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「東京漫歩」 第4回 神田川に沿って
2003年2月23日
2003年4月 1日
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| 4月の神田川は桜のトンネル |
<2月23日>
「あなたはもう忘れたかしら・・・」「窓の下には神田川・・・」
70年代半ばの大ヒットソング、今は懐かしいかぐや姫の「神田川」の一節です。この歌に郷愁を感じる方も多いと思います。今回は、その神田川に沿って、高田馬場から飯田橋まで歩いてみました。
なお、4月の桜満開の時にも歩きましたが、そのときの記録は末尾にあります。
神田川は、武蔵野の井の頭池(湧水)を水源とし、浅草で隅田川に合流するまでの24.6kmにわたり、東京の市街地を西から東へ横断して流れる川です。かつては「神田上水」と言われ、江戸市民の貴重な生活用水を供給してくれていたそうです。
高田馬場駅(早稲田口)から早稲田通りを東へ行き、明治通りを北(左)へ曲がればすぐに川に突き当たります。都電荒川線が交わる高戸橋交差点です。
この交差点から東へは、川沿いに遊歩道が整備されており、気持ちよく歩くことが出来ます。延々と続く両岸の桜並木は巨樹も多く、実に立派なもので、花の時期には素晴らしいと思われます。川面に桜の花びらがちらちら散る姿が目に浮かびます。
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| 高田馬場付近 | 見事な桜並木 |
都会の中の川は、まるで忘れ去られたような存在です。建物はすべて表通りに面するように建てられているため、裏の川に接する側はいつも静かで、たまに通りかかるのはジョギングやウォーキングをしている方がほとんど。東京のど真ん中とは思えない静けさです。護岸はすべてコンクリートで固められ、自然の川の趣きは無くなってしまっていますが、水面には鳥が遊び、水は絶え間なくゆったりと流れ、見ていると不思議に心が落ち着きます。水質は大阪の道頓堀川などと比べるといいようですし、わずかな勾配と思われるのに、所々急な流れもあって、せせらぎの音が心地よく響きます。
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| 桜の巨木が並ぶ遊歩道 | 水源から17.1km、隅田川まで7.5km |
美女が身を投げたという伝説の地、都電の面影橋駅の付近では一度大通りと合流しますが、再び静かな遊歩道となり、やがて左手にこんもりとした森が見えてきます。南から北へ橋を渡りその森を目指します。森は「江戸川公園」で、もともとは細川越中守の下屋敷庭園だそうです。回遊式泉水庭園で、鯉が泳ぐ池の周囲には花菖蒲が植えられ、桜や梅の木も多くて、美しい公園になっています。ちょうど紅白の梅が見頃で、目を楽しませてくれます。江戸時代の情緒そのままの庭園をゆっくり一周しました(入園無料)。
江戸川公園を出て神田川の北側(左岸)を辿ると、左に急な階段が現れます。これが「胸突坂」という坂で、神田川べりから、左に永青文庫(細川家下屋敷)、右に蕉雨園(田中光顕旧邸)を見ながら目白通りに至る坂です。坂の登り口には神田上水の守護神である水神社もあります。名前の通り確かに胸を突くような急な坂です。
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| 胸突坂 | 別天地のような江戸川公園 |
この胸突坂のすぐ東には関口芭蕉庵があります。私は寡聞にして、今まで松尾芭蕉が神田上水の改修工事に携わったとはつゆ知りませんでした。芭蕉は早稲田の田んぼを琵琶湖に見立ててこよなく愛したのだそうです。
ここからは新江戸川公園の中を歩くことになります。ずっと緑の中を歩き続けて、まるで郊外へハイキングに来たような気分になります。ベンチで鳩と戯れながら昼食を摂り、休憩します。
細長い公園を抜けると車道に合し、ここからは神田川の上を高速道路が走るようになります。こうなると残念ながら風情は台無しで、川の水も日が当たらず黒ずんで見えます。大阪でもよく見かける光景ですが、土地の有効利用とは言え、上を高速道路に占領された川はまるで死んだように見えます。何車線もある広い道路の端をコンクリートの水路と化して静かに流れる神田川。自らの運命を悲しんでいるようにも見えるのです。
やがて飯田橋の交差点に到着。この手前左(北)側には、小石川後楽園という素晴らしいスポットがありますが、次回の楽しみに取っておくことにしました。今日の散歩はここまで。都会の真っ只中ではありますが、たゆまなく流れる水は心を和ませてくれます。いつか機会を見つけて、水源の井の頭池から終点の浅草隅田川まで、通しで歩いてみたいものです。
<4月1日>
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神田川に枝を広げる桜
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今年の桜は開花宣言からほんの数日で満開。朝、出勤前に桜のトンネルを見に行きました。
2ヶ月前には堅い蕾だった桜並木は、見渡す限り花、花、花で、同じ並木道とは思えないほどの雰囲気の変わりようです。冬枯れの並木は華やかなピンクのトンネルと化し、まばゆいばかりの美しさ。上野公園や千鳥ヶ淵とはまた違う、どこかひそやかな、それでいて美しさでは決して引けを取らない素晴らしさです。カメラを抱えた方を早朝からあちこちで見かけます。出勤途中に思わず立ち止まって見入ってしまう人も・・・。やはり桜の美しさは圧倒的なものがあって、花の王者と言うにふさわしいものです。
面影橋から早稲田まで満開の桜の下をゆっくり歩き、存分に花見を楽しみました。桜の名所はたくさんありますが、この神田川沿いの桜並木は、東京でも有数のものだと思います。酔客やごみの散乱に悩まされることもなく、桜の美しさを心行くまで楽しめると言う点では、ねらい目かも知れませんね。
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