
2001年9月11日のアメリカでの同時多発テロ以来、アメリカは終わりのない「対 テロ戦争」の時代へと突入しています。「対テロ戦争」とは何なのか? 著者 Joel Andreas が、急きょ書き下ろしたこの章で、その本質が鋭くえぐられてい ます。
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以下の文章もまだ仮のものです。
9月11日の世界貿易センタービルと国防総省への恐ろしいテロ攻撃以降、あるひと つの疑問が生じた。それはあまりに答えにくいものだったので、アメリカのニュース でまともに扱われることはほとんどなかった。
その答えを見つけるには、もっとも重要な容疑者自身に聞いてみることが一番だ。 アメリカの爆撃機がアフガニスタンへの空爆を開始すると、オサマ・ビン・ラディン はビデオテープに収録されたメッセージを公表した。9月11日の攻撃を賞賛し、合衆 国へのさらなる攻撃を呼びかけ、そしてその動機をはっきりと説明したのだ。
アメリカが今、味わっていることは、われわれがもう何十年も味わってきたこと にくらべれば、ごく、ささいなことである。われわれの国(イスラム世界)は、80年 以上にもわたってこの屈辱といやしめとを味わってきた。息子たちは殺され、その血 は流され*、聖地は攻撃される。そしてだれも耳を傾けず、心にも留めない。こうし て話している間も、何百万もの無実の子どもたちが殺されている。イラクでは何の罪 もない子どもたちが殺されている……。
アメリカ――その国家と人びとに対して、私はほんのいくつか言いたい。私は、柱 もなく天空を支え給う偉大な神に誓う。ここパレスチナに暮らす私たちの前に平和が 戻り、異教徒の軍隊がマホメッドの土地から出ていかないかぎり、アメリカ、そして アメリカに暮らす人びとは、安全を夢見ることさえ叶わないだろう。 神に平和を。
オサマ・ビン・ラディン
2001年10月7日
*この息子たち、この血とは、「母なるイスラムの大地の」息子たち、血、という意味。 「柱もなく天空を……」と同様、イスラムの人びとはこういう詩的な表現を好む。
中東も含め世界中で、ビン・ラディンがおこなったテロという手法を支持する 人はほとんどいない。だが、中東地域のほとんどの人びとは、アメリカに対して 共通の怒りを感じている。中東の人びとは、中東地域の腐敗した専制的政権を支 援するアメリカに対して、あるいはパレスチナ人を犠牲にしてイスラエルを支持する アメリカに対して、さらに軍事力と冷酷な経済制裁を通して中東地域を無理やり 自分の思い通りにしようとするアメリカに対して、怒っているのだ。
ブッシュ政権は、すぐにアメリカのテレビネットワークに対して、ビン・ラディ
ンのビデオメッセージの放映は“慎重にするよう注意”をうながした。
その公式の理由は?
しかし、暗号メッセージを放送させないことが本当に政府の主なねらいだったの だろうか。おそらく、ビン・ラディンが明言した「9月11日の攻撃は、アメリカの外 交政策、とくに中東地域への軍事介入への報復として実行された」というメッセージ があたえる影響を心配したのだろう。
アメリカ国防総省は、最新鋭の兵器によって、攻撃目標の国の基盤施設*を破壊し、 数千人いや数十万の人びとを殺して国内を荒廃させることができるということを、く り返しくり返し実際に見せつけてきた。
*水道、電気、道路など、市民が生活するうえで不可欠な公共の施設。 インフラストラクチャー(インフラ)ともいわれる。
はじめに:
第1章: "運命顕示"
第2章: "冷戦"と自称"世界の警察官"の功績
第3章: 「新世界秩序」
第4章: テロとの戦争 (イメージ画像p.34)(p.35)
第5章: 軍国主義の高い代償
第6章: 軍国主義とマスコミ
第7章: 軍国主義への抵抗
引用文献リスト