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漫歩計の 

「東京漫歩」 第10回 井の頭公園・吉祥寺
2003年5月5日

 連休の最終日、武蔵野の井の頭公園の散歩に出かけました。神田川の水源でもあるこの公園は、武蔵野の森の面影を残す29万uもの広大な公園で、池の周囲には自然文化園・動物園や人気の宮崎駿のジブリ美術館などもあります。吉祥寺の個性的なショッピング街と合わせて訪れて見ました。

 中央線の吉祥寺駅から南へ、ショッピング街と瀟洒な住宅街を通り抜けると、巨木の林立する雑木林に覆われた公園に入ります。連休とあって、大変な人出。屋台が出て威勢の良い声が響きます。「店を出してはいけません」という表示があるにもかかわらず、何十人もの人が地面に敷物を敷いて勝手にいろんな物を売っています。まるでリサイクルショップのよう。野外音楽堂ではなにやら演奏が行われています。庶民の活気を感じられる公園です。

井の頭池メタセコイアの新緑
井の頭池
メタセコイアの新緑

 江戸時代は町民の水がめだったという井の頭池を右に見ながら、自然文化園に入ります。メタセコイアの新緑が眩しいほどに鮮やかで、こういう美しい緑を見るとうきうきしてしまいます。井の頭池は武蔵野に多い湧水の代表格で、徳川時代に江戸まで「神田上水」として水路が整備され、数百年に渡って上水道として首都江戸・東京の住民の喉を潤したのです。井戸を掘っても塩水しか出なかった江戸の町は、この神田上水によって都になり得たのですね。先日歩いた神田川、今は忘れ去られたような存在ですが、つい100年前までは東京のライフラインだったということなのです。

 井の頭自然文化園は、噴水や花壇などを始め、良く整備された美しい公園で、(人が多いのを除けば)この上なく気持ちのいい散歩道です。園内にはいろんな動物が飼育され、動物園の役割も果たしています。たくさんの子供たちや家族連れ、若いカップルも、そして老夫婦も、みんなそれぞれのやり方で楽しんでいます。山が近くにない東京ですが、こういういい公園がたくさんあるのは羨ましいと思います。

 自然文化園は2箇所に分かれており、一度園外へ出て森を通り抜け、再びゲートがあってそこを入ります。この途中の雑木林も雰囲気のいい森で、山野草も見ることが出来ます。
 井の頭公園は桜の名所として有名で、池を取り巻く桜並木を見るとそれも頷けますが、桜だけでなく梅園、石楠花園、ツバキ園もあり、動物園や温室、水生植物園、彫刻園などさまざまな施設もあって、どの季節に来ても楽しめそうだし、一日いても飽きることはないでしょう。動物園にはゾウやアカゲザル、アライグマ、アムールヤマネコはじめ可愛い動物がたくさんいます。モルモットは直接抱いて遊ぶことも出来ます。遊園地もあって若いファミリーには最適のスポットと言えそうです。

 園の南側にはジブリ美術館があります。予約しないと入れないこの美術館、大人でもあこがれる宮崎駿の美しく、そしてなぜか懐かしい世界です。トトロの森のようなこの武蔵野は、ちょうどふさわしい場所なのでしょう。私もいつか行って、夢の世界に浸ってみたいものです。

武蔵野の面影を残す森石楠花の花
武蔵野の面影を残す森
石楠花の花

 文化園を出て池に戻り、周囲をぐるっと回ります。ボートが浮かぶ池を左に見ながら弁財天にお参りし、桜並木の下をくぐって左回りの形で池を一周し、駅に向かいます。

 吉祥寺駅の下を抜けて北側の商店街に出ます。ダイヤ街チェリーロードと名づけられた商店街には幾つも列の出来る店があり、下町の活気にあふれています。サンロード、カントリーロード、昭和通りなど、個性のある商店が並ぶストリートがたくさんあります。ハーモニカ横丁のように、人が一人やっと通れるような細い横丁もあって、しかもそこも人で溢れているのです。歩くだけで十分楽しめる街です。

   東京漫歩も10回目となりました。東京にはまだまだいいところがたくさんありそうです。少しずつ、東京のそぞろ歩きが楽しみになって来ました。


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