
俺はJR高架下の小さなスペースで煙草屋をしている。古い高架なので二階には狭い部屋があり、そこで寝起きしながら細々と生計を立てている、38歳で独身とは情けない話であるが・・・。
駅の繁華街から離れた所で、自動販売機だけではあまり売り上げが上がらず、煙草はほぼ全種類と洋モク、趣味も兼ねてパイプやキセルなども揃えていると、けっこうそれ目当ての客がついてくれている。
午後7時頃には人通りも途絶え閉店時となる。回りの商店主達は当然別に家を持っているので、この通り内に住んでいるのは俺だけだ。夜に走っている夜行や貨物列車の音と振動も、子守歌のように慣れてしまった。
午後7時に、大学時代から20年の付き合いになる友達から電話が入る。出張先で、うまいツマミを買ってきたので、一杯やろうと言うことだった。
奴は俺と違って三流だが商社に就職し、忙しく日本中を飛び回っている。結婚も早く、就職して3年目の25歳のときに4歳年上の同僚と社内婚。俺が見るところ気のいい奴のこと、別に取り立てて美人でもなくこれといった特徴も取り柄もない年上女にうまくハメられたって感じか・・・。
当然、亭主の友達でもある俺とも付き合うようになったのだが、気遣いも愛想もするわけでなく、どちらかと言えば面倒くさそうに見える。
結婚後退社してから、三食昼寝付きの生活にすっぽりと収まり、子供もいないせいか最近は奴よりも太り、買い物もロクに行かないらしい。
数年前から奴は、出張から戻ってくるとよく俺を誘って帰宅する。
まあこんな女房だから理由はだいたい察しがつく。
駅で待ち合わせをして一緒に家に行った。数年前に通勤圏内なので、小さいが土地付き中古住宅を30年ローンを組んで買っていた。
「おい、今帰ったぞ。大槻も一緒や」
狭い玄関を入ってすぐにヤツが怒鳴った。
「こんばんわぁ、毎度です」
「おかえり、ああ、大槻さんいらっしゃい」
寝そべってテレビを見ていた晴美は、奥の居間から顔を覘かせた。
「私は食事済ましたし、あなたの分はテーブルにおいてるわ、一緒なら、連絡ぐらいしてよ」
「あほか、いつもの事やろ。つまみは買ってきたから適当にする。ビールだけ出しといてくれ!それとふろ沸いてるんやろうな?」
「沸いてるわ、あたし二階にいるから。大槻さんゆっくりしていってくださいね、ごめんね何にもなくて、それじゃあ」
晴美は珍しく愛想を言ってビールをテーブルにおき、太った体をゆすりながら階段を上っていく。
大抵は「どうも」と言ったきり二階に上がって降りても来ないのに、今日は機嫌がいいのか。この女には自分の友達でなくても、亭主の友達なら一杯ぐらいはビールをついだり、付き合ったりする可愛さが無い。もっとも、いつもただ酒を飲みに来やがってと思われているのかもしれないが、誘いを断っても、奴に拝まれるからこっちは気を使いながら来てるんだ、と言ってやりたくなる。
「俺は先に風呂に入って汗を流すわ、お前先に一杯やっとけや」
「分かった、その前にトイレ借りるわ」
トイレは狭い家の作りのため、玄関の上がり口横にある。
この家には色々と不満はあるが、密かな楽しみもある。
トイレに入る時に下駄箱から、靴を一足こっそりと拝借していくのである。
今日も奴や晴美がいないのを充分に確認し、素早く婦人靴を持って入った。
24.5cmの大きな黒皮パンプス、足の指の形に皮が型くずれし、中張りに足の形が脂と汗で茶色にクッキリとついている。
持って入った瞬間、プーンと足の匂いがトイレに広まった。いつも以上に匂いがきつい、多分外出に履いていたのだろう、おお、今日はラッキーだ。
