【た行】
ダイナマイトどんどん
ダイ・ハード
タロットカード殺人事件
地下鉄のザジ
地球は女で回ってる
チャップリンの独裁者
★デーヴ
天使にラブ・ソングを…
天使にラブ・ソングを2
★天使のくれた時間
デンジャラス・ビューティー
遠い空の向こうに
トーク・レディオ
都会のアリス
トップ・シークレット
トニー滝谷
友だちのうちはどこ?
★友だちの恋人
ドリーマーズ
トリュフォーの思春期
ダイナマイトどんどん
【78日】142min
監督:岡本 喜八
出演:菅原 文太、北大路 欣也、宮下 順子、
ストーリー:昭和25年、北九州一円で昔堅気の岡源組と新興ヤクザの橋伝組の間での抗争がエスカレートし、民主的に抗争を解決しようという警察署長の提案で、野球大会が開かれる。愛する女をめぐる争いも絡んで、ひと筋縄ではいかない、懲りない面々の戦い模様が描かれる。
コメント:ボクは岡本喜八監督の映画が大好きです。反戦映画であること、そしてその反戦の姿勢をあくまでもユーモアにまぶして描くところが好きです。で、この映画はオールスターキャストでひたすら娯楽に徹しています。嵐寛十郎の親分が良いです。宮下順子も色っぽいし、パンパンたちによる応援チアガールもいい。しゃもじを使っての「ダイナマイトどんどん」の歌をみんなで歌うところもいい。何も考えず、楽しんで観れます。
ダイ・ハード
【88米】132min
監督:ジョン・マクティアナン
出演:ブルース・ウィリス、ボニー・ベデリア、
レジナルド・ベルジョンソン、
ストーリー:クリスマス・イヴの晩。ロスにそびえ立つ完成間際の超高層ビルが、13人のテロリストに占拠された。30階で開かれていたパーティーに、たまたま立ち寄って事件に巻き込まれたニューヨークの刑事マックレーン。彼は、目的達成のためには手段を選ばぬ残虐・非情なテロリストたちを相手に、孤立無援の戦いを挑むが……。
コメント:この映画を観た当初すごく感動し、会う友達みなにこの映画のことを話しまくったものでした。それから10年以上たち、内容を忘れてしまったので確認する意味で最近観ました。冒頭の「日本人を殺すシーン」をあえて入れたその意図に腹が立ち、「この映画ダメかも」と思ったのですが、みるみるうちに引き込まれやはり夢中になりました。ハラハラドキドキ、スカッとする映画です。ただ、ちよっとあざとすぎるかな……。
タロットカード殺人事件
【06英米】95min
監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、
ウディ・アレン、イアン・マクシェーン、
ストーリー:連続殺人事件によって震撼がはしるロンドン、アメリカの女子大生でジャーナリスト志望のサンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、そんなロンドンに休暇で滞在していました。ある日マジックショーに足を運ぶと、奇術師シド(ウディ・アレン)に指名されて舞台に上げられ、「中に入った人間の体が消えては現れるボックス」の中に入れられます。中に入ると、先日急死した新聞記者の亡霊(イアン・マクシェーン)が現れて、彼女に「連続殺人事件の容疑者の名前」を教えます。しばし呆然とするサンドラでしたが、この大スクープをものにするために、奇術師シドとともに貴族出身の容疑者(ヒュー・ジャックマン)の裏をとるために捜査を開始しますが……。
コメント:とにかく「コメディアンとしてのウディ・アレンの魅力爆発」なのでありまして、久々に「そんなウディ・アレン」が観られてもう大満足、その話芸に何度も腹を抱えて笑わされました。その「自信がなさそうにみえて、実は自信たっぷりで、しかし他人に向かっては自信のなさを語らずにはいられない」という十八番のキャラクターには、ますます磨きがかかっていました。そして『マンハッタン殺人ミステリー』での「ダイアン・キートン との会話の掛け合い」をほうふつとさせる、「スカーレット・ヨハンソンとの会話の掛け合い」が絶妙に面白く、小気味いいセリフの応酬にどんどん引き込まれ、もういうことなしです!!「スカーレット・ヨハンソン」がこんなにもコメディーセンスのある女優だったとは、嬉しい驚きでした。「ヒュー・ジャックマン」の貴族もかっこよく、気品に溢れ、女なら誰でも憧れてしまいそうなたたずまい、『ニューヨークの恋人』での公爵役同様に、ピッタリはまっていました。加えて「三途の川」「死に神」といった「ベルイマン」をほうふつとさせるモチーフの登場も、「ウディ・アレンらしさ」にあふれていて嬉しくなってきます。とにかくいうことなしの気品あふれるドタバタコメディーでした。
