琴桃川凛 メイキングラヴを語る事の難しさ 〔3〕
琴桃川凛&坪内商用車(バンと呼んでくれい)

〔2003.07.19*これは旧サイトmft2001(2002.06.13)のものです〕



琴 :
坪内、今日は『琴桃川凛』という名前のたどる道についてだ。


坪 :
おい、バンと呼んでくれい。


琴 :
お前、自分が『バン』と人から呼ばれる様になるのにどの位かかると思う?


坪 :
さーあ、だってバンと呼んでくれいと云う事自体が目的だから。


琴 :
実はさ『琴桃川凛』て名乗ってから"凛ちゃん"と呼ばれるまで、アッという間だったんだよ。


坪 :
和田哲郎と知ってた人間はどうなるんだ?


琴 :
そうだよ。そこで猛然、かつ不思議な認識闘争みたいなものが繰り広げられるんだよ。


坪 :
ひょっとしてお前そっちのけで?


琴 :
そう、そこが面白い所でさ。人ってゆーのは、一度そう認識したら自分の人格に関わる事らしく、中々撤回出来ないらしいんだ。


坪 :
琴桃川凛という名の発足自体から、昔の男達の嫌悪が始まってたんだな。


琴 :
だってお前は『和田哲郎』だろと、そりゃあシツコイんだ。


坪 :
そんな事云ってたら、オレはどうなるんだ。


琴 :
お前はバンだろ。


坪 :
ハハハ。お前は凛ちゃんか。


琴 :
お前さ、どっかのメーカーから『凛』って云う中国緑茶が売られているの知ってるよな。


坪 :
そりゃ知ってるよ。あんだけ、TVCMやられりゃなあ。お前またあの『凛』と『琴桃川凛』を結びつける論理展開でもやるわけ?


琴 :
その通りだよ。『凛』と云うのはな、俺が1986年頃からまき続けている"ミーム"なんだよ。


坪 :
何だそりゃ。


琴 :
お前"ミーム"知らないのか?よくそれで評論家やってるな。


坪 :
知り過ぎるとやれない事もあるのがこの世の常。


琴 :
お前ベートーベンの第5『運命』知ってるよな。


坪 :
おう"ジャジャジャジャーン"だな。


琴 :
それだよ、"ミーム"って。


坪 :
はぁ?


琴 :
今、お前の云った"ジャジャジャジャーン"はあの『運命』という曲全体を表していると思うか


坪 :
そりゃまぁ、印象を云っているとは思うけど…。


琴 :
あの曲を最後までちゃんと知ってるか?


坪 :
そう云えば聞いた事あったけなあ…。それにあの曲は第4楽章までだっけ?


琴 :
でも、お前は『運命』を知った気になってるよな


坪 :
そうだ。


琴 :
と云った所で、今更、家のステレオを大音響で近所中に聞こえるようにかけて聞く事出来るか?


坪 :
何か気恥ずかしいな。


琴 :
だろ。それも"ミーム"のせいなんだよ。


坪 :
実のところオレは『運命』と云う曲自体を知らないんだな。


琴 :
そうだよ。お前の云っているのは"ミーム"なんだよ。そして"ミーム"のせいでまともに聞く事が出来ないんだよ。


坪 :
つまり『琴桃川凛』と聞くと、知ってる気になってる人間が結構多いのも…。


琴 :
"ミーム"だよ。『琴桃川凛』を知ってる訳じゃないよ。


坪 :
ああ"女装"ね、とか云う奴等だな。それじゃ聞けないよな。


琴 :
そーゆー"本物っぽい"ロックが好きな連中の『琴桃川凛』に対する批判としてよく云われるのが、宣伝量の多さらしいんだよ。


坪 :
でもお前って所詮、自主製作だよな。


琴 :
そうなんだよ。『琴桃川凛』より膨大な量の宣伝費をバンドなどメジャー、インディーズ問わず幾らでもあるんだけど、結局どれも大半は記憶に残ってないだろ。


坪 :
それって"ミーム"として優秀でないって事か。


琴 :
そうなんだよ。おかしな事にさ、"本物は宣伝しなくても売れる"という概念自体は優秀な"ミーム"なんだよ。


坪 :
"ミーム"ってウィルス性なのか?