ゆっくりと鼻を靴に近づけていく、臭い臭い匂いが鼻の奥深くへと入っていくと同時に、俺のチ〇ポは勃起していく。
俺は小学校の頃に、姿勢が良くなるというので畳敷きの習字教室に通わされていた。男子は4,5人位、ほとんどが仕事帰りのOLや学校帰りの女学生だった。正座をするため当然みんな靴下になるが、これが墨の甘い匂いと混じり何とも言えず臭い、生徒の数から言ってもほとんどは女学生の靴下や足からの匂いになる。
先生はもうオバさんだったが綺麗な女性で、いつも和服姿だった。先生は臭くないのかと思いながら俺自身この教室の、いや汗や脂まみれになった、靴の中で蒸れかえった靴下や足の匂いに安心感と、当時では分らない何らかの感情を持つようになっていた。
クラスの男子から嫌われていた、ブスで意地悪な学級委員長の米田益美もここに通っていたが、喋るのもムカつく益美の強烈な靴下の匂いを嗅いだ瞬間、俺は堪らなく好きになっていた。
それほどこの習字教室は、俺の女性に対する想いと足の匂いを切り離して考えられないくらい、後々の匂いによる性的興奮や衝動に多大な影響を与えた。
当時匂いに感じていたのは、同い年から中学生の女達の匂いはまだまだ酸っぱくて深緑のミカンのような感じ、高校生になってくると少し甘みが増して、鼻の奥に吸い込むと甘みがザラザラとしたイチゴみたいな感じになる。それがOL等になると、鼻に入った時の強烈な酸っぱさがトロンとした甘みにすぐに変わる、まるで熟れたメロンのように思えた。
だが今から思うと一番足の匂いフェチは先生だったのだろう。教室のあんなに臭い中に埋もれながら、いつもニコニコと、入って間が無く正座に慣れていない子の足を正したり、疲れた子の足の裏のツボをマッサージをしては微笑んでいた。
中学に入ってから覚えたオナニーで想像するオカズは、無理やりこの先生や益美の足の匂いを嗅いだり自分のを嗅がせたりするものだった。実際に女性と付き合ってからも、嫌がる女の足の匂いを嗅ぐのが一番興奮する行為になっていた。私がいまだに独身なのは、これを満足させてくれる女に巡り会っていないからかもしれない。
今日の晴美の靴の匂いは最高だった。もっと嗅ぐため、指を突っ込んで奥の方から中張りをめくって出すと、足の指形がクッキリ汗と脂で付き、一番臭い親指のあたりに鼻を近づけると、頭の中でカキーンと言う音がこだました。
今、俺は友達の家のトイレの中で、友達の女房の晴美のことを、別に普段は女として何も感じ無い晴美が、亭主の親友に対して無愛想で無礼な晴美が、「ほら臭い。お前は本当に臭い足をしたイヤラしい女だね〜晴美。こんなに臭い足を匂われて嬉しいだろ〜、ほら、どうだ晴美〜」と俺に辱められ、中年太りの体をクネクネとよじらせながら臭い足を匂われて感じ、悦んでいるのを頭の中で想像しながらチ〇ポをしごいている。金のない中年の俺は当然女性との出会いも少なく、水や風俗にも行けない。モラル的にはタブーな事だが、こうして晴美の一部に実際に手が届くと我を忘れて妄想に浸れる。晴美は今の所一番身近で現実的な可能性を持つ貴重な存在なのかもしれない。
奴が風呂から上がる前に使ったペーパーを流し、靴を返して居間に戻った。
エッ・・・・・・、居間には晴美が座っていて、
「大槻さん、たまには私もお付き合いしますね」
笑いながらそう言ってビールを注いでいる。俺はいつもとちょっと違う様子に、分るはずはないだろうが、今してきたことを悟られないように必死になった。
何だかあまり酔えずに帰宅したが、鼻にコビリ付いた晴美の靴の匂いがぶり返し、また同じ妄想をしながらオナニーをして果てた。