地下鉄のザジ
【60仏】92min
監督:ルイ・マル
出演:カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、
カルラ・マルリエ、
ストーリー:田舎からパリに遊びに来た、10歳の少女ザジの36時間にわたるパリ見物の物語。スラップスティック・コメディーの手法で、子供の目がとらえたパリの街を鮮やかに映像化している。
コメント:カラーの映像がきれいです。エッフェル塔のらせん階段を降りるところとか、映像的な遊びが面白いです。ちょっとやりすぎの部分もありますが、基本的に楽しめます。
地球は女で回ってる
【97米】96min
監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、キャロリン・エアロン、
カーティス・アレイ、
ストーリー:自分の私生活を書いてベストセラー作家になったハリーは、3回の離婚歴がある独身男。最近スランプに陥り、精神分析医の元を訪れている。3番目の妻の妹で愛人関係にあったルーシーに怒鳴り込まれたり、別れた恋人フェイが結婚すると聞いて嫉妬したりと周囲に振り回されてばかり。ふと振り返ればついてくる仲間は誰もいない。仕方なく、母校の表彰式に娼婦同伴で出かけるハリー。そんな彼の前に、彼の小説の登場人物が次々と現れて……。
コメント:ベルイマンをいじってますね、それも楽しんでやってるので観ているほうもウキウキと楽しくなってきます。幻想と現実が交錯する、ウディ・アレンらしさ満載のコメディーです。
チャップリンの独裁者
【40米】125min
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、ジャック・オーキー、
ポーレット・ゴダード、
ストーリー:1939年9月、ドイツがポーランドに侵入し、第二次大戦が勃発したその月にこの映画の撮影を開始し、ドイツがフランスを屈服させた1940年に完成。ヒトラーを戯画化したこの映画は、制作中に脅迫が絶えなかったと言われる。チャップリンは仮想国トメニアの独裁者ヒンケルと、彼とうりふたつのユダヤ人の理髪師の2役をこなす。そして、世界制覇の野望に狂う独裁者の仮面をはぎ、ユダヤ人弾圧の非人道性を訴えた。さらに、全世界の人々に自由のために闘うことを呼びかける……。
コメント:第二次世界大戦前の、ファシズムの嵐が吹き荒れている時にこの映画をつくったこと、その勇気を讃えたいです。最後の演説によるメッセージ、初のトーキー映画ではこれをやろうって決めていたんだろうな、その心意気が伝わってきます。その勇気にあやかりたいです。
デーヴ
【93米】110min
監督:アイヴァン・ライトマン
出演:ケヴィン・クライン、 シガニー・ウィーバー、
フランク・ランジェラ、ケヴィン・ダン、
ストーリー:大統領にウリ二つのデーヴ(ケヴィン・クライン)は、影武者として政府に雇われました。にこやかに手を振るだけの仕事でしたが、本物の大統領が緊急入院してしまったため事態は一変します。側近たちは政治的な思惑から、彼を大統領として操ることを画策します。しかし、ファースト・レディー・エレン(シガニー・ウィーバー)の福祉への情熱に心を動かされたデーヴは、側近たちを無視して果敢に政治改革に乗り出していきますが……。
コメント:いやぁ痛快です!! そしてほのぼのと、心が暖かくなってきます。まさに「ハート・ウォーミング」という言葉はこの映画のためにあるのではと思えるほどです。心が疲れた時、何となく落ち込んでいる時にはこの「映画」は特効薬になるのではないでしょうか、なのでボクもさっそくダビ○グしました。主演の2人がハマリ役です、素晴らしい!!しかしそれだけでなく、すべての脇役たちがまた素晴らしいのです。特に「副大統領」役の人の、いかにも「実直真面目」なたたずまい、そしてその「過去の話」にホロッ……です。そして何といってもいかつい「黒人SP」、彼の「最後のセリフ」にはボロッ……でした。敵役の「ボブ」役の人の、「このドラマを愛しているがゆえに悪に徹する」かのような見事な存在感にもうならされます。とにかくお薦めです。こんな世の中だからこそ、少しでも多くの人たちに観てほしい、そんな映画です。
