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訳注:大韓剣道会は「剣道着の下衣に関する変更事項(日本語訳) (韓国語原文)」で2003年から腰板のある日本式の袴を禁止しました。 理由は当頁の「剣道が国内で大衆化されることにおける最も大きな障害要因のうちの一つが、日本の運動だという認識です。〜特に道着ズボンとして使用しているハカマは、日本の伝統衣装をそのまま剣道着に適用したものです。」という部分に集約されています。 もうひとつ注目すべきは「日本で競技化,スポーツ化された剣道」という表現が何度も出てくる点です。 この不自然な表現こそ大韓剣道会の基本的立場であり、「剣道!オリンピックへの道(日本語訳) (韓国語原文) 」で詳しく述べられています。


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腰板のない道着着用の意味

  著者:シン・スンホ
  作成日: 2002-04-19
  ヒット数: 3933


今の世代の剣道家は剣道が成熟するための礎石になるべき…


シン・スンホ(大学剣道連盟競技理事,剣道7段)


  解放以後、国内の剣道家たちによって剣道が再び導入されて大韓剣道会が創立されてから、いつのまにか50周年を目前にしています。 これまで剣道第1世代の先生たちは剣道に対する熱情一つだけで、他人に認められない孤独で苦難な道を歩みながら国内に剣道を普及し、現在の剣道は過去とは比較にならないほどに飛躍的に成長しました。 もはや現時点は、剣道が今までの成長を土台に今後、成熟の段階に入っていくか、でなければ成長を止めて衰退の道に入っていくかの重大な岐路に立っているといっても過言ではありません。
   したがって、今の世代の剣道家たちは、剣道を国内に導入した先覚者たちの熱情を受け継ぎ、剣道をより高い段階へ成熟させるべき義務を持っています。 このような義務には様々なものがあります。 すなわち、剣道修練を熱心に行なって剣道競技に要求される競技力を向上させて世界最強になること,剣道の装備を改善・発展させること,剣道の規則や審判法を合理的に改善すること,日本で競技化された剣道に負けないくらいに我が国固有の剣道の歴史や剣法などを発掘して再現すること,剣道の底辺人口を多様な階層に拡散させること等々があります。
   現在、我々は日本で競技化,スポーツ化された剣道をしています。 このことは否認できない事実です。 しかし、日本で競技化された剣道を我々が修練しているからといって、剣道の全ての物を日本がする通りに踏襲して従えという意味では絶対にありません。 剣道を行なっている国家または地域ごとに、いくらでも各自の剣道の大衆化,世界化のために多様な努力をすることができます。 今回、腰板のある道着(以下、ハカマ道着)を禁止してベルト式道着を推奨するのも、このような努力の一環だと言えます。
   多くの剣道家たちが肌で感じてきたことですが、剣道が国内で大衆化されることにおける最も大きな障害要因のうちの一つが、日本の運動だという認識です。 柔道や囲碁なども日本で作られましたが、これらに比べて唯一剣道が日本の物だという認識を強く受けているのは、剣道の服装が持っているイメージも大きな役割をしていることは間違いないでしょう。 特に道着ズボンとして使用しているハカマは、日本の伝統衣装をそのまま剣道着に適用したものです。 道着の機能性はさておいて、はたして我々が日本の伝統衣装であるハカマをそのまま穿いて剣道をする必要性があるのかは、一度考えてみるべき問題です。
   或者は、剣道は日本で作られたのだから日本式道着を着るのは当然だと言います。 もちろん国際剣道連盟のルールに剣道競技をする時には、必ず腰板のある道着、すなわちハカマ道着を着用しなければならないと規定されているというなら、これは文句なしに従わなければならない事項です。 しかし、競技規則にはハカマ道着を着用しなければならないという条項はどこにも出ていません。 これは剣道競技において、道着は核心事項ではないという意味なのです。
   全てのスポーツ競技には「核心事項」と「周辺事項」があります。 核心事項というのはその競技が成立するために必須的な要素、すなわち勝敗法,装備などのことを指し、当然全ての物が規則で決まっています。 周辺事項というのは競技に随伴するものなどですが、核心事項とは違って競技に反映されないもので、例えば道着や競技開始前に選手たちが集まって「ファイティング」と叫ぶ儀式などが該当します。 このような周辺事項は、チームや国家の文化・環境などによって異なる行為がなされても支障がないものです。
