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「東京漫歩」 第51回 深川〜清澄庭園

2006年2月25日

 久しぶりに東京で過ごす週末。2月も終わりが近づき、寒さの中にも春が感じられます。今日の東京漫歩は深川から清澄庭園までのコース、下町の風情と美しい庭園が楽しめます。

 地下鉄門前仲町駅で下車し、永代通りを東へ少し歩くと深川不動堂の入口です。門前の不動尊商店街は雰囲気のいい商店街で、豆菓子や煎餅、漬物などの店が並んでいます。縁日が開かれる日には大勢の買い物客で賑わうのだそうです。

 深川不動にお参りして、境内を右へ抜けると富岡八幡宮があります。ここは深川七福神巡りの起点であるとともに、江戸勧進相撲の発祥地として有名なのだそうで、境内北側の一角に立派な横綱力士碑があります。さすがに朝青龍の名はありませんでしたが、千代の富士や北の富士などという懐かしい名前が見えます。「超五十連勝力士碑」(50連勝以上を記録した力士の碑)などというのもあります。
 なお、富岡八幡宮のすぐ東に、遊歩道をまたぐ赤い小さな陸橋がありますが、これは日本最古の鉄橋で、国の重要文化財に指定されている八幡橋。見逃さないようにしましょう。

深川不動堂横綱力士碑
深川不動堂
横綱力士碑

 高速道路の下をくぐってすぐ左に折れ、江戸深川珈琲本舗という奥ゆかしい名前の喫茶店の前を過ぎ、北(左)に曲がって葛西橋通りに出て、冬木弁財天を右に見ながらさらに北へ向かいます。さすがに七福神巡りがある地域柄、このあたりにはお寺が実に沢山あります。また、江戸時代は木材の集散地だったようで、今もその名残があちこちに見られ、「木材新聞」などという業界紙の事務所もあります。

 川を渡り、しばらく行くと立派なケヤキ並木に行き当たります。ここを左に折れるとすぐに深川江戸資料館があります。館内には江戸時代の街並みが再現され、江戸町民の暮らしぶりを偲ぶことが出来ます。なかなか面白い資料館です。

 ところで、深川と言えば忘れてはならないのが深川めし。江戸時代にとれたてのアサリと野菜を味噌で煮てご飯にかけて食べたのが始まりだそうですが、この界隈では深川めしを食べられる店がたくさんあります。私ももちろんいただきました。たっぷりのアサリを味噌味で味わう深川めしは、何となく江戸の下町情緒を感じさせてくれるような気がしました。

八幡橋清澄庭園
八幡橋
清澄庭園

 ケヤキ並木を抜け、清澄通りを渡って、清澄庭園に向かいます。入り口は右側に入ったところにあります。
 清澄庭園はもとは江戸の豪商・紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と伝えられ、その後武家に譲渡されて庭園が形作られ、明治に入って岩崎弥太郎の手によって社員・貴賓招待用に整備されたそうです。中央の大きな池(大泉水)の周囲には全国各地の名石が配置され、ものすごく金がかけられた庭園であることが分かります。伊豆や近畿・四国・佐渡など遠いところから巨石を運ぶのは大変な作業だったと思いますが、さすが岩崎弥太郎、金持ちの桁が違う感じですね。
 清澄庭園の南西側の広場の一角に、有名な松尾芭蕉の「古池やかわず飛び込む水の音」の句を刻んだ記念碑があります。芭蕉はこの深川にしばらく滞在し、数々の名句を生み出したそうです。

 池には多くの渡り鳥たちが羽を休め、美しい築島や周囲に広がる緑とあいまって、優しい空間を作っています。園内には大正記念館や涼邸という名の集会施設もあり、私が訪れたときは涼邸で結婚披露宴が行われているようでした。早春を代表する花・フクジュソウも咲き、また今年の寒さで開花が遅れていた梅もちらほら咲き出して、いよいよ春の近いことを教えてくれます。ツツジ、ハナショウブ、彼岸花などの花も季節に応じて楽しめるようです。いい公園です。
 清澄庭園の西側には清澄公園もあります。

フクジュソウ咲き出した梅
フクジュソウ
咲き出した梅

 七福神巡りを続けるのであれば清澄庭園からさらに北へ進むことになります。深川稲荷や芭蕉記念館などもありますが、また次の機会に譲りましょう。清澄庭園の北西すぐに地下鉄清澄白河駅があります。

 深川は、都心の大手町から地下鉄に乗ればほんの10分ほど。しかしそこには今も江戸時代の雰囲気が残り、下町情緒の感じられる街があります。ほんの百数十年前までは、このあたりでは毎日威勢のいい物売りの声が聞こえたのでしょう。次回訪れる機会があれば、ぜひ賑やかな縁日のある日に来て見たいものです。

 

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