天使にラブ・ソングを…
【92米】100min
監督:エミール・アルドリーノ
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、 キャシー・ナジミー、
メアリー・ウィックス
ストーリー:しがないクラブ歌手のデロリスは、殺人現場を目撃したためにギャングに命を狙われている。身を隠すための意外な場所はなんと修道院。命惜しさにじっと我慢のデロリスだったが、やっぱりとってもミスマッチ。ところが一転、聖歌隊のリーダーに任命されてからは実力発揮。それまでのヘタクソなコーラスに変わって教会から流れてくるのはソウルやロックの賛美歌。たちまち街中の人気となり、この話題は全米に報道されてしまう。ギャングもデロリスに気づき……。
コメント:もうシスター達の魅力に尽きますね。特に一人だけちがった服を着ていたあのコと、太ってニコニコしているあの人。理屈抜きに楽しい映画です。
天使にラブ・ソングを2
【93米】107min
監督:ビル・デューク
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、 キャシー・ナジミー、
メアリー・ウィックス、
ストーリー:セント・キャスリン修道院のシスターたちは、社会奉仕先の高校で悪ガキ相手にお手上げ状態。そこで、今やラスベガスの二流スターとして忙しいデロリスに懇願、お助けシスター再登場となった。音楽担当として着任してみると、予想以上の悪童たち。何とか学校を楽しくしようとデロリスは聖歌隊を提案。反抗的な生徒たちも心を開きはじめ、ヒップホップ聖歌隊が誕生する。だがその頃、理事会は閉校の計画を進めていた……。
コメント:美少女修道女の笑顔がいいね。リルケ『若き詩人への手紙』より「作家になれるかなどと聞くな、書くことが好きならキミは作家だ」。「音楽では食えないわよ」「稼ぐためによるわけではない、やりたいからやるの」。ってなセリフが印象に残りました。
天使のくれた時間
【00米】125min
監督:ブレット・ラトナー
出演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、
ストーリー:ウォール街で成功を収めたジャックは、リッチで自由な独身生活を満喫している。そんな彼がクリスマスの朝、見知らぬ家で目覚めた。隣に寝ていたのは13年前に別れた恋人ケイトだった……。もう一つの人生を経験するチャンスを与えられた男の姿を通して、愛の尊さをロマンチックに描く。無縁だと思っていた家族の暖かさに触れ、人間らしさを取り戻していくジャックをニコラス・ケイジが好演。
コメント:『居間にある、50本以上のホームビデオの中から1本取りだして観るジャック。ケイトの誕生パーティーの様子を映したビデオだった。自宅の庭でのホーム・パーティー。近所の人たち、友人たちがくつろいでいるところが映され、ジャックが映され、ピアノの前に座ってる友だちに合図、伴奏が始まると、「ララ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」を歌い出すジャック(この歌が、心がこもってていいのです!!)。照れるケイト。しかしやがて抱き合い、キスする二人、暖かく見守るみんな……』。このシーンは何度みても泣けてしまう。もう号泣です。「結婚記念日のプレゼントに、星にケイトの名前をつける」など、常に「ロマンチック」を意識し、誠実なジャック。だからこそ、結婚13年目でありながら、信じられないほど魅力的なケイト(まあ、ティア・レオーニだからといってしまえばそれまでですが)なのでしょう。そしてかわいくておしゃまな子供たち。全編に溢れる暖かいムード、もう文句なしにボクにとってのナンバーワン映画です。
デンジャラス・ビューティー
【00米】110min
監督:ドナルド・ピートリー
出演:サンドラ・ブロック、マイケル・ケイン、
ベンジャミン・ブラット、
ストーリー:男勝りでお色気ゼロのFBI捜査官グレイシー(サンドラ・ブロック)が、「ミス・コンテスト」に 出場するハメになります。 連続爆弾犯逮捕のための潜入捜査が目的なのだが、 ゲイの美容コンサルタント(マイケル・ケイン)の 厳しい指導を受けるうち、いつしか彼女は 素敵なレディーに……、 サンドラ・ブロックの魅力をフルに活かしたセクシー&ゴージャスなアクション映画。マイケル・ケインほか脇役陣も充実。