   このような脈絡で、道着もやはり我が国の事情に従っていくらでも改善することができるのです。 また他の或者は、道着を我々が勝手に変えることは日本で競技化された剣道自体を否定することだと言います。 もちろん、前にも言及した通り、剣道競技における核心事項、すなわち、「3本2先勝制」の判定法を「5本3先勝制」に変えるとか、竹刀を現規定より長い物を使用するなど、新しい競技ルールを作って進行するとすれば、これは日本で競技化された剣道を否定することだと言われても返す言葉がありません。 しかし、核心事項でない周辺事項を変えたからといって、日本で競技化された剣道を否定することだと言うのは過剰な解釈であり、非常に固定化された観念だと言えます。 別の言い方をすれば、剣道着の改善は剣道競技の周辺の文化を韓国の実情に合うように改善していくことであって、剣道競技そのものを否定することではありません。
   ハカマ道着から腰板を剥がしてベルトを付けたからといって、何がそんなに違うのかと言うかもしれません。 しかし、ベルト式道着は機能性などの様々な側面で少しずつ補完されなければなりませんが、我が国の剣道家たちが腰板を剥がした道着を着用したこと自体は、我が国の剣道界におけるここ50年間の惰性的に固着した慣行を剥がすという歴史的で意味のある試みだと言えます。 そして、腰板のない道着着用の全面的な実施についての決定は、一朝一夕になされたことではありません。 これまで大学剣道連盟で、皆を満足させることはできなかったものの、4年間実施をしてきたし、大韓剣道会の審議委員会で長い間の議論を経た末に決定されたことです。
   審議委員会の構成員を見ると、剣道を生涯をかけて行なってこられ、まさに我が国に剣道を導入なさった第1世代の先生たちが大部分です。 もしかしたら、この先生たちこそ我々剣道第2世代よりもはるかにハカマ道着が体の一部のように感じていらっしゃるであろう先生たちです。 それにも拘わらず、権威を掲げてハカマ道着に固執せずにベルト式道着着用を決定なさったのは、まさに剣道が韓国においてより一層成熟できる道を自ら手を下して開いてくださったということです。 これは上から言われたことだから下は無条件で従えという概念とは違います。 むしろハカマ道着の廃止は我々第2世代たちが先に出すべき意見でなかったかと反省もすべきでしょう。
   大韓剣道会は剣道の大衆化,世界化という目標と哲学を持ってたくさんの事業を展開しています。 そして、少ない人力とギリギリの財政構造の下で、急速に変化する環境に能動的に適応するために、多くの努力を傾けています。 大韓剣道会の目標と哲学を達成するための政策を実行する過程で多少の強制性を付与しているので、当惑するし、不便であるし、経済的な損失が伴うことはよく分かっています。 私もやはり30年近く習慣になったハカマ道着を着ないようにしようとしていますが、時には不便を感じて、我知らず練習しに行く時にハカマ道着を持っていく場合もたまにあります。 しかし、これは一時的なことであり、剣道発展のためにはいくらでも克服できる非常に些細なことです。
   最後に、剣道を競技化させた日本は剣道の世界化のためにそれほど大きな関心を傾けていないということです。 ただ彼らが作った武道でありスポーツである剣道を一寸の変形もなしに世界に伝える、すなわち日本固有の文化を伝えることだけに力を傾けているということです。 したがって、日本がする通りにただ従うとすれば、これは競技化された剣道だけでなく、剣道に関わる全ての物(服装,練習法,用語,礼法など)を日本式で永遠に従っていくという意味に他なりません。
   これまで剣道第1世代の先生たちは、剣道を導入して国内に伝えようとすることに余念がなかったために、濾過することはできませんでした。 しかし、我々剣道第2世代たちは違わなければなりません。 我々の後代たちがより普遍化されて世界化された剣道を修練できるように、剣道の装備,道着,審判法などについてコツコツと研究して発展させて行かなければなりません。 剣道の改善は日本だけがすべきで我々はただそれに従うべきだということではないのです。 どうか我々剣道第2世代たちが剣道が成熟の段階に発展できるように礎石になれたらと思います。 ありがとうございます。

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* シン・スンホ    2002-04-19    腰板のない道着着用の意味
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