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漫歩計の 

「東京漫歩」 第34回:都電荒川線に乗って(その3)

2004年8月22日

 都電荒川線シリーズの3回目(最終回)は、荒川遊園から町屋を経て終点の三ノ輪橋まで。荒川区のこの沿線は都電が最も重要な交通機関になっているように思えます。

 荒川遊園地前から都電に乗って(いったい今日何回目か?)、小台を過ぎ、宮ノ前に到着。都電の車内からでも分かるように、停留所の真ん前に大きな鳥居があります。これが尾久八幡神社で、昔は壮大な神社で周囲には堀もあったのだそうです。なお、次の熊野前停留所にも熊野神社という神社があったそうですが、今はこの尾久八幡神社に合祀されたとのこと。

尾久八幡神社荒川自然公園・白鳥池
尾久八幡神社
荒川自然公園・白鳥池

 さらに東に向かって都電に乗ります。東尾久三丁目町屋二丁目を経て、賑やかな町屋駅前へ。
 町屋では京成電鉄と地下鉄千代田線に連絡しており、ターミナルの一角を担う感じになっています。都電は東西に細長い荒川区を縦断するように走っており、都電荒川線という名前になっているのは、荒川区を走る部分が一番長いからでしょうか。荒川区には都電はなくてはならない路線ですね。昔、たくさんあった都電が次々に廃止されていったとき、荒川線も廃止対象として議論にあがっていたと思いますが、廃止されなくて良かった・・・。ダイヤはバスに比べれば遙かに正確だし、排気ガスを出さない環境にやさしい交通手段だし、路面電車はもっと見直されて然るべきだと思います・・・てなことを考えながら、駅前の喫茶店で冷たいコーヒーを飲んでしばらく体を休めました。

 都電の旅も終わりに近づきました。荒川七丁目を過ぎ、次は荒川二丁目。ここで最後の途中下車をして、すぐ横のスロープを登り、荒川自然公園へ。
 この荒川自然公園は、一部は三河島下水処理場の建物の屋上部分に設置されています。しかし、広い池に白鳥が戯れ、大きな鯉がたくさん泳ぎ、周囲には木道が設けられていたりして、屋上とはとても思えない安らぎの空間になっています。子供連れのファミリーがたくさん遊んでいて、自然のない大都会の住民にとっては、下水処理場の上といえども、大切な緑のスペースのようです。
 公園はさらに陸橋をはさんで奥へと続いており、テニスコート、野球場もあります。陸橋の部分ではさすがに下水処理の臭いがかすかにしますが、少し離れれば気にならない程度です。最も奥の部分には「交通園」と称する施設があり、小さな子供達が自転車の練習をしながら交通ルールを学べるようになっています。

荒川自然公園・交通園「金メダル電車」
荒川自然公園・交通園
「金メダル電車」

 園内を一周して元に戻り、荒川二丁目停留所への坂を下っている時、横の線路を「金メダル電車」が通りかかりました。開催中のアテネオリンピックの競泳で、100m平泳ぎと200m平泳ぎの2種目にわたって金メダルを獲得した北島康介選手(地元東京・荒川区の出身なのです)の快挙をたたえ、「祝:北島康介選手:金メダル」と書かれたメダルをかたどった金色の丸い標識を前に付けた電車です。そういえば今朝のテレビでこういう電車が走っているというニュースをやっていました。1両しかないはずなので、偶然目にすることができたのは幸運でした。急いでカメラに収めましたが、それなりのスピードで走っている電車なので鮮明な写真とはなりませんでした。

 またまた都電の乗客となり、荒川区役所前を通り、荒川一中前へ。この停留所は、一日乗車券に停留所名が印刷されていない(停留所名のハンコが押されている)ことから見て、最近新設された停留所のようです。赤字では停留所が新設されることもないでしょうから、やはりよく利用されているのでしょう。

三ノ輪停留所一日乗車券
終点の三ノ輪橋
一日乗車券

 そして遂に(?)終点の三ノ輪橋。ここは(南に少し離れてはいますが)地下鉄日比谷線の三ノ輪駅に接続しています。「関東の駅百選」にも選ばれたという雰囲気のいい駅で、植え込みにはシンボルのバラが綺麗に咲いています。周囲は賑やかな商業ゾーンで、手前の荒川一中前まで長い商店街が続いています。

 朝、早稲田で都電に乗ったのが10時半、そして終点の三ノ輪橋に着いたのは午後3時半。5時間かけて都電の旅を満喫しました。合計8回途中下車したので、9回乗車した勘定になります。さらに、終わってからまた都電に乗って住まいの近くの面影橋まで帰ったし、その夜に池袋に用事があって出かけた時の往復にも使ったので、何と計12回にも達しました。都電の運賃は1回160円均一。同じ日に3回以上乗るなら400円の一日乗車券が有利で、私ももちろんこれを利用しましたが、12回も乗るとちょっぴり交通局に申し訳ないような気さえします(すみませ〜ん)。
 なお、一日乗車券は車内でも買えますが、車内で買うと「一日乗車券」という表示と日付しか書かれていない味気ない切符です。予め営業所で前売券(6ヶ月間有効)を買うと、都電の路線図が書かれ、裏には使用日付を示すための銀色の被膜の貼られた数字が並んでいて、自分で日付の数字を削って使うという、一風変わった切符を手に入れることが出来ます。鉄道ファンでなくても、こちらの切符の方が楽しいでしょう。
 また、都営地下鉄や都バスにも乗れる700円の一日乗車券もあります。

 一日かけた都電の旅は、とても充実して楽しいものでした。沿線の見どころをもっとゆっくり見たい場合は、無理に一日で回ろうとせず、2日くらいかけてゆっくり回るのもいいかも知れません。
 都電の旅は、古くて新しい東京の楽しみ方として、お薦めです。

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