コメント:ヒロインのグレイシーは、「磨かれて」きれいになりました。しかしそれは、ただ「見た目」がきれいになっただけではなく、「自ら隠していた」美点をさらけだしたからなのではないかと思うのです。「冒頭の少女時代のエピソード」に代表されるような、「彼女の優しい気持ち」を素直に出しても、誰も受けとめてくれない、それどころか出せば出すほどワリをくう、それならそんな連中に「素直な美点」など出すことはない、いちいち傷つくし、ならば隠しておこう。そして、こんなやつらには「ガサツ」にしていればいいんだ……、みたいな心理によって、彼女は知らず知らずそれが習慣になっていたのかもしれません。しかし「ミスコン代表」らしくなるように頑張り、「各州代表のミス」たちおよび、恋の相手となる「ジゴロ」の同僚男性捜査官などとのやりとり、友情の中で、「本当の素直な自分らしさを隠そうとする、空しい努力から自分を解放する」ことこそが、最善の道だということをしらずしらず悟ったのかもしれません。そしてそのことは、その男性捜査官にもあてはまり、「まわりの同僚たち」に合わせて、自分は「マッチョ」で「美形な女が好きなジゴロ」だと思いこんでいたのに、グレイシーに惹かれていくうちに、自分本来の「親切で思いやりのある紳士」の部分に目覚めていき、気づいたのではと思うのです。「本当の素直な自分らしさを『恥ずべきもの』として隠そうとする空しい努力からの離脱」、それこそがこの映画の隠されたテーマであって、だからこそ、「数あるコメディー」の中でも「傑作」に思えるのではないかと思いました。「ミスコン各州代表」の面々のなかで、 唯一例外的に「清純で真面目で誠実」な「よい子」であるシェリル役の娘が特にかわいく(ボクはこのコ大好きです)、他の「ミスコン代表」たちもさすがに 美女を揃えています。 しかし、それだけのそうそうたる美女が揃った 出演者たちの中で、 ボクが「1番きれい」だなあと思ったのは、 おそらく「50代を過ぎている」であろう「元理事長」役の女の人でして、「元ミスアメリカ」って役どころが ピッタリだなぁと思っていたのですが、 このお方、70年代に「ジャクリーン・ビセット」「ジョアンナ・シムカス」と並び称されていた という美人女優「キャンディス・バーゲン」 であるとのことでして、「どうりで〜〜」と、ボクは感嘆するとともに、 若き日の美貌も観てみたくなりました(今現在も、信じられないほどお美しいです、 40代前半で充分通ります)。
遠い空の向こうに
【99米】108min
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール、クリス・クーパー、
ローラ・ダーン、
ストーリー:ソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した。ウエスト・ヴァージニア州の炭坑の町コールウッドでこのニュースを見た少年ホーマーは、その日から友人3人を巻き込んでロケット作りを開始。何度も失敗を繰り返し研究を重ねる彼らは、やがて全米科学コンテストに出場することになる。優勝すれば大学進学の道が開けると夢を抱くホーマーは、その一方で炭坑夫として生きる父との確執を深めていく。
コメント: 何といってもこの父親がいいですね。あと、それまではホーマーに見向きもしなかったのに、英雄になるやコロッとホーマーにすりよるミーハーな美女、これを無視するとこ、心地よいです。
トーク・レディオ
【99米】109min
監督:オリヴァー・ストーン
出演:エリック・ボゴジアン、アレック・ボールドウィン、
エレン・グリーン、
ストーリー:バリーはテキサス州ダラスの地方局の深夜放送「ナイトトーク」の人気DJ。この番組は電話による聴取者参加番組で、日常の悩みから、セックス、人種問題、果ては犯罪までいろいろな人々からかかってくる電話とバリーとのやりとりで構成されている。彼が語ることはすべて真実だったが、言葉は汚く過激で聴取者の神経を逆なでし怒らせることが多かった。当然彼を憎む者もいたが、バリーのスキャンダラスな姿勢は人気を呼び、ついに番組は全国ネットに格上げされることに……。電波によって怪物化した言葉の恐ろしさをテーマにしたS・シンギュラーの著書に惚れ込み、自ら戯曲化・上演して話題を呼んだE・ボゴジアンが主演している。
