HRローマ字について

HRローマ字とは

HRローマ字はハングルをローマ字化し、それを完全に元のハングルに戻せるローマ字つづりです。これはNIFTY-SERVE の FLM フォーラムの朝鮮/韓国語会議室で水野健氏によって提唱されたもので、日本語の文字コードしか使えないパソコン通信でもハングルの文章をローマ字の形で投稿できるようになりました。以下にHRローマ字の基本的な仕様を紹介します。


HRローマ字の表記規則

個々のハングル字母を、次のように英文字に割り当てる。大文字・小文字は区別せず、- は該当なしまたは表記しない、 / の左右は任意に交換できることを示す:

単独の子音

 
初声 k/g n t/d r/l m p/b s - j ch kh th ph h
終声 k/g n t/d r/l m p/b s ng j ch kh th ph h

注意: 単独の k/g, t/d, r/l, p/b は、初声・終声にかかわらず 自由に、任意に交替できる。ただし激音の kh, th, ph にはこの交替を認めない。単独の c は採用しない。

濃音

 
初声 kk tt pp ss jj
終声 kk - - ss -

注意: 濃音には gg, dd, bbを認めない。

2重音の終声

ks nj nh lk/lg lm lp/lb ls lth lph lh/rh ps
gs     rk/rg   rp/rb rs rth rph   bs

注意: 下段は「可能」だが実音とかけはなれたものになるので「推奨しない」。
注意: 2重音の終声は綴りとしては特に定義せず、綴り規則から結果的に2重の終声になるものとみなす。従って、「区切り記号」(下記)を省略した場合この組み合わせの優先度は低く、ローマ字解釈の際は最後の選択肢になる。

単一字母の母音

a ya eo yeo o yo u yu eu i

注意: 各国版のコンピュータ・ソフト上で共通に表記できる最小限の文字セット(ASCII 7ビットの範囲の文字セット)を使用する。そのため、いわゆるアクサン記号付き文字などは使用できない。

複数字母による母音

ae yae e ye wa wae oe wo we wi eui
            woe weo   yi  

(下段の表記も認める)

注意: 「母音」とはハングルの論理でいう母音(中声)を指す。

補足説明
  • 慣例として、"k/g"、"t/d"、"p/b"は清音なら左のつづり、濁音なら右のつづりを使います。また、"r/ l"は、初声の場合は r、終声の場合は l とします。ただし、初声であっても前のハングルの終声が l または n の場合は l とします。
  • ハングルとハングルの間はハイフンで区切ります。このハイフンを「区切り記号」と言います。
  • HRローマ字をハングルに変換するプログラムはハングルのローマ字として解釈できるアルファベットをハングルに変換しようとします。これを防ぐには変換されたくない部分を角括弧 [ ] で囲みます。

区切り記号の省略

 人間の「読み書き」に耐えるローマ字という要求から、「書く」立場からは適当に省略ができなければなりません:

나보기가 역겨워 Nabogiga yeok-kyeowo
가실 때에는 Kasil ttaeeneun
말없이 고이 Mal-eops-i koi
보내 드리우리다 Ponae teuriurida

これは、機械が読み違えない限界まで省略できますが、やりすぎると今度は読みにくくなります。 「機械が読み違えない限界」とは、「機械に判断できる限界」であり、ローマ字がハングルの2ボル式キーボードと矛盾する点です。この限界を要約すると次のようになります:

・母音の直前の子音は、(区切らない限り)初声になる

例: 나보기가
nabogiga ---> (na) (bo) (gi) (ga)

例: 집안
jiban ---> (ji) (ban) (誤)
jib-an ---> (jib) (an) (正)

・[kk, tt, pp, ss, jj, kh, th, ph]は、(区切らない限り)絶対に離れない

例: 학교
hakkyo ---> (ha) (kkyo) (誤)
hak-kyo ---> (hak) (kyo) (正)

・2重母音も、(区切らない限り)くっつきたがる

例: 바다에 간다
padae kanda ---> (pa) (dae).. (誤)
pada-e kanda ---> (pa) (da) (e).. (正)

 この3点を念頭に、「大丈夫かな」と不安なところには区切り記号を積極的に挿入した方が、賢明です。HRジェネレータでは、ハングルの文字単位で必ず区切り記号を出力します。「最小限の区切り記号を生成する」オプションはありません。


ハングル単独字母の表現

KS完成型の定義している以下のものを生成、認識する。完成した字体を構成するときと同様、濃音, 激音以外は k/g, t/d, p/b, r/l の交替は任意。ただしローマ字生成時は以下のものを生成する。

現代子音:

*k *kk *ks *n *nj *nh *t *tt *r *rk *rm *rp *rs *rth *rph
*rh *m *p *pp *ps *s *ss *0 (*ng) *j *jj *ch *kh *th *ph *h

注意: *0 は初声, *ng は終声。ただし KS完成型では同一なので、ロー マ字生成時は *0 を選択。

現代母音:

*a *ae *ya *yae *eo *e *yeo *ye *o *wa *wae
 
*oe *yo *u *wo *we *wi *yu *eu *eui *i  

古子音:

*nn *nt *ns *nz *rks *rt *rps *rz *rq *mp *ms *mz *mng *pk *pt *psk *pst
*pj *pth *png *ppng *sk *sn *st *sp *sj *z *00 (*ngng) *gn *ngs *ngz *phng *hh (*qq) *q

注意:
*mng 長方形にマル
*png 軽唇音、p+マル(いわゆる[β])
*ppng その並書
*gn 爆弾(マルの上につまみ)
*00 (*ngng) マルまたは爆弾の並書
*q マルの上に横線(*hのナベブタにつまみがない)
*hh (*qq) *h または *q の並書。生成するのは *hh

古母音:

*yoya *yoyae *yoi *yuyeo *yuye *yui *@ *@i

注意: *@ はアレア


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