琴 :
おっいい所に気が付いたな。つまり人から人の脳に転写される概念で、厄介なのは、その人間自体の人格にまでなっちゃうんだよ。


坪 :
つまり、優秀な"ミーム"は写された人間が積極的に他人への転写を行う、よってどんどん浸透するって事か。


琴 :
その内、自分がなんでそれ云ってるのか解らなくなるんだよ。


坪 :
お前が琴桃川凛を名乗る前の"凛"の字のつく有名人って誰?


琴 :
俺の知っている限りでは、脚本家の『高木凛』だけ。


坪 :
誰、それ?


琴 :
ほら、結局そんな程度だよ。しかもただのオッサンだぜ、高木凛は。


坪 :
"凛"という名前にオッサンのイメージはないわな。


琴 :
"凛"の字本来の意味って"凛々しい"で表されるように、勇ましいという事なんだよ。


坪 :
キリッ!


琴 :
でもお前の"凛"という字に対する感じって何だ?


坪 :
なんか可愛いような……スーッとした女性的イメージかな。


琴 :
だからそれだよ。それが俺がまいた"凛"の"ミーム"だよ。"凛"の字には男性的な意味しかないんだから。


坪 :
でも皆、知らないで使ってるよな。


琴 :
そうだろ、化粧品のポスターコピーにも使われてたぞ。


坪 :
そういえば極楽とんぼの加藤の嫁さん"緒沢凛"っていうんだよ。当然芸名だけどさ。もっと変なのが、失楽園というアホ小説の主人公"凛子"だな。そんな名前あるかい。


琴 :
でもな、渡辺淳一が『琴桃川凛』を知ってたと思うか?


坪 :
まさか。


琴 :
だろ。だから"凛"は"ミーム"なんだよ。


坪 :
官能小説の大家が"凛"の字に感じてしまったのか。


琴 :
多分な。正しく意味を取ってたら、ホモ小説になるはずなのにさ。


坪 :
可愛いと思ってアイドルの名前になるのか。


琴 :
そう。


坪 :
風俗嬢やSM女王が源氏名にするのは?


琴 :
あれは多分『琴桃川凛』を知っていて好きなだけだから、まだミームとは云えないだろ。


坪 :
では"中国緑茶 凛"は何にも知らないどっかの広告代理店のボケ頭にコピーのコピーのまたコピーされた"凛"の字が飛び込んで命名されたというわけ?


琴 :
そう、あのCMは劉備玄徳の騎馬武者姿にするのが正しい。だって意味違うんだから。金田一京助に怒って貰わなくちゃ。


坪 :
お前は日本語の乱れに一役買ってしまったのか。


琴 :
計らずも。だって"ミーム"として優秀かどうかは云ってみるまで解らないのだから。でもな、俺よりももっと凄いのがあるんだよ。


坪 :
おっ、また昔のエピソード集か?


琴 :
そうだよ。お前、ブルーコメッツのブルーシャトウの替え歌、当然知ってるよな。


坪 :
そりゃ誰だって知ってるよ。


琴 :
俺、あれの発生源を知ってるんだ。


坪 :
オーイ、本当かよ。お前の昔の友人達って皆名うての嘘つき揃いだからな。


琴 :
それは俺も認めるけど、自分はつまらない人間ですから、などと云う率直さは現代社会の病理構造にも繋がるわけで……。


坪 :
そーゆー話は今日はもういいからー。誰なんだよ、さっきのは?


琴 :
実はな、イカなんだよ。


坪 :
オーイ、悟りを求める人がそんな嘘ついていいのか?


琴 :
小学校4年生当時だから、まだ悟りは関係ないだろうな。


坪 :
何だよ、腹でも減ってたのか?


琴 :
いや本当にそうらしいんだ。親が画家で貧乏だったらしいから。


坪 :
で、トンカツ喰いたいなぁと?


琴 :
子供らしいだろ。


坪 :
オレ、解ったわ。関西人ってやっぱり唯の嘘つきだわ。


琴 :
オレ、当時のイカの言動を信じるしかない立場だったんだよ。


坪 :
お前が弱者なのか?


琴 :
孤独ってキビシーぞ。


坪 :
宗教者ってそーゆー事につけ入るからな。


琴 :
俺もあれに関しては半信半疑なんだけどな……。


坪 :
お前、ハッキリ云って半信するだけでもおかしいぞ。


琴 :
いや関西人だけに……。


坪 :
ハンシンか?アホらし。ひょっとして宗教って"ミーム"か?


琴 :
当たり。


:*:*:"ミーム"については『ミーム学入門』を参照下さい。:*:*:
著者、出版社名は忘れました。



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