コメント: 実際に起きた、「過激な政治的発言を繰り返すDJが、人種差別主義者の集団に襲われて殺害された事件」をモデルにしているようです。まだ「パソコン通信」も「インターネット」も「ストーカー」という言葉も、一般的に広まっていなかった時代につくられた映画であるにかかわらず、まさに「今」観たほうがより「ピンとくる」内容であり、時代を先取りしている作品といえましょう。同時に、『イージー・ライダー』『ミシシッピー・バーニング』などとともに、「アメリカの田舎の排他的な恐ろしさ」を描いた傑作でもあります。これを観ると、「石油利権をめぐる侵略戦争」を、「正義のための戦争」とすり替えるのがいかに簡単であるかということを思いしらされます。最も、「メールマガジン」や「ワイドショー」や「何も言わないマスコミ」などによって「どこかの国」においても、意のままに操られてしまっているのだとしたら、人のことは言えないのですが、そうでないことを祈りたいです。最後の方で主人公のDJは、「真の理解者である元妻の愛の告白」を、「仕事のため」に「拒絶」してしまうのですが、その「仕事」が、その行為に全く値しない「愚劣」で「下劣」なものであることを思い知らされ、「愕然」とします。今の「マスコミ関係」に携わっている人たちは多かれ少なかれ、彼と同じ思いを抱えつつ仕事をしているのではと思ってしまいました。
都会のアリス
【73西独】112min
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:リューディガー・フォーグラー、
イエラ・ロットレンダー、
リザ・クロイツァー、エッダ・ケッヘル、
ストーリー:アメリカの旅行記を書こうとしているドイツ人作家フィリップは、ひょんなことから9歳の少女アリスと知り合い、彼女の祖母の家を探して、ニューヨークから西ドイツへと旅をする……。
コメント:この何気なさがいいんです。
トップ・シークレット
【84米】93min
監督:ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、
ジュリー・ザッカー
出演:ヴァル・キルマー、ルーシー・ゲタリッジ、
オマー・シャリフ、
ストーリー:国際フェスティバル出演のため、東ドイツに招待された米国の人気ロック歌手が、そこで政治的陰謀に巻き込まれ、やっとの思いで国外に脱出するまでをコメディー・タッチで描く。コテコテのギャグが心地よい。
コメント:昔録画したビデオを整理している時にたまたまこの映画が入っていたので、上から重ねる前にと、ある意味「仕方なく」観た作品。なので全く期待しないで観たのでした。したらこれがいい!!吹き替えだったということも利点に働いたのかもしれませんが、とにかく「吉本新喜劇」顔負けのコテコテギャグが心地よい。「青い珊瑚礁」のパロディー、牛のシーンが最高。
トニー滝谷
【04日】75min
監督:市川 準 音楽:坂本 龍一
出演:イッセー尾形、宮沢 りえ、篠原 孝文、
西島 秀俊(ナレーション)、
ストーリー:第二次世界大戦中を上海のクラブでトロンボーンを吹いて過ごし、戦後刑務所に投獄され、間一髪で死を逃れ、戦後日本に戻ってきたジャズ・ミュージシャン・滝谷省三郎。
戦後すぐに彼の息子として生まれたトニー滝谷(イッセー尾形)は、成長してイラストレーターになりました。
やがて、彼の事務所に出入りする出版社員の女性(宮沢りえ)にプロポーズし、結婚します。彼女との結婚は、彼にとって「幸せそのもの」でした。それまで「孤独であることがあたりまえだった彼」にとって、「孤独ではないということ」は奇妙な状態であり、なので「もう一度孤独になったらどうしよう……」という恐怖感を感じるようになります。
「かたっぱしから洋服を買いまくること」以外において、妻となった彼女は、申し分なく優秀で最高な妻でした。しかし彼女は、来る日も来る日も洋服を買いまくります、部屋をまるごと一つ「衣裳室」に改造しなくてはならないほどに。
トニー滝谷にとって、結婚生活は幸せそのものでした。しかしそんな日々は、長くは続かず……。
