これは、「ロック画報」12号〈2003年6月25日発行〉に
掲載された、『玉琴へのジョギング』のCDレヴューを
転載させて頂いたものです。
連続射殺魔のリーダー、というより射殺魔というバンドそのものだった和田哲郎のシングル・コレクション。「琴桃川凛メイキングラヴ」を結成する前の音源を網羅した。未発表曲も多数ある。
驚くべきアルバムである。このような音世界が、たった一人のミュージシャンの頭の中で、どうして創り得たのか。理解不能な事象の前で、人は恐れを抱く。2枚組31曲を通して聴くときおぼえるのは、その恐れに似た感情だ。
DISC1@やAのような射殺魔ファンにはおなじみのサイケデリック/ヘビーギターでアルバムは始まる。その過去を遮断・否定するかのような劇団キラキラ社の公演用音楽などが続く。日本メーキャップ協会のイベント用に書き下ろしたというGなど、どうにもふざけきったロックン・ロール・パロディ。町田町蔵や山口冨士夫のために書いたNO、そして江戸アケミとのSなど、パンク/ニュー・ウェーブ/ダブを疾走する作品群。DISC2になるとさらに事態は混迷してきて、アバンギャルド・ジャズの先端をいく@や、ダダイストなFなど、絢爛豪華な音の曼荼羅に頭は混乱、卒倒しそうになる。
まだある。こんなことを誉めるのもどうかと思うが、和田自身によるブックレット解説がまた、なんともすごいのだ。町蔵やアケミ、冨士夫やジョン・ゾーンらとの邂逅と別離が、乾いた諧謔の文体のうちに描かれ、太宰や安吾を思わせるほとんど一遍の文学作品。真偽のほどは定かでないが、「最初は字が思い出せない為、口述筆記だった。(勉学そのものを中学2年で放棄しているからだ)」とある。こういうのを読むと、筆を折りたくなる。嫌な人だ。
『玉琴へのジョギング 1977〜1987 連続射殺魔シングルコレクション』
OZD-101〜2 ¥3,800
DISC1
@愛して欲しい AG線上のアリア BOh!Child C素敵な貴方 D甘美陰鬱 E素敵な貴方(デモヴァージョン) F北海道 G風船 HWhite&Blue(イントロヴァージョン) INew Big Barn JI want your 'The Big 'KAll together now L朝焼けにシビレテネムレ MLove song's love(突然卍固めヴァージョン) NLove song's love(町田デモヴァージョン) OPimp Mobel(A) PPimp Mobel(うたがない) QPimp Mobel(B) RPimp Mobel(ギターがからむ) Sジョギングの歌
DISC2
@Mobile Chocolate ANew Bop(A) BNew Bop(B) CGood night DShake your hip ESleeper Hold FW arm surrplex hold G玉琴 H流転(78.3.22.渋谷屋根裏) IE improvisation(78.3.22.渋谷屋根裏) JAm Blues(78.3.22.渋谷屋根裏)
