静電気とは


摩擦によって電気は発生
 プラスチックの下敷きをこすって頭にかざすと、髪の毛が逆立ち ます。これは静電気による現象。静電気は、おもに物と物をこすり 合わせた時に生じるため、摩擦電気とも呼ばれます。  すべての物質にはプラス(+)とマイナス(l)の電気が存在し、 通常はプラスとマイナスがつり合った中性の状態にあります。とこ ろが、2つの物質をこすり合わせたりすると、一方はプラスの、もう 一方はマイナスの電気を帯びます。この状態を「帯電」と言います。  プラスチックやゴムなどの不導体が帯電すると、その場から簡単に は移動できません。この動かない電気が静電気。一方、導体である金 属も同様に帯電しますが、すぐに分散したり、流れ去ってしまいます。

◆電流が「川」なら、静電気は「池」
 静電気は、摩擦が繰り返されると、その場に蓄積されます。そして、 そこに導体である物質が触れれば、そちらに流れていきます。たと えば、人体と衣服がすれ合った場合、発生した静電気は、接触して いる人体へと流れます。多少は中和されますが、他に流れていくと ころがないと、どんどん人体に蓄積されてしまうのです。  この静電気、電気には違いないものの、電気量は非常に小さく、 電化製品などを動かせるほどの電力は得られません。一方、「静」に 対し、「動」にあたるのが、日頃、私たちが使っている電気。その違い は、よく池と川にたとえられます。川では、電気がまるでバケツリレ ーのように次から次へと移動していき、その流れが電流となります。
◆ビリッとくる原因とは
 指を金属製のドアノブに近づけた時などに、 ビリッとくる電撃が 「放電」。ほとんどの場合、ドアノブではなく、人体に電気がたまっ ていたことが原因です。そのメカニズムは次の通りです。 @人体にたまった電気は、皮膚表面の細くて尖ったところに集まる。 すなわち指先。 Aその指を金属製のドアノブに近づけると、ドアノブの表面は指と 反対の電気を帯びる。たとえば、人体にプラスの電気がたまってい た場合、ドアノブ表面はマイナスの電気を帯びる。 H指先とドアノブの問で電気が流れようとして放電が起こる。  指先で感じる電撃は、そこで電気が流れた証拠です。放電とは、人 と金属、人と人といった導体同士が触れ合う際に起こる、ごく小規模 な雷のようなもの。確かにその時のショックは大きいと言えますが、 一瞬のことなので、人体に影響を与えるほどのものではありません。
プラスとマイナス、導体と不導体って  物質のプラスとマイナスは、すべて の物質の元になっている原子に由来し ています。原子は、プラスの電気をも つ原子核と、マイナスの電気をもつ電 子によって構成されており、中心にあ る原子核の周りを電子がクルクルと回 っています。  本来、原子のプラスとマイナスは同 じ数でつり合っていますが、物質に摩 擦などの力が加わると、電子の中でも 自由に動き回れるものは軌道から外 れ、外へ飛び出していきます。このこ とによってバランスが崩れ、電気的な 性質が現れるようになります。  自由に動き回れる電子の多少によっ て、物質は大きく2つに分けられます。 自由な電子が多い物は電気が流れやす く、導体(金属や人体など)と呼ばれ、 一方、自由な電子がほとんどない物は 電気が流れず、不導体または絶縁体 (布、空気、ガラス、木、ゴム、プラ スチックなど)と呼ばれています。

◆どちらに帯電するかは相手次第
 静電気はすれ合う相手によって、プラスに帯電することもあれば、 マイナスに帯電することもあります。下の帯電列表は、さまざまな素 材同士の帯電の関係を表にしたもの。  絹と木綿を例にとってみると、両者の摩擦によって、プラス側に位 置する絹がプラスに、木綿はマイナスに帯電するということを表して います。同じ絹でもウールが相手の場合、今度は絹がマイナスになり、 ウールはプラスに帯電します。また、素材同士の位置関係が離れれば 離れるほど、帯電する量が多くなります。
◆不快なパチパチを防ぐには室内を加湿
 まずは居間の中に、静電気の発生源がいかに多いか見てみましょう。  暮らしている人間、ソファー、椅子、カーペット、スリッパ、コタツの 上掛け布団やコタツ敷き等々、摩擦が起こりそうな箇所は多種多様。何 をするにしても摩擦は起こる上、テレビなどはもともと帯電しています。  また、人体の帯電の仕方はいろいろで、静電気のたまった部分と直接触 れ合っていなくても帯電してしまうことがあります。ここでは一例として、 ウールのカーペットの上を塩化ビニル製のスリッパで歩いた場合、それぞ れの箇所でどのような帯電が起こるのかをイラストでご紹介しましょう。  静電気は、年間を通じて発生しています。にもかかわらず冬になると 静電気に悩まされる人が増えるのは、実は空気の乾燥が原因なのです。  そこで、冬場の静電気によるパチパチを防ぐには、室内を加湿する のが一番です。水は電気を流すので、生じた電気は湿った空気を通し て流れ去ってしまうからです。ただし、加湿しすぎると結露の原因と なってしまうので、湿度50%くらいを目安にしましょう。
◆冬の衣類は素材と組み合わせを考えて
 冬場、洋服を脱ぐ際、何だかいつもよりパテパチするなあと感じた ことはありませんか。そんな時は、着ているものの組み合わせが原因 となっている場合があります。  近年、優れた保温性から冬の着衣として人気のフリース素材(ポリエ ステル100%)の洋服と、ウールセーターとの着合わせ。帯電列表を見て みると、静電気の観点からは、あまりお勧めできないと言えます。同様 に、ウールセーターの下にブラウスを着るなら、ポリエステルに比べ、 絹や木綿の方が帯電量が少なくなることが分かります。  また、ウール、絹、木綿、麻など天然素材のものは保湿性に優れている ため、静電気がたまりにくいと言われています。  けれども、静電気が気になるあまり、好きな洋服が着られない、という のは悲しいもの。次にご紹介する対策も参考にしてみてください




  


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