コメント:まさしく「小説を読んでいるような映画」といった感じでして、「村上春樹の世界観」を、忠実に伝えているなぁと思いました。「村上春樹の研ぎ澄まされた言葉の数々」が、「西島秀俊の朴訥とした語り」によって立体的なものとなり、そこに「坂本龍一のピアノ」が寄り添いつつ、「カメラワークおよび映像」によって「幽玄なる世界」が綴られていきます。ホント「至福の75分間」でした、「ずっとこの映画の世界に浸っていたい」、そんな気持ちにさせられました。CMの仕事出身の市川準監督の作品ゆえ、確かに「映画的」でなく、「CMをつないだ感じ」という印象は、観る人によっては否めないのかもしれません、しかしボクは理屈抜きに楽しめましたし、その世界に魅了されました。また再び、「市川準監督による村上春樹作品の映画化作品」がつくられたらいいなぁと、心から思っている次第であります。
「洋服を買いまくる妻」、その「きれいな服をみると、買わずにはいられない」という様子を見て、「他人事」とは思えませんでした。確かに「体は1つしかないのに、そんなに服が必要なのだろうか?」というのは「真実」ですし、あれだけ買ったら、「一生のうちに同じ服を2回着ること」すらないかもしれませんし……。しかしそれでも「買わずにはいられない」という……。
ボクの場合それは「服」ではなく、「CD」だったり「DVD」だったりなのですが、それもよく考えてみると、もはや「全部をじっくり聴くため」に集めているのではないことは、明白かもしれません、「今まで集めた曲を編集したMDの数々」を、「再び全部聴く」ことは、それこそ「無人島に行く」ようなことがないかぎり、ムリでしょうし(無人島での電源は?とかそういうヤボな話は抜きにして)。それでも「自分にとって最高な曲および演奏たち」を集めずにはいられないのです、もちろん「聴き返すため」に「曲や演奏を集めている」のが目的でやっていることです、「聴き返した時に快適であるため」に、「曲順」にもちゃんと気を使っていますし。しかしこれだけ「膨大な量」になると、果たしてそんなに……、という点で、これではまるで、「トニー滝谷の妻にとっての服」と同じなのではないかと、思わずハッとさせられたのであります。しかしボクおよびトニー滝谷の妻は、それをすることを通して、「自分にとって最高であり、完璧なものとは何か」を完成させるための作業、「自分自身のアイデンティティーを明確にし、輪郭を研ぎ澄まさせていく作業」をしているのではないかと思うのです。「聴くためだけの適度な量だけ集める(着るためだけの適度な量の洋服だけを買う)」ということが出来れば、一番効率がいいことは確かです。しかし、そんなことはどう考えてもムリな気がします、少なくともボクには。なのでボクはこれから先も、「再び聴き返すかどうかわからない音源」を集め続けていくことでしょう(もちろん自分にとって「合格」である曲のみしか集めませんが)、確かに、ボクが死んだ時、これらのコレクションはどうなってしまうのだろうか?と考えると、時々不安になりますし、天災に見舞われたらどうしよう?と考えると、さらに不安になります。でも、ボクはある種の「本能」に基づいて、「自分自身のアイデンティティーの明確化作業」を続けていくことでしょう、それをやめた時、「トニー滝谷の妻」のように、「命の源泉を失う」ということになりかねないかもしれないし、などということを心のかたすみにおいておきつつ。
友だちのうちはどこ?
【87イラン】90min
監督:アッバス・キアロスタミ
出演:ババク・アハマッドプール、
アハマッド・アハマッドプール、
ホダバクシュ・デファイ、
ストーリー:友だちのノートをもって帰って来てしまった少年。そのノートがないと宿題が出来なくなり、たいへんなことになる……。そのノートを返すために、迷子になりながら友だちの家を探し回るが、空は段々暗くなってきた……。
コメント:伝わってきますヒシヒシと、この子の焦りと「どうしよう……」が。ボクは未だに「夏休みの宿題を全くやらなかったまま9月1日の朝を迎える」ようなたぐいの夢をたまに見るので……。しかも自分が罰せられるならまだしも、他の子がもしも届けなかったらひどいめにあうのですから。で、それほど親しくなく、家も知らない子の家を日が暮れるまでに探し、ノートを届けなければならないのにいろいろ邪魔は入るし、どうやっても見つからないし……。10才くらいの子にとって、隣の町に行くことは大冒険ですからね、しかも日が暮れた日にゃ……。子供になってハラハラドキドキさせていただきました。
