漫歩計の 

「東京漫歩」 第33回:都電荒川線に乗って(その2)

2004年8月22日

 都電荒川線シリーズの2回目は、庚申塚から飛鳥山・王子を経て荒川遊園まで。都電の路線の中でも特に見どころの多い部分です。

庚申塚停留所
庚申塚停留所


 庚申塚で降りて、巣鴨の商店街へ行ってお昼にしようかと思っていましたが、停留所に降り立つと、駅舎の中に店があるのです。「いっぷく亭」というその店、「一日乗車券利用の方は割引あり」と書いてあります。人間、こういう割引にはつい心が惹かれるもの。結局その魅力に負けて、焼きそばとおはぎのセット(650円を600円に割引)をいただきました。なかなかの味でした。
 店に入って見て分かったのですが、結構有名でマスコミの取材も多い店だったようで、いろんなタレントの色紙が無造作にテーブルの横に置いてありました。

 なお一日乗車券で割引が受けられる施設や店はたくさんあるようで、店にあったパンフによれば30箇所以上もありました。あとで出てくる飛鳥山紙の博物館なども対象になっているので、うまく使えば価値はありそうです。

 食事を済ませ、停留所を出て右(東)へ、庚申塚と猿田彦神社のある信号を渡って巣鴨地蔵通商店街に入ります。ガイドブックによれば「おばあちゃんの原宿」とあります。もちろん若い人も多く、ちょっと巣鴨の方に失礼な気もしますが、言いえて妙かも知れません。非常に活気のある商店街で、物価も安そうに見えるし、歩くだけで楽しくなるような道です。激安?の衣料品店や雑貨屋、甘党の店、お菓子屋さんなど、面白そうな店がたくさんあります。
 この街は、中山道と王子街道の交わる場所だったそうで、きっと江戸時代もこのように旅人たちで賑わっていたのでしょうね。 

巣鴨とげぬき地蔵地蔵に水をかける
巣鴨とげぬき地蔵
観音菩薩に水をかけて体を拭く

 賑やかな商店街をさらに数分歩くと、左に有名なとげぬき地蔵があります(正式には高岩寺)。境内の左手奥にある観音菩薩の前にはいつも行列が出来ています。自分の体の具合の悪い部分(肩とか、お腹とか・・・)に水をかけ、白い布で拭くと自分の病気が治るというのです。みんな熱心に水をかけ、丁寧に菩薩の体を拭いています。健康とは、健康である間は全くその大切さに気づかないのですが、どこか悪くなるといかに大事かが良くわかるもの。気持ちは良く分かります。どうか皆さんの病気が無事平癒しますように・・・そしてついでに私も病気になりませんように・・・。
 それにしても、観音に水をかけるために並ぶ人の列の横で、漢方薬を売るのはいかがなものでしょうか。人の弱みに付けこむような感じで印象が良くないし、どことなく胡散臭い雰囲気さえ感じてしまうのです。

 商店街を元に戻って、庚申塚からまた都電に乗り、新庚申塚(都営三田線西巣鴨駅の東すぐ)を過ぎ、西ヶ原三丁目滝野川一丁目と住宅街を走ります。庚申塚から以降、下町の中を縫って走る都電の線路敷は狭く、境界ぎりぎりまで民家が迫っています。線路に向かって洗濯物が干してあったり、所によっては「線路を歩かないで下さい」という注意書きがあったりします。きっと道路代わりに歩く人がいるのでしょう。
 どことなくノスタルジックな線路を見ていると、子供時代に帰ったような懐かしさを覚えるのです。
飛鳥山公園・都電広場
飛鳥山公園・都電広場


 やがて電車は飛鳥山に到着。ここから王子駅前までは路面電車となります。私はここで降りて歩道橋を渡り、飛鳥山公園を通り抜けることにしました。
 なお、飛鳥山公園はこの東京漫歩シリーズの第1回で取り上げた場所です。そのときの記録はこちらをどうぞ。
 飛鳥山公園の北には音無親水公園や名主の滝公園などもあり、散歩にはいい場所です。

 飛鳥山公園は徳川吉宗の時代からの桜の名所。園内には紙の博物館など、3つの博物館もあります。今日は博物館はパスして、桜の老木が並ぶ遊歩道を抜け、都電車両の置かれた広場で子供たちが遊ぶ声を聞きながらしばらく休憩。都電に乗り続けていても座れないことが多いので結構疲れるのです。


 休憩の後、反対側の階段を下り、JRの線路を越えて、王子駅に向かいます。ほどなく王子駅前停留所。JR京浜東北線・地下鉄南北線と接続しています。飛鳥山から都電に続けて乗ると、路面電車となった都電は180度近い大きな弧を描いてカーブし、JRのガードをくぐってこの停留所に着きます。

 王子からJRと分かれた都電は、栄町を過ぎ、梶原へ。ここで降りて北へすぐの商店街(梶原銀座)には、「都電もなか」を売っている店があります。都電の形をしたケースに入り、皮も電車の形と言うこのもなか、買って食べて見たかったのですが、単身赴任の一人身で一つだけ買うと言うのも格好悪いし、店の前までは行きましたが買うのはやめました。

ノスタルジックな線路荒川遊園
ノスタルジックな線路
荒川遊園

 またまた梶原から都電に乗り、次は都電の車庫のある荒川車庫前。ここでは運転手が交替しました。そして、その次の荒川遊園地前で下車。
 停留所からバラの咲く歩道(バラは都電のシンボルフラワーだそうです)を行くと、プールとスポーツセンターがあり、その向こうに遊園地の入り口があります。何と、ここにも都電の車両が飾られていました。
 なお、この遊園地は公営で、入園料が格安(160円)なのだそうです。

 都電の旅も半分以上が終わりました。次の「その3」では、金メダル電車も登場します。

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