 青村善太郎らによって作られています。ここの手毬を″くけまり″と呼んでいるのは、紙や布きれを固く丸めて芯にした上に、くけ縫いに用いたあとの廃物のくけ糸を幾重にも巻きつけているからです。模様は赤、桃、黄、緑、青、黒色の木線糸を四、五色使い、地割りとして四等分の「交さつむ形」写真1や八等分の「つむ形」写真2その変形写真3・4のような基本に忠実な簡単なものです。

本荘ごてんまり

この毯は秋田県本荘市中堅町六六 小松この技さんらによって作られています。ごてんまり或いはお城まりと呼はれているのは、いい伝えによれば、慶長17年(1612)楯岡豊前守満茂が本荘城へ移城した折、大奥の御殿女中衆によって手ほどきされたといわれているからです。
 作り方は、芯に山菜のゼンマイ線(この地方の特産)を使い、その上に綿糸で丸く固め赤、橙、緑、白、金色の絹糸で模様を作る。その模様には十六掛け、八ッ割、六ッがけ、くものす掛けけなどがあります。大形の飾りものとしては紅白の房か付けられています。写真5〜7は周囲長51センチのごてんまりで、写真5はバラ、写真6・7はウメなどです。

鶴岡御殿まり

この毬は山形県鶴岡市で作られており、江戸時代、羽前庄内藩酒井候の藩邸の奥方や奥女中、藩士の女房、娘たちが、つれづれに作ったものといわれています。
 この毯のかっての作り方は、蛤の貝殻に砂を入れ、これを細かい大鋸クズで包み、さらにぜんまい綿(ぜんまいの若芽につく白い綿毛を集めたもの)でくるみ、色糸で巻いて完成させた。
現在の製作者である鶴岡市鳥居町三三−五九、上野富美さんらは、芯に穴洞の木型を使い、これに紙張りし、その上に絹糸またはリリアンで巻いて仕上げています。模様は一般に赤、金糸を使った二十六弁の菊が多いが、高価ではあったが草木染の糸毯を見かけました。またここの毯は小さいものまで房がつけてあり、室内装飾用が主であるように思われるし、きらぴやかすぎて素朴さに欠けています。

尾花沢の御殿まり

山形県新庄市に近い北村山郡尾花沢町延沢の竜護寺住職の母 堂巨勢キヌエさんが13才の時母から習った記憶をたよりに作られた手毯であって、現往は、キヌエさんの娘さんの加藤タツさん(相模原市西大沼1-18-26)によって受け継がれています。
写真10は一番古い模様で、刺しゅうに手が込んでいる「石だたみ」写真11は「八つおもだか」写真12は「花かがり」、写真13は「菱形つなぎ」、写真14は「八つ桔梗」、写真15は「ひなまつり」であり、一般の手まりの模様の空白部分にあやめ、菊、ききょうなどの草花の刺しゅうがしてあるのが特徴で、また配色はあわい色が中心になっており、大きさは直径約8センチである。

只見てまり

このてまりの特徴は「昔ながらに、ぜんまいの綿を芯に使い、白色でかがってから、7・8色のガス糸(色木綿)で模様を縫いだしてしる。
「ふる里の手毬」 新井智一著 源流社 B5判型 100頁 4120円
北は青森・八戸くけまりから 南は沖縄・竹富手まりまで 46地方の伝統手毬348点を美しいカラー写真で収録。またその作者を詳しく紹介しています。

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