友だちの恋人
【87仏】102min
監督:エリック・ロメール
出演:エマニュエル・ショーレ、ソフィ・ルノワール、
エリック・ヴィラール、
フランソワ・エリック・ジャンドロン、
ストーリー:市役所で働くブランシュ(女)は、職員食堂で学生・レア(女)と知り合います。気まぐれなレアは、ファビアンと同棲していますが、彼とうまが合いません。恋人のいないブランシュは、レアの知人のプレイボーイ・アレクサンドルに興味を示しますが、自分に自信が持てず、なかなか彼にアプローチ出来ません。レアは卒業を機にファビアンを捨て、街を去ろうとします。運命の悪戯で、ブランシュはファビアンと親しくなり、一夜をともにします。ところが、男と一緒の旅行から帰ってきたレアが、ファビアンと仲直りしたとブランシュに告げます。一方レアは、アレクサンドルに口説かれて……。
コメント:恋に臆病な若い女性官僚と、恋に奔放な女子学生との友情を軸に、それぞれの恋と人間模様を通して、「憧れ」と「自分がリラックス出来る相手」との狭間で悩みながら、本当に自分にピッタリな相手を見つけていく物語でして、「バカンスを一人で過ごしたくない」という、おそらく「フランス人に共通の強迫観念」を背景に、エスプリたっぷりに描かれています。おそらく「典型的なシャイで夢見がちな日本人」である自分にとって、「ブランシュ」と「ファビアン」に終始感情移入しまくりでして、対して「アレクサンドル」には、「バブル時に大量発生していた軽薄で要領良く有能な男たち」の面影を見て、終始いらだちを覚えていました、ある意味「レア」に対しても。なので、久々に「客観的」になれずにのめりこんで観てしまったのですが、それだけに、恥ずかしながら、自分にとって得た教訓は多かったように思います。でもまぁそれにしても、特に「フランス映画」を観ていつも思うのは、「劇中」で「典型的な美男美女」として描かれている男女が、ボクにとってはどうしても「どっちかというとさえない男女」にしか見えなく、逆に「さえない男女」として描かれている男女が、「なかなかの美男美女」としか見えませんので、そのへんのギャップにいつも苦しめられて(?)しまいます。本作でもまさにそうでして、なので観ながらずっと「レナはフランスでは美女」であり、「アレクサンドルはフランスでは美男」なんだなと、思いこみながら観続けていました。ともあれ、「ロメールを最初に観るならどれがいい?」と聞かれたら、ほぼ迷わず本作をあげたいなぁと思っている、そんな親しみやすい傑作であります。
ドリーマーズ
【03伊仏英米】117min
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演:マイケル・ピット、エヴァ・グリーン、ルイ・ガレル、
ロバン・ルヌーチ、アンナ・チャンセラー、
ストーリー:1968年、5月革命にゆれるパリ。「シネマテーク・フランセーズ」に 通いつめていた19才のアメリカ人留学生マシュー(マイケル・ピット)は、そこで神秘的な美しい双子の姉弟・イザベル(エヴァ・グリーン)とテオ(ルイ・ガレル)に出会います。 姉弟の両親が1カ月間旅行している間に、姉弟は姉弟が住むアパートにマシューを招き入れます。大人たちが不在の閉ざされた空間で、大の映画好きな3人は、初めは無邪気な「映画ゴッコ」に興じていましたが、やがて「自由奔放で脆く危険な愛と性のゲーム」にのめりこんでいき……。
コメント:観る前は「1968年のパリが舞台の懐古青春もの」というイメージでこの作品をとらえていたのですが、「R-18作品」だと知ってビックリ、観てみるとなるほど、「R-18作品」の看板にいつわりなしの、かなり「官能的な作品」でした。中盤以降の3人の美男美女はほとんど裸のままでして、観はじめた時のイメージからすると、まさかこうなるとはとビックリでした。とりわけのちに『007カジノ・ロワイヤル』で「ボンドガール」を演じる「エヴァ・グリーン」の美しくグラマラスな肢体と大胆な演技は 強烈な印象を残し、まさに「観て得した気分」です。
まさしく「パリの退廃的な姉弟と出会ったアメリカ人青年の官能的な日々」といった雰囲気なのですが、しかしただの「官能ポルノ作品」で終わらせてはいなく、「当時の社会状況」および「当時の青年たち」がそのまま抜け出してきたかのようなリアルさ、みずみずしさとともに、「ただの懐古調」に終わらせない「シニカルな風刺具合」が見事です。
「親がいない空間で若い男女が過ごしたらこうなるだろうなぁ」という、「退廃的かつロマンチックに閉じられた部屋の濃密な空気」は妖しくも魅力的で、思わずひきこまれます。「映画の自由を求めたヌーヴェルバーグ映画」に熱中しては「映画ごっこ」に興じ、「兄弟愛を超えた禁忌の性」に溺れては自分たちの殻に閉じこもる日々。まさしく「夢が現実化したような自由な日々」であり、「若者たちが求める自由と愛と夢がそこにある」かのように思えるものの、しかしそれは「刹那な幻」でしかなく、ましてや「自分たちで勝ちとったものではない」のであり、「ぬきさしならない現実」が「3人の夢見る若者たち=ドリーマーズ」にも訪れ、終焉を迎えます。
やがて「ささいな違和感」が3人の間に芽生え、アパートの外で起きている「デモ行進(暴動)の雰囲気」に突き動かされて、パリ在住の弟と姉は「デモ行進(暴動)」に参加するべく突発的に外に飛び出していきます。しかし彼らは、頭の中と口先だけで立派な理想論を語っても、「デモ行進(暴動)」を、新たな「現実から目をそらすための手段」として選んだだけのことであり、ただ雰囲気に流されただけのことです。そんな彼らを「現実に引き戻す」べく、「徴兵を逃れてきた平和主義者であるマシュー」が、彼らが暴動に加担しようとするのを必死で止めようと説得しても、 徒労に終わってしまいます。この「弟と姉」のような、「常に空虚で心の底では子供のように怯え続け、活動したくても何をしたらいいかわからず、何を目的にしているかさえもわからずに運動に参加し、現実的な制止を振り切って当然のように暴力の道を選ぶ姿」は、当時のほぼ全ての若者達の心の底に流れている「気分」だったのではないかと、当時を知らないボクは推測します。そして大半の若者達はやがてそんな「気分」を卒業し、そんな「若き日」を「若気の至り」として、「無茶やった思い出」として、誇らしげに酒の席で語るようになるのでしょう。この「映画」の「デモ行進(暴動)に参加した弟と姉」にしても、やがて「親のコネ」などで「いい職につく」可能性は大ですし(あらためて親に頭を下げて)、それこそ「学生時代の左翼ゴッコ歴を誇らしげに語る某売国保守系政治家」のようになっている可能性もまた大なことでしょうし……。
監督自身が「5月革命」当時にどのような立場だったかはわかりませんが、おそらく「運動に参加していた側の立場」だったのではないかと思え、だとすると、自身の「若気の至り」を自省的に描いた作品という側面もまたあるのかなぁと思えてきます。「暴動における容赦なき破壊活動描写」および「痛すぎる毛沢東礼賛と正当な毛沢東批判の対比」および「退廃的かつ自由な空間がみるみる腐りかけていくリアルな描写」を目の当たりにするにつけ。
いずれにしても本作品は、ノスタルジックなムードの中に、今もって通用するメッセージおよび警告を含ませた官能娯楽作品であり、理屈抜きにボクは楽しめました。
トリュフォーの思春期
【76仏】105min
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジョリー・デムソー、フィリップ・ゴールドマン、
シルヴィー・グレゼル、
ストーリー:舞台はフランス中部のティエールという町。夏休みを前にした日々を様々な年代の子供たちが駆け抜ける。10階の窓から落っこちても傷ひとつなかったグレゴリー坊や。家に置いてきぼりにされたシルヴィーは、拡声器を使って「おなかすいた!」と近所に実況中継。上級生になると、映画館にしのびこんだり、女の子をナンパしたりとけっこうやってくれる。そんな時、転校してきた少年が、母親に虐待されていたことが発覚する……。
コメント:様々な子供たちの日常を淡々と描いています。そしてそれはほのぼのとして心地よいリズムによって描かれます。しかし最後に虐待されている子供を登場させます。身体検査で虐待の事実を知りその母と祖母は逮捕され、彼は施設に行くことになる。夏休み前、子供たちを前にして先生はそのことを説明します。そして最後に「キミたちが親になった時、子供を愛する親になってください。愛すれば、必ず愛されます」と話す。それはトリュフォー自身の宣言にも聞こえます。「たとえ愛を与えられることなく孤独に子ども時代を過ごしても、自分は愛されたことがなくても、自分は子どもを愛するぞ」